4月から在宅医となるお医者さんへ:在宅医1年生がぶつかる壁はこれだけありますよ~

こんにちは、在宅医療に従事して7年目の札幌の医師@今井です。

医師の中には4月から在宅医療に飛び込もうと考えている方もいらっしゃるのではないかと思います。個人的には一人でも多くの医師が在宅医療に従事することを歓迎していますが、やっぱり慣れた病院医療とは一味も二味も違った点もあるのも事実・・・・

これまで当院では在宅専従の経験なし、もしくは在宅医療の経験ほぼゼロから在宅医療を開始した先生がいらっしゃいますが、在宅医療1年生の時にぶつかった壁についてどんなものがあったのか、簡単に書いてみたいと思います。これから在宅始める医師の参考になればと思います。

在宅医1年生がぶつかる壁

①患者さんや家族との会話、距離感のつかみ方

どこまで踏み込んで話をするのか、病状を説明するのか、どのようにコミュニケーションをとればいいのか、家族ごとの対応をどうするのかという点でご自分をうまく対応させることがやっぱり難しいようです。年数立てばここは大抵改善されるのですが、1年目は変に距離とりすぎたり近くなりすぎたり・・・・・大事なことは自分のしたいことをするのでなく相手がしたいこと(話したいこと)をさせてあげることですかね・・・・

②自分で行う医療処置

夜間の往診や休日の診察など看護師さんがついていればいいですが必ずしもそうでないクリニックでの勤務であれば自分である程度の簡単な医療処置を行えるようにならなければいけません。

具体的には採血及び点滴、抗生剤の投与のためのルート確保、各種カテの管理と交換、直腸診や簡単な止血処置など・・・病院でしていたことを自宅でそのままするのって思いのほかプレッシャーがかかります。家族の目の前ですし。最初はルートとるだけでも汗だくになるでしょうね~

③看護師さんへの指示だしや上手な活用方法

特別訪問看護指示書の活用方法、医療保険の訪問看護の利用についてどのタイミングで行うかはかなり迷うようです。あとは点滴指示の出し方などステーションから駄目だしされること結構ありますね。(かくいう自分も今でも言われることありますが・・・)看護師さんへの指示どうだしたらいいか、同じ法人にステーションでもあれば楽ですが外付けのステーション主体で在宅やる場合にはここも苦労する点ですね

 

④保険制度への理解

③でも書きましたがやっぱり保険制度が<なにこれ?今まで病院では習ってこなかったわ!!>って感じで一から学ばなきゃいけないのでここはかなり大変だと思います。実際専属でかなり注力してやっても最低でも2年程度医療制度の習得にはかかるので誰かそばに相談できる人がいない限り独力ではかなり大変でしょう。

勉強するためのおすすめの本は過去のブログのこの記事でとりあげていますので参考にしてみてください。

 

 

ということで上記の4点、特に一番問題となるのが①と②かなと思います。

常々在宅医療はコミュニケーションの医療と自分は考えていますが、その実践をどう患者さん宅というアウェーの環境でやっていくのか、当初は非常に緊張するかと思います。でもそれが普通です。自分も含め今はある程度の診療している在宅医もはじめはドキドキ不安感いっぱいの中での訪問診療であったことは間違いないです。

誰しもがとおる道ですがどうぞ在宅医療を楽しんで患者さんの診療にあたってくださいね。何か相談したいことや聞きたいこと、意見があれば遠慮なくご連絡ください。

 

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解決されないロングショートの問題~特養入所までの間の医療はどうするんだろうか?

こんにんは、宮の森の往診医@今井です。

在宅の患者さんで家族の体調の問題や介護の問題、特養入所待ちなどでショートステイに長く滞在することになる患者さんいます。いわゆる<ロングショート>ってやつですね。7年くらい前から在宅やっていつも思いますがこの問題の解消って国は本格的に考えていないですね。

問題とは何か?

