超高齢者へのCVポート造設について

こんにちは、色んな疾患や状態の患者さん診察している札幌の在宅医@今井です。

突然ですが皆さんは自分が超高齢者(90歳以上)となった時に食事がとれなくなった時にどのような医療を希望されますか?胃瘻やCVポートをつくるという選択肢はありでしょうか?なしでしょうか?

 

先日とある病院から紹介された患者さんですが、90代前半でがんの患者さんでした。進行性に体力落ちてきたので末梢からの点滴管理をされていたようです。ただもうルートがきびしくなってきたので今回CVポートつくったので大丈夫!あとの療養は在宅でお願いします、という依頼でした。

診療自体は喜んで診察させて頂きますが、やっぱり気になったのが90代の方で進行性の病気で余命が限られている状態の患者さんになんでCVポートつくったの???という素朴な疑問でした。確かに末梢からの点滴厳しくなったらどうするか迷うと思いますが、在宅復帰を考えているなら先に在宅チームに相談してくれれば皮下輸液やらなんやらで相談はできたのに・・・・との考えが頭をよぎります。これで麻薬の持続注射が必要とかならまだわからないでもないですが・・・・

 

自分は何が何でも高齢者のCVポート=悪、と考えることはありません。実際当院でも100歳近いおばあちゃんがCVポートからの点滴管理はされてはいますが楽しく家族と過ごされている方もいらっしゃいます。ハッピーなCVポートもあることもあるのです。

ただ進行性の疾患でかつ水分投与のためだけのCVポートであれば全く必要ないのではないかと考えています。自分がこの患者さんななら絶対嫌だと思いますね・・・・

 

 

皆さんは自分が高齢となった時、もしくは親や血縁者が高齢となった時にどのような医療を受けたいか考えていますか?また決断を下すときにきちんと医療者に意見を伝えられますか?

超高齢者へのCVポート、医師や医療者からつくるかどうか相談されたときはきちんとその意味を考えてから返答してくださいね

 

 

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身よりのない認知症患者さんの終末期医療について:今後司法書士は医療処置の決定やACPにどう関わるのか?

こんにちは、札幌で在宅医療や外来診療で認知症患者さんを診療している医師@今井です。

認知症の患者さんで司法書士さんのお世話になっている方、終末期医療ではどこまで司法書士さんの意見を聞くべきか皆さんはどうされていますか?

自分はこれまで身寄りのない認知症患者さんで司法書士さんがついている場合は司法書士さんや看護師さん、介護士さん、ケアマネさん、施設に入所していれば施設の管理者さんなどと一緒に「この患者さんどうしてあげたらいいでしょうかね」って話をしてきました。

ところが先日ちょっと話をする機会があった司法書士さんから「基本的には医療のことは法律上はまだ不干渉なんだよね~」と言われました。これまでは当たり前のように司法書士さんも交えて話していましたが、そもそも認知症患者さんの終末期医療への関わりって司法書士さんはどうなっているんだろう?と疑問があったので少し調べてみました。

関係する法律として平成28年に以下のものが出されていました。(不勉強ながらこの法律知りませんでした・・・)この中で医療に関わる部分のみ抜粋します。

成年後見制度の利用の促進に関する法律

第二章 基本方針

  1. 第十一条 成年後見制度の利用の促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえるとともに、高齢者、障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。
    1. 一 成年後見制度を利用し又は利用しようとする者の能力に応じたきめ細かな対応を可能とする観点から、成年後見制度のうち利用が少ない保佐及び補助の制度の利用を促進するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずること。
    2. 二 成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを行うこと。
    3. 三 成年被後見人等であって医療、介護等を受けるに当たり意思を決定することが困難なものが円滑に必要な医療、介護等を受けられるようにするための支援の在り方について、成年後見人等の事務の範囲を含め検討を加え、必要な措置を講ずること

 





ということで文章読んだ印象としては「医療の分野においてもこれからは成後見人として責任もってみていくように制度整えていきましょうね」っていう方向性にしたいのは理解できました。

ただ認知症のみよりのない方の意思決定が後見人の方だけでされてしまうと大抵は「独居は危険だよね→施設へ入所しよう→結局環境変わって不穏となり、鎮静からの寝たきり・・・」となってしまうのではないかなとも危惧してしまいますが考えすぎでしょうか?

身よりのない認知症患者さんの意思決定支援、終末期医療に関わるACPをどのようにしていくのか、司法書士さんもわれ関せず、もしくは一人で決める!ではなくやっぱり在宅医や訪問看護師、ケアマネや介護士などと一緒に考えて行くことが必要になるのでしょうね。そういう意味では司法書士さんも地域で積極的に活動する必要があるのでしょうが・・・・現実あんまりまだまだいないような・・・・

 

まとめ

独居の認知症患者さんへの成年後見人制度は財産管理や生活支援などが中心で医療の分野においては法律が制定されたもののまだあまり話が進んでいない状況です。

ただ診療報酬の改定で高齢者への終末期医療へのACPをきちんと行うこと、と決定されたこともあり、今後司法書士さんがACPを含めた医療行為へどのように関わっていくのかこれまで以上に議論をしていくことが求められるはずです。個人的には成年後見人の制度できちんと医療行為についても後見人の役割を明記し、制度上司法書士さんが活動しやすいようにしてあげるべきかと思います。今のままではこれからの時代の変化に後見人制度が追いついていかないのではないかと考えますが、皆さんはどう考えますか?

