その点滴は必要ですか?在宅医が終末期の患者さんに輸液をお勧めしない二つの理由

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

看取りの時期にはいりつつある、もしくは終末期のケアが主体となる患者さんに点滴はすべきではない、今日はそんなことを少し書いてみたいと思います。



病院で治療中の方で在宅復帰を目指す方、たいてい病院では高カロリー輸液もしくは末梢からの点滴がされています。

治療をし続けることが最高の医療、そんな考えからでしょうか?はたまた患者さんや家族が点滴をしないことに耐えられない、もしくは点滴を好んでいるのでしょうか?

自分は終末期の患者さんに対して多量の輸液をするのは次の二つの理由から反対しています。

一つは身体的な理由

やはり点滴すればするほどむくみが強くなり痰がらみなども多くなります。また腹水などの貯留も当然ですが多くなり点滴により余計につらい症状が出現することがままあります。もちろん食欲も高カロリーなどすれば減るため経口摂取も減りますよね。

二つ目は精神的な理由

点滴をすることは医療者や患者さんからみたら「楽な」治療法なんですよね。もう点滴をすべき時期ではない、治療を辞める時だ、点滴する意味がなくなりつつある。そんなことを説明し患者さんに納得してもらう、このプロセスは医療者や患者さんにとって非常にストレスフルな過程です。

その過程を点滴をすることによりそむけさせる。あたかも「死」それ自体から点滴することで遠ざかっているよ、と患者さんが現実から目を背けさせる精神的な効果が点滴にはあります。医療者はこの時期にきたら点滴することが余命にはそんなに影響しないことは理解しています。しかし治療しているんだよ、っていう建前のために患者さんには点滴を行っています。

 

もういい加減意味のない点滴はやめませんか?

医療者は終末期の患者さんに点滴という治療の意味をきちんと説明し、患者さんが死ときちんとむきあえるに説明していきませんか?

患者さんも自分が受ける治療の意味をきちん理解し不必要な点滴は拒否しませんか?Noと言いませんか?本当に点滴が必要なのか、何のための点滴なのか考えませんか?

 

不必要な点滴がなくなれば穏やかに自宅で過ごせます。過剰な医療処置は身体的には苦痛を、精神的にも死を許容することを遠ざけてしまいます。治療することはもちろん大事ですが、死が近いのならばあるがままに受け止める、そんな人生観もこれからの急性期医療や在宅医療に必要なのではないかと考えますが如何でしょうか?

皆さんはどう考えますか不要な点滴されている患者さん近くにいませんか?

 

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