公開日:2017年03月03日

在宅での点滴について 皮下輸液などなど

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

昨日の医療センターの事例検討ですが・・・・・残念ながら時間がつくれず自分は参加できませんでした。後でSWの人がブログでどんな感じだったのか報告してくれると思いますので楽しみにしたいと思います。

 

さて先日こんなニュースあったの知っていますか?内容紹介します

<泥酔の同僚にプライベートで点滴 救命士法に違反か http://www.asahi.com/articles/ASK2K5W48K2KUGTB014.html >

福島県いわき市消防本部の30代の男性救急救命士が昨年12月、自宅で消防職員ら4人と飲酒した際、酔って嘔吐(おうと)した消防職員1人に注射針で点滴をしていたことがわかった。点滴は医師の指示のもとに行うと定めた救急救命士法に違反している可能性があり、消防本部が処分を検討している。

消防本部などによると、救急救命士は非番で、夕方から同僚とともに市立病院の女性看護師らと懇親会を開催。午前0時ごろから、自身のアパートで男性消防職員2人と看護師2人の計5人で飲んでいたという。

その後、消防職員が嘔吐し、救急救命士が点滴したという。「酔いを覚ませてあげようと思った」と説明したという。点滴で水分を補充し、血中のアルコール濃度を下げようとしたとみられるという。いわき市によると、同席した看護師の一人も注射針を刺したことを認めており、違法行為の疑いがあるとして、市が詳しく事情を聴いている。

消防本部は、点滴用の注射針と輸液セットを業務外で持ち出すことを禁じていたが、救急救命士は無断で携行していたという。

 

これは100%アウトです。絶対ダメですよね。

 

さて点滴と言えば本日は在宅での点滴ってどんなルートからどんな目的ですることが多いのか、簡単に述べてみたいと思います。

在宅での点滴をルートによって分類すると大きく3つに分けることができると思います。①中心静脈からの投与②末梢からの投与③皮下投与、という分類です。

中心静脈からの輸液はこれ使います↓カフティセットと輸液セットですね。

中心

目的は高カロリー輸液のためでポート針と輸液セットはは週1で交換することが多いですね。(これらの物品の請求は管理料と特定保険材料での請求となります。)CAD使用する時は側管をつくることが多いです。イレウス等でこの点滴行っている方はサンドスタチンなどの投与も結構な割内でメインに入れて使用することがあります。皮下注射はできない人、ほとんどですしね。

次に末梢点滴ですがこれは通常の点滴セット使用しておこなう点滴で一番頻度としては多いです。目的はほとんど肺炎や脱水などの急性増悪時の対応が多いです。抹消ルートはシュアプラグロック↓します

末梢

ただ認知症の有無によっては点滴一回ずつ施行することもままあります。在宅で自己抜去されたら結構大変ですので・・・ここらへんは皆さんも良くわかっていると思います。(ちなみにここだけの話ですが末梢からの点滴の処置の点数って低いほうだと49点とかなんです。なので1本100円くらいするサーフロー針を失敗して3回つかったりしたらもう医療機関にとっては赤字になるんですね

・・・・・)

最後に皮下点滴ですが、こちらは病院ではあまり馴染みがない手技だと思います。ただ在宅では結構やります。

こんなのや↓

mig

こんな感じです↓

皮下

 

っていうのは冗談ですが(適当な写真がなくてすみません、今日もしてきたんですが写真は撮りませんでした) 、腹部や大腿部にサーフロいれて行うことが多いです。目的はルート確保が困難な方のためにゆっくりとした輸液を行う場合にほぼ限られます。老衰や認知症の末期の方でゆるやかーに落ちていく方の時に週に2,3回のみ行うことが多いですね。

在宅の現場では結構積極的に皮下輸液することが多いです。大抵家族や他の医療者って皮下輸液みたことなくて

「そんなの危ないんじゃないですか???」

って心配になるのですが実は一番危険性も少ないし安全にできるんですよね。もっと在宅で皮下輸液が一般的になればいいのでしょうが、病院での輸液になれた医療者であれば皮下輸液自体に拒否感というか、違和感があるのでしょうね。

皆さん皮下輸液安全ですからご心配なく、安心して点滴してもらってくださいね。

 

いかがでしょうか。本当に簡単にしか書いていない内容うすい更新ですみませんがあしからず・・・

 

さて今日の医療ニュースはこちら、日経からです。この問題、すごい難しい問題だなって在宅やるようになってからよく理解できるようになりました。ちょびっとこの記事とは違いますが在宅での救命の基準をどうするのか、在宅は医師看護師一人で動く機会も多いので複数の医療者での判断っていうのが必然的に難しくなります・・・・判断したことが間違っていたら個人の責任となってしまうのか、それとも在宅医療っていうシステム上仕方のないことなのか・・・・これはしばらく議論が必要になりそうな問題と考えますが皆さんはこの記事読んで在宅での現場だとどうなるか、この先どうなるのがベストなのか想像できるでしょうか?

安易な救命中止に警鐘 集中治療医学会、慎重な判断求める

日本集中治療医学会は2日までに、医療現場の現状を調査した結果、救命の見込みがあるにもかかわらず終末期の患者と判断し、必要な治療が行われていない懸念があるとして、医師や看護師らに対し治療方針を慎重に決めるよう求める勧告を出した。

患者本人や家族の要望に基づき、心肺が停止しても患者の尊厳のため心肺蘇生をしないこと(DNAR)を事前に取り決めた場合について、医師の一部でDNARが拡大解釈されていると指摘。心肺停止状態でないのに、本来継続すべき投薬や輸血などの医療行為も安易に中止されている恐れがあるとした。

勧告に先立ち昨年10月、会員の医師にメールで調査を実施し、595人から回答を得た。

医師からDNARの指示が出ている場合、中止を検討する医療行為を複数回答で尋ねると、人工透析(79%)や人工呼吸器(74%)、輸血・血液製剤の使用(60%)などが挙がった。「集中治療室への入室を控える」との回答も55%あった。

学会は複数の医師らで判断するのが望ましいとしているが、独断で決めるという医師も16%いた。また、DNAR指示は患者の年齢に関係なく心肺蘇生による救命の可能性を基準に判断するのが原則だが、23%は「後期高齢者(75歳以上)の入院時に検討することがある」と答えた。

同学会倫理委員会の丸藤哲委員長(北海道大教授)は「DNAR指示が全ての治療の中止を意味するかのように現場で誤解されている実態が分かった。安易に救命努力を怠らないよう注意していきたい」と話している。〔共同〕

 

 

これからは在宅の現場からの救急医療はどうなるかは大きな議論となりそうですね。点滴のこと、救急のこと、ここでは触れていませんが緩和ケア含む終末期医療のこと・・・かかりつけ医や在宅医の活躍するフィールドは広範囲になりそうな予感がします・・・

 

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