「フリーアクセスこそがいい医療を受けるための大前提」は高齢者では幻想である4つの理由

こんにちは、宮の森の外来診療医@今井です。

<医療へのフリーアクセスはいい医療を受けるためには大前提である>

この内容って今まで当たり前のように考えられてきたと思うのですが本当にそうでしょうか?自分はそうは思いません。むしろこれからの時代を考えると高齢化時代においては緩やかなゲートキーパー機能をもたせた中規模の診療所をつくった上でプライマリーケアはそこである程度対応し、医療へのフリーアクセスは制限すべきと考えます。なぜか?以下その理由を書き出してみたいと思います。

1高齢者は複数疾患をもっているのが普通だから

若年者と違い高齢者は複数疾患をもって生活されています。当たり前と言えば当たり前ですが受ける医療内容は個々の病状を把握してから決める必要があります。複数疾患=複数の専門医に診てもらう、よりはかかりつけ医でまとめてみてもらうようにしていったほうが、患者さんにも、医療者にも、医療経済的にもメリットが高いです。複数の専門科による診療は結局は害あって理なし、という結果になることが多いです。フリーアクセスの許容は際限のない専門医受診へとつながります(これは現在もそうかもしれませんが)

2同様に高齢者は医療提供に介護的視点が必須だから

これも1に通じるところですがいくら外来で専門的ないい医療を行ったとしても生活状況を考慮しない医療は高齢者には価値が下がります。よく生活を理解してくれるかかりつけ医の方が適切な治療方針を提供してくれることはあるでしょう(もちろんその選択肢に専門科受診するのは否定はしません)

3認知症や緩和ケアへの対応は全人的な対応が必要だから

認知症や緩和ケアが必要な状態になった患者さんはそこしかみない医療機関に受診してもあまり意味がない医療となってしまいます。この両者をみるのであれば全人的な診療と生活支援の両者の視点が必要です。認知症と緩和ケアへの対応がどんどん求められてくる時代において医療へのフリーアクセスの制限をしないとどんどん色んな医療機関を受診しかかりつけ医もコントロールできなくなる事態がでる可能性が出てくるかと思います。

4多職種と連携する必要があるから

薬剤師やケアマネ、訪問看護などなどこれからは在宅のフィールドで活躍する多職種が増えるでしょう。その時に医師はどこが窓口になるのか?やっぱりそれはかかりつけ医がすべきかと思います。多職種が十分なケアをするために動きやすくする体制をつくるためにもかかりつけ医が責任をもつような体制をつくることが重要かと思います。繰り返しますがフリーアクセスの制限なくしては専門科の医師には責任感が生まれない可能性があります。(これは専門科の医師の批判ではないので勘違いしないでくださいね)

 

どうでしょうか。書き出してみましたがこの4つの理由だけでも僕は医療へのフリーアクセスの制限は行うべきだと個人的には思いますが皆さんはどうでしょうか?ご意見教えてくださいね。

ちなみにこのようなかかりつけ医をつくるなら診療所の一人医師体制では絶対難しいと考えています。なのでつくる場合は地域の診療所や病院の在り方を変えなければいけないでしょうからかなりハードルが高いでしょうね・・・・

(こんな内容医師会の病院関係の人みたら怒るんだろうなぁ・・・)