①特養などの自己負担の低い施設の入所待機が長いこと

②ロングショート利用中の医療的対応の問題

この2点です。特に②に関しては往診や定期訪問などの問題も限られた中で医療的な問題が生じたときには結構苦労します。患者さんや家族も困りますし医療者もケアマネさんも困ります。

今井の患者さんでも現在ロング―ショート利用している方いますがいつまでこの状態が続くのか・・・・その間何かあったら事前にとっていたACPは有効に活用できるのか・・・・うーん、微妙です・・・

介護医療院などの施設の整備もいいですが、患者さんの現実を見ている在宅いとしてはロングショートの扱いとそこでの往診や訪問看護などの医療の解禁について是非検討してもらいたいですね、って思っていましたが今回の改定ではかわらなさそうです・・・・

 

皆さんの周りにロングショート利用の患者さんいませんか?気がつかないだけで結構な人数の患者さんいるはずですよ。方針決定までの、特養入所までの間のロングショート利用中の問題、他人事だと考えずにみなで考えていけたらと思います。皆さんのご意見はいかがですか?

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第7回医師の働き方改革に関する検討会の資料を読んでの感想

こんにちは、労働条件など関係ない診療所の管理医師@今井です。

先日医師の働き方改革に関する検討会で医師の勤務内容についての検討が行われたようですが資料を抜粋して少し読んでみたいと思います。

検討会の資料の内容確認

資料1資料2ありますが、1は長いので結論が主体である2だけ提示します。

 

取り組むべき案として提案されていたものは

1 医師の労働時間管理の適正化に向けた取組

2 36協定等の自己点検

3 既存の産業保健の仕組みの活用

4 タスク・シフティング(業務の移管)の推進

5 女性医師等に対する支援

6 医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組

の6点が提示されていました。

1と2、3、6に関しては正直実行性は???でしょう。この問題の解決は数年かかりますね。以下の記事にあるように大学病院や公的病院での時間管理や医師同士のタスクシェア、休日管理をどうするかは非常に難しい問題です。民間の病院はある程度は大丈夫だと思いますが・・・以下参考記事どうぞ

労働時間 タイムカードで管理 大学病院医師5.5%

4に関しては一番てっとり早くできそうですね。この項目はあとでどこから手をつけたらいいか述べてみたいと思います。

5に関しては既に民間の病院ではどんどんしているでしょうし、今回の診療報酬改定でオンライン診療が導入されたことからも今後女医さんや子育て中の医師のオンライン診療の実現性は診療科によっては数年以内にはあるでしょう。

何から手をつけるべきか

一番実現性が高そうで医師の業務負担を現実的に減らすことが可能そうな案は4のタスクシフトとなるかと思います。タスクシフトする内容は病院や在宅などでも色々ありますが、病院や診療所レベルで考えるとどう考えても

書類管理や作成業務を医師から外し専任者をつけることにインセンティブをつけることを推進する

これがまずは一番即効性があり医師の無駄な時間を減らせると思います。

実際医師としても実臨床で時間とられるのはある程度許容できますが、書類管理での残業は本当につらいところがあります。結果どんどん後に書類が残り医師にとっても患者さんにとっても医事科(遅くなれば当然クレーム来ますし・・・)にとっても大変ストレスが高い業務となっています。

入院の度毎に同じ書類内容の作成をするのに時間をかけるのは本当に時間もったいないですよね・・・

国が業務移管、タスクシフトを真面目にきちんと考えているならば、医療機関の任意に任すのではなくこの部分にきちんとコストをかけるだけでだいぶ効果がある施策となると思います。けちらないで予算つけて欲しいですね。

 

大規模なタスクシフトではなくまずは書類作成や書類管理業務を医師からなくすようにアクセル踏むことを検討してみては?これだけでも1日1時間近くは医師の業務が楽になるはずです。資料を読んで自分はそんな風に感じましたが皆さんはどう考えましたか?よければご意見くださいね