よければご意見おしえてくださいね~

 

 

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2018年度診療報酬改定が診療所経営に与える影響について~キーワードは<かかりつけ>

こんにちは、24時間対応の在宅医療と外来患者さんも往診している札幌、宮の森の医師@今井です。

4月からの診療報酬改定に向けて喧しい時期ですが今回の2018年度診療報酬改定が診療所経営に与える影響について書いてみたいと思います。

皆さんも色々思うところはあるのではないかと思いますが、結論から書くと個人的には診療所経営者にとって今回の改定の一番の目玉は「かかりつけ機能の推進」ではないかと感じています・・・・

「かかりつけ機能推進改定」となった診療報酬改定

年始から2月にかけて診療報酬改定の概要が出ましたが皆さんはどうお読みになりましたか?

オンライン診療や看護師の死亡診断などもありましたが、個人的には今回の改定に一言言葉をつけるのであれば「かかりつけ機能推進改定」が一番しっくりくる言葉となるのではないかと感じています。

急性期、回復期病棟や地域包括ケア病棟からはより一層在宅復帰へ目線が注がれるようになりましたが、その受け皿としての国は地域にかかりつけ機能をもつ医療機関を増やそうとしています。

かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局、薬剤師などなど・・・・今後の医療においてのキーワードがどの医療機関にとっても<かかりつけ>という言葉になるはずです。

では診療所経営においてこの<かかりつけ>機能をどう考えるか?実はかかりつけ推進とはいいながらも国は漠然としかかかりつけ医の定義をしていません。診療所経営者としてはこの国が考えるかかりつけ機能を無視しては正直これからの経営は厳しくなるのは必至ですので、まずはかかりつけ機能をどう考えるのか、各診療所で考えて行動してねって問われていますので、まずは今回の改定ではっきりとかかりつけ機能に関して自院の立場を明確にしなければいけませんね。

ということを書くと、そんなこと言うならお前は診療所におけるかかりつけってどう考えてるの?と聞かれそうなので早々にお答えしますが、国がかかりつけ医に求める機能は他の言葉でこれまでも表現されていますよね。

自分はそれは地域包括診療料の算定要件、これが国が診療所に求めているかかりつけ機能だと考えます。(当たり前じゃんなんて言わないでくださいね)

以下地域包括診療料の要点(2018Ver)

1時間外対応加算1を算定していること

2常勤医2名以上いること

3在宅療養支援診療所であること

4外来から訪問診療に移行している患者さんが10人以上いること

他にも色々条件はあるので各人確認してほしいですが、簡単に言うと<複数医師体制で24時間の対応を行い外来医療も在宅医療もしてください>というのが国が出している診療所に求めているかかりつけ機能であると考えています。

今後はこのかかりつけ機能を軸に診療報酬の改定や医療政策が推移していくと考えられました。(初診料も282点→かかりつけ医機能をもっていたらそれに80点加算と大幅な上昇もついていますよね。)

診療所の医師はこれまでは来る患者さんの対応を、自分の専門の診たい領域の患者さんのみを診ていればいい時代でしたがその時代はもう終わりを告げつつあります。これからは専門診療以外の他の科の診療もある程度積極的にこなしつつ、さらに複数医師体制をとりながらどれだけ診療所の外に出ていけるのかが問われる時代だと、改めて今回の改定で認識させられました。

おそらくは今後はかかりつけ医を中心としてフリーアクセスの制限がもっと進んでいくはずですので、専門診療している診療所は在宅医療をしている診療所と連携しかかりつけ医機能を維持するのか、それともより専門性を高めていく方向にシフトし、かかりつけ医機能はもたないのかの選択を迫られるはずです。

診療所経営者にとっては診療報酬の改定は毎回頭の痛い問題ですが、今回の改定は<社会や地域に必要とされる医療機関とは何かを考えて行動しなさいよ、しないと次の改定ではもっと厳しい変化がありますよ>という国からのメッセージだと自分は捉えました。

ちなみに当院は地域包括診療料の算定用件は全て当てはまりますが、自分が医師会の研修のみすませていないので今年ゆっくり済ませていきたいと考えています!(^^)!

皆さんは今回の改定をどう読みましたか?ご意見あれば教えてください。

他にも諸々2018年診療報酬改定の記事書いていますのでよければみてみてくださいね~

 

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