公開日:2018年02月07日

多剤投薬の問題にどう向き合うか~患者さん、医療者各々に原因があるのではないでしょうか?

こんにちは、自分で薬飲むのは全く好きではない医師@今井です。

多剤投薬の問題について書いてみたいと思います。多剤投薬は医師だけの問題ではないですね。どうしたら減らせることができると皆さんは考えますか?



新たに外来に来る患者さんもしくは訪問診療を受ける患者さんでも多剤投薬を受けている患者さんって結構いらっしゃいます。多い人だと1日3、4回の服薬で15~20種類くらい量を服用されている方もいます。

「嘘でしょ?」って思うかも知れませんが十分ありえます。

例えばありそうな例をあげると胃薬2種類、便秘薬2種類、認知症の薬2種類、高血圧と不整脈薬併せて3種類、整形の骨粗鬆症や痛み止め2種類、睡眠剤1種類、これだけでも既に12種類服用しています。

これに追加して抗パ薬であったり抗血小板、抗凝固薬でもあったりしたらあっという間に15~20種類にいくのはご理解してもらえるでしょうか?

この多剤投薬の原因は

①患者さんや家族による専門医信仰でいくつも医療機関をかかる

②その結果全身状態やその患者さん自身に責任をもつ医療者が不在になる

③各医師がその症状に合わせた各科一番の治療をする。すなわち薬の投与をそれぞれの科が行う

④結果投薬量が多くなる

⑤さらに服薬アドヒアランスが不良であるため症状改善せず、追加で薬がさらに増えていく

といったことが原因でしょうか。

 

そうなるとどうなるか

①食事量が減る

②過鎮静やふらつきで転倒が増える

③失神する

④認知症が進む

⑤錐体外路症状等副作用が出現しADL悪化

っていう結果によくなります。動けないから訪問診療や往診お願い!!って依頼きて薬が原因であった、ということは今までもよく経験しています。

 

・・・ということで今井が考える多剤投薬への解決策で患者さん側が考えることは

①まずはある程度の年になったら専門医受診は必要時のみとする(行くなとはもちろんいいませんよ)

②処方はかかりつけ医に一元化してもらう

③薬の量が増えるようなら医療者に依存しないで常識的にいいか悪いか自分でも判断し、問題だと思うようなら他の医療者にも相談する

④身近に相談できる薬剤師さんをもつ、特に介護度があがってきた段階ではかかりつけ薬剤師さんをもつべし

 

医療者サイドとして考えることは

①専門科治療の限界が高齢者医療の中ではあることを理解すること

②薬物療法が本当にベストな治療か他に方法がないかを考えること

③高齢者で落ち着いた病状なら早めに専門科の治療→かかりつけ医にうつすこと

が望ましいのではないでしょうか?

あとこの問題には是非薬剤師さんの積極的な取り組みが希望されますね~薬剤師さんどう取り組むか考えていらっしゃいますか?処方に<おかしい!!>と言える準備はできていますか~???

 

自分なら食後に飲む薬なら3種類くらいまでなら許容、多くても1日は6~8個くらいの薬に抑えたいと考えていますがどうでしょうか?常識から考えてそのくらいが妥当なような気がしますが・・・皆さんは自分の親や自分自身ならこの問題をどう考えますか?よかったらご意見くださいね~

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