公開日:2018年02月01日

在宅医療で治療が不可能では、と思う程一番介入が大変な患者さんはこの病気の方!!

こんにちは、札幌の訪問診療医@今井です。

突然ですが皆さん在宅医療で治療が不可能ではと思う程一番介入が大変な患者さんって誰だと思いますか?がんの患者さんでしょうか?認知症の患者さんでしょうか?神経難病の患者さんでしょうか?はたまた褥瘡の患者さんでしょうか?いえいえ・・・・この患者さんです

そうです、アルコール依存症の患者さんです

個人的にはこの病気の患者さんの在宅医療が一番大変だなと考えていますし、実際の診療もほぼ間違いなく全員色んな問題があって大変です。60代の男性で、退職されてすることがない状態・・・朝からちょびちょび飲み始めて最初は少量だったけれど気がついたら朝から多量飲酒・・・・そんな患者さん皆さんの周りにいませんか?

さてアルコール依存の患者さんの在宅医療が大変な理由ってなんなの?と思う方のために具体的に自分が大変だったことを以下に書きだしてみます。

訪問するも部屋が排泄物で汚れて入るのも大変、診療するのも一苦労

・というか診療自体を拒否

・診療も諸々問題あるため余裕で2時間はすぐに過ぎる

・2号保険者の年齢でケアマネさんがついていない場合ケアの主体が家族と訪問看護師さん(医療で週3)のみとなりヘルパーさんが使えない

・ケアマネさんがついている状態でも本人がサービスを拒否し調整が難航

・金銭的な問題

・入院加療は基本的には難しい、させたとしてもすぐに帰る。保護入院は連れて行くハードルが高い

・家庭が崩壊していくので最期はキーパーソンが不在に

・一時的に断酒しても結局元にもどってしまう

・結局最後は救急搬送→在宅医は何していたんだ!となる

などなど・・・・・

在宅医や訪問看護師、ケアマネやMSWなど、アルコール依存の方の在宅療養の支援と治療のために本当にものすごい労力が使われますが、最後は短命で終わってしまう方が本当に多いんですよね・・・・苦労した割には報われないというか・・・

 

皆さんの周りではアルコール依存傾向の方いませんか?いたら大事になる前に是非強く止めてあげてください、もしくは治療に外来に行かせるようにしてくださいね、本人にとってもつらくなるのはもちろんですが、家族の方も必ず疲弊しますし、介護職や医療職もまず間違いなく同じように消耗してしまいますので・・・・(でもどうしても困っている患者さんいましたらご連絡くださいね)



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