患者さんや家族が切望する、在宅療養をバックアップするために本当に必要なレスパイト施設とは?

こんにちは、札幌の外来&在宅&在宅緩和ケアの医師@今井です。

患者さんや家族が切望している自宅で過ごすために本当に必要なレスパイトとはなんでしょうか?

国は地域包括ケア病棟や有床診療所、看護小規模多機能、小規模多機能、ショートステイ、お泊りデイなどを患者さんや家族のための在宅療養をバックアップするレスパイト施設と考えているようですが、現状では正直どれも不十分ですね。癌やALSなどの医療依存度の高い患者さん、入院が難しい認知症の患者さんの家族の方は苦悩しているのではないでしょうか?

以下にその理由を書いてさらにどのようなレスパイト施設が望ましいか書いてみたいと思います。

現状のレスパイト施設とその問題点

①地域包括ケア病棟

利点:リハビリが可能、医療依存度の高い患者さんの対応可能

問題点:あくまで入院であるため在宅生活の延長ではない、認知症患者さんの対応に???、見知った訪問看護師や訪問医がみる事が不可能

②有床診療所

利点:小回りが利く、医療依存度の高い患者さんの対応可能、見知った訪問医の対応は可能、

問題点:こちらもあくまで入院となる、訪問看護ステーションは入れない、数自体が少ない

③看護小規模多機能

利点:訪問看護と介護、通所、宿泊とバランスよく利用可能、ある程度の医療依存度の高い患者さんにも対応可、認知症対応も可能

問題点:患者さんがこのサービスを受けていないと利用できない(囲い込まなければいけない)、介護保険の自由度がかなり狭くなる、

④小規模多機能

利点:通所と訪問介護、宿泊とバランスよく利用可能、

問題点:医療依存度の高い患者さんは対応不可、囲い込み、訪問看護の入る余地がなくなる、リハビリ機能なし

⑤ショートステイ

利点:往診医が入れる、比較的自由にレスパイト日数を決められる

問題点:医療依存度の高い患者さんは利用できない、訪問看護が入れない、リハビリないのでADL低下する

どのような機能をもつレスパイト施設が必要??

という訳で繰り返しますが、上記のような施設では本当に自宅で暮らしたいと願う癌終末期、認知症患者さん、ALSなどの神経難病の患者さんのレスパイトが不十分であり安心して預けられないのが現状です。

往診医や訪問看護師が自由に出入りできて、かつ入院ではなく在宅の延長線上、さらにリハビリも行うことができて利用したいと思う患者さんや家族が(カンタキやショウタキなどの囲い込みの)縛りもなく利用できる、そんなレスパイト施設が望ましいと考えますがいかがでしょうか?(さらに付け加えるなら介護保険の点数使わないとかできると最高ですが・・・)

既存の制度で一番近いのはショートステイに訪問看護師の出入りを認める、リハビリ機能を充実させるなどがあるでしょうが・・・・本当にレスパイトが必要な患者さんや家族に安心して預けてもらえるような施設ができたらいいですね。というかそれをつくって運用してみようかなとも考えています・・・

 

皆さんは逆の立場でご自身が介護する家族となった場合はどうしますか?安心して、満足して預けられる場所はありますか?よければご意見くださいね。

 

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「医師の働き方改革に関する検討会」がまとめた資料、「中間的な論点整理」を読む

こんにちは、昨年からしばらくはワークライフバランスを無視した勤務をしている宮の森の医師@今井です。

2月27日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」が「中間的な論点整理」を資料としてまとめましたので、国がどのような方向性で考えているのか少しだけ資料を読んで理解してみたいと思います。

資料1 より

1と2なんてやり始めたら大学病院や特定機能病院ってどうなんの?って気もしないでもないです。どこまでが労働でどこまでが勉強なの?って明確に規定するのは難しいですね。ただ現状ではやはり医療機関に長時間いること=社会的には労働とみなされる部分ではあるので、今後医師も病院外で自己研鑽ができるようにしていくことが大事になるのでしょう。

ただこの項目の中で個人的に一番気になっているのはやっぱり4のタスクシフトの項目です。どの程度までのタスクシフトを考えているのか・・・もう一つの資料「 医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の方にもっと詳細な検討内容がタスクシフティング、タスクシェアリングとして書いていますので書き出してみたいと思います。(気になるところのみ赤文字にしてみます)

タスク・シフティング(業務の移管)

・ 医療機関や診療科ごとに提供する診療内容が異なるという特性を踏まえ、医師の行うべき業務とそうでない業務の明確化、具体的なタスク・シフティングの導入に向けた検討が必要ではないか。
・ 導入に当たっては、個々の医療機関の風土やマインドを変えていく必要があり、労働時間短縮の効果の発現までには時間がかかることに留意すべきではないか。
・ タスク・シフティングの範囲や導入が進まない要因及びその対応策について、諸外国の事例も含めて検討してはどうか。特に大学病院でタスク・シフティングが進んでいない等の実態を踏まえ、その推進についての検討が必要ではないか。
・ 医師が行う事務作業について、医師事務作業補助者を含めた事務職へのタスク・シフティングの推進も重要ではないか。
・ 看護職員による実施率が高い手技である、静脈採血、静脈注射、静脈ラインの確保、尿道カテーテルの留置等について、看護職員へのタスク・シフティングの推進が必要ではないか。
看護職員にばかり業務が集中しないよう、多職種チームでの総合的な検討が必要ではないか。
プライマリケア領域におけるタスク・シフティングも地域包括ケアの枠組みにおいて推進すべきではないか
特定行為研修を修了した看護師について、研修場所の拡大、指導する医師の協力促進、役割の明確化等を図りつつ、更に増加させることによるタスク・シフティングを推進する必要があるのではないか
・ 病棟における投薬に係る説明や服薬指導等の、薬剤師による実施の推進
先駆的な病院で取り組まれている「診療看護師」の活用の検討やフィジシャン・アシスタント(PA)の導入等の新たな職種の国家資格化の検討が必要ではないか。

タスク・シェアリング(業務の共同化)

・ 複数主治医制への移行等の検討も重要ではないか。
・ 24 時間対応を要するような医療機関の役割、診療科の特性や診療体制を踏まえ、患者の理解、安全に業務を引き継ぐ仕組みの構築と運用の徹底等を前提とした、シフト制の導入も検討するべきではないか。
地域での診療時間外の救急の対応体制や在宅医療を含めた外来の在り方まで含めて議論するべきではないか。
グループ診療や、短期間で医師を交代で派遣する仕組み等を積極的に推進すべきではないか

 

ということでおぼろげながら概要が理解できたのではないでしょうか?

特に自分は在宅医ですので地域の視点からみると、特定行為が可能な看護師さんを活用していきましょうね、診療看護師とPAを国家資格化して(プライマリーケアの領域で)活用しましょうねっていうのは既に既成事実なんでしょうね。また地域での救急に関して言えば地域包括ケア病棟を核としていくことを考えており、さらに複数のかかりつけ医と在宅医療専門の診療所が連携することで突発的な体調不良となった高齢者は通院できなくても対応してねって形にするのかなぁ、とかこの文言からは考えてしまいますがどうでしょうかね?

いずれにせよ医師の働き方改革→医師の仕事や看護の仕事の見直しの議論が進んでいくことは間違いないですので今後も注意してこの議論をみていきたいと考えています。

皆さんのご意見はどうでしょうか?よければご意見ください。

 

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