在宅緩和ケアを受けるためのハードルは高く、長く険しい道~頑張って戦いましょう!!
こんにちは、在宅で看取りをしている医師@今井です。
1月は昨年より看取りの患者さん数がやや少ない経過でした。理由はやはり帰宅、というか在宅復帰できない患者さんが結構いらっしゃったからです。個人的には残念なことこの上ないですが、でも嘆いていても仕方ありません。できることは情報を発信していくこと・・・・この問題は在宅医側からやっぱり積極的に患者さんや家族に情報発信をしていかないといけないかと思います。今回はそんな訳で患者さんと家族に向けて書いていきます。
在宅での緩和ケアを希望する患者さん及びご家族へのアドバイス
在宅での緩和ケアってなんなの?自宅に帰るのは無理でしょ?こんな言葉を何度も聞くかも知れません。諦めずに戦ってください。残念ながら在宅緩和ケアを受けるための道はハードルが高く、長く険しい道があるのが現状です。病院ではすぐに在宅緩和ケアを提案してくれないのです。
ホスピス>>>在宅緩和ケア となっています。
皆さんが在宅緩和ケアを受けるためにどんなハードルを乗り越えるのか?何と戦うのか?答えは以下に書いてあります・・・・・
「緩和ケアの病院を紹介しますね」という医師の言葉と・・・
→その道にいくと在宅緩和ケアは紹介されずに直ぐ入院となります
「退院後は病院の外来に通ってくださいね」というささやきと・・・
→体調変化あればすぐに入院の選択肢となってしまう
「きちんと準備して状況が整ってから帰りましょう」という看護師の言葉と・・・
→帰りたい時が帰る時、先延ばししていいことはあまりありません
「帰るのは中心静脈カテーテルがないと帰れません」という提案と・・・
→なくても問題なく帰れます。
「帰ってもいいですが食事はとれませんよ」というつらい言葉と・・・
→食べ方は色々あり!在宅ではどうするのがいいのか相談はできますよ
「介護が大変ですよ、奥さんだけでは無理ですから」という心配の言葉と・・・
→介護は看護師さんやヘルパーさんに任せてもいいんです。やり方は色々相談できます
「独居だから無理ですよね」という絶望的な言葉と・・・
→独居でも在宅で最期まで過ごす方もいますよ!
費用の問題、介護の問題、医療の問題
色々あるかも知れませんが在宅医療のチームは解決するために一緒に考え行動する事は可能です。帰れない患者さんはいません。
まずは病院で、外来で、上記のような言葉と戦って在宅緩和を希望と揺るがない意思を表示してください。そうでなければ現状のシステムではなかなか在宅緩和を受けるのが難しいのが現状です。
病気でつらい体調かも知れませんが自分の受けたい医療はなんなのか、どこで最期を過ごしたいのかをじっくりと考えて決断してください。
在宅側はいつでもあなたたちを受け入れる準備はしていますので・・・・
ということで在宅医からのメッセージでした。ご参考になればと思います。ちなみに悩んでいる方いましたらまずは当院のような在宅療養支援診療所に気軽に相談してみるのが一番いいでしょう。札幌の患者さんであれば遠慮なく当院に相談、コンタクトとってください。地域外でも相談にはいくらでも乗りますので・・