公開日:2018年02月04日

施設への訪問診療をどうするか?当院はあえて再開しようと考えています

こんにちは、宮の森の在宅医@今井です。

施設への訪問診療をどう考えるのか?結論から言うと当院は今回の診療報酬改定をきっかけに施設への訪問診療にきちんと取り組むようにしようかと思っています。なぜこのタイミングで???その理由は以下に書いていきたいと思います。



診療報酬の改定の影響

今回の診療報酬改定で施設への訪問診療が事実上終了するような改定となりました。診療報酬がものすごく安くなってしまうようです。おそらくこれまでたくさん施設の患者さんばかりみていたクリニックは撤退することになると思います。では患者さんはどうなってしまうのでしょうか・・・・・?

当院の施設訪問診療へのこれまでの方針

当院は2011年に開業して以来、元々やりたかった個別住宅の在宅の患者さんを積極的に診るようにしてきました。施設の患者さんも頼まれれば診るようにしていましたが、癌終末期であったり医療依存度が高かったり、元々知り合いの施設からの依頼であった場合のみであったりとあまり注力はしてきませんでした。

どうしてかというと

①居宅の患者さんをできるだけ診たかったから

②施設の質が高くなく協力したいという施設が少なかったから

この2点がやはり大きな理由でした。決して診療報酬云々の話で施設での在宅医療や訪問診療を断っていた訳ではありませんでした。

今回施設への訪問診療の点数がさらに下がり施設への訪問診療に新規にやろうという在宅のクリニックはなくなるかと思います。というと結局は施設への訪問は既存のクリニックに頼らざるを得ないかと思いますが、おそらく既存のクリニックで施設への訪問を拡充しようとしているところは・・・・・えぇ、数でかせぐ!!という路線でしょうから質の点では非常に不安です。

あえて施設への訪問診療を再開する

だれも新たにやらなくなるであろう施設への訪問診療にきちんと向き合い、患者さんが困らないように診療していくことはあまりお金にならなくても医療機関としては重要なことではないかと考えています。もちろん外来に通える人は通ってもらうというのは大前提ですが・・・

さらにこのタイミングで開始したら施設での在宅医療を変えるのに大きな影響を与えられるかも知れませんよね。それってすごい大きな意味があるように思えます。

 

という訳で今回の診療報酬改定をきっかけに本当に困るであろう施設の患者さんを対象に施設への訪問診療を少しずつ再開していきたいと考えています。制度の改定をマイナスに捉えるのではなく、医療とは何か、医療機関とはどうあるべきかと考えるきっかけにしたい、そうポジティブに考えて行動していきたいと思います。

皆さんの考えはいかがですか?是非ご意見お聞かせください

 



このエントリーをはてなブックマークに追加