国が地域包括ケアで本当に評価すべき診療所とは??一人で外来も訪問もする診療所を評価するのは正しいの?

こんにちは、医師6人で24時間対応の在宅医療&年中無休の外来診療を行っている札幌の診療所医師@今井です。

国が一人で外来をやりながら在宅もやる医療機関を評価する」方向に進んでいるのは間違っているな、とある記事を読んだ感想がこうでした。

まずはその記事ですがこちらですので一読ください。産経ニュースより

医療・介護報酬改定 「かかりつけ医機能」充実 外来も訪問もする医師評価

簡単に内容を紹介すると今回の診療報酬の改定で外来診療→訪問診療となった患者数が一定数いる医療機関を評価する、在宅医療を行っている診療所の外来診療を評価する(初診料等のアップなど)、といった方向に進んでいますよ~、という内容です。

外来から在宅へ主治医が一貫して診てあげる、確かにこれが理想です。が今回の診療報酬の改定で外来診療医がほそぼそと在宅をやったとしても今後の在宅医療の爆発的なニーズに答えられるでしょうか?答えは絶対Noです。

一人で外来も在宅もやる診療所は限界がある

一番の問題はここです。自分も外来を開始してよくわかりましたが正直外来診療をしながら在宅で重症の患者さんを多数みることは絶対不可能です。

いつ呼ばれるかわからない癌の患者さんやALSの患者さん、要介護4,5の在宅患者さんを外来診療しながらたくさんみていくのは外来ほっぽりだすなら可能ですが実際そうではないですよね~・・・・

ためしにどの程度の患者数をみる事が可能か考えてみたいと思います。

自分が今まで見てきた範囲では、一人医師で外来診療メインでやっている医診療所では在宅患者さんはせいぜい30~多くて50人(施設は含まず)、重症患者は2人からどんなに多くて4、5人くらいが限界かと思います。

二人医師体制で外来+在宅をしているのならばかなり自由は効くかもしれませんが、それでも在宅患者さんは50~70人程度、重症者は7,8人が限界かと思います。

これが在宅専門の診療所であればどうなるか。一人医師体制でも在宅患者さんは80~100人程度(施設は別で)、重症者は10~15人程度は診療することは可能です。(自分は一人でやっていたときのMAXは170人くらいでした。もちろん自院のベテラン看護師さんにかなり助けられていましたが・・・)二人体制であれば在宅患者さんは170~200人程度、重症者は25~30人くらいは診ていけると思います。

外来診療をやりながら在宅やる医療機関と在宅専門で診療をする医療機関では人数でも重症度でも診療できるキャパが圧倒的に違います。

国はどのような医療機関を評価すべきか

ただ在宅専門の医療機関では確かに外来からのシームレスな診療やかかりつけ機能を持たせることは不可能です。ということでその対応策としてどうすべきか・・・・これからの地域包括ケアでは量的にも質的にもこれまで以上の在宅医療への医師の貢献が必須です。また高齢者のACPを円滑に進める必要や過度の専門科医療への是正などかかりつけ機能をもった外来診療も同じように重要になるのは当たり前と言えば当たり前だと思います。

上記を踏まえ、結論として今井が考える国が地域包括ケアを推進する上で評価すべき医療機関は

複数医師体制をとって積極的に在宅医療で重症者などを多数診療しつつ、さらに外来でもかかりつけ機能を兼ね備えた診療所

とすべきなのです。地域にいくら外来や在宅をする小さな診療所がたくさんあっても、自分は国や国民が求める効率的な在宅医療やかかりつけ医機能は発揮できないと考えています。診療所間の連携では解決できない問題がどうしてもあります。このような地域包括型診療所を増やすように国は評価すべきではないでしょうか?

当院はそれを考えて行動しています

ということで自分は地域にある程度の大型まではいかなくても中型の複数医師体制をとる診療所が地域包括ケアにおいては絶対的に重要になると考え、それを宮の森でつくるべく行動しています。まああっているか間違っているかは10年後にはわかるでしょう・・・

皆さんはどう考えますか?本当に一人の医師の診療所のみで爆発的に増加する在宅医療のニーズに答えられるでしょうか?かかりつけ機能をもった外来診療を充分に行えるでしょうか?ご意見あれば遠慮せずに教えてください!

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