圧迫骨折の患者さんが入院する前に確認しておきたいこと
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
高齢者は入院自体がリスクです。圧迫骨折は入院する必要があるのかどうかを事前に考えることが重要ですので少し書いてみたいと思います。
腰椎や胸椎下部の圧迫骨折の患者さん、月に2,3人は新規で診ているような気がします。高齢者の方の診察をしていると入院させたはいいけど認知機能が低下するor廃用性に筋力が低下する可能性が高いため、「今回入院させるべきかどうかなぁ???」って結構判断は迷う事も多いです。
できれば地域包括ケア病棟が整形的な疾患でもためらわず入院&リハビリ加療できるようになってくれれば一番いいのですが現状まだそこまではなっておらず、入院するのであれば近所のリハビリのいい病院を探して入院するのが一番いいのかなと考えています。
ということで圧迫骨折受傷時に入院する前に考えておきたいポイントをいくつか書いておきたいと思います。参考にしてみてください。
①自宅でもきちんと症状緩和のための投薬加療をうけているか、うけていないなら入院前にまずは自宅での投薬加療を受けるのがよいでしょう。
②コルセットなどを使用しても改善しないかどうかは試す価値はあるでしょう
③ベットからの立ち上がり時に疼痛が悪化する程度であれば福祉用具や介護ベットの調整をまずはしてみましょう
④介護上の問題も解決できるかどうか考えましょう。一時的に医療保険での訪問看護を利用したりヘルパーさんの支援などの調整をしてもらえるかケアマネや医師に相談してみましょう。
上記①~④を行ってみても症状が改善しない、介護が大変などの場合は入院するのも選択肢となるでしょう。ただ入院先はリハビリ加療をきちんとしてくれるかどうかを見極めて事前に情報を得る事が必須です。
他にも患者さん自身の入院リスクがどの程度あるかは確認しましょう。
具体的には認知機能面に影響を与える抑うつなどの気分障害の有無や低栄養によるリハ遅延の可能性、年齢も高齢になればなるほど入院自体が危険です。過去の入院でせん妄の既往歴があれば入院自体でのリハビリ加療も難しいかも知れませんね、その場合は入院しないで本格的な在宅医療の導入を検討してみるのもいいでしょう。
いかがでしょうか?まずは①~④までまずは自宅でやってみて、かつ認知機能低下やせん妄のリスクがない場合に入院を検討するのがベストかと思います。入院自体がリスクであるなら訪問看護や在宅医などの本格的な在宅医療の導入を検討しましょう。
上記に何かご意見あれば教えてくださいね~
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