規制改革推進会議から見える未来~特定看護師による在宅医療、OTC推進、オンライン診療の推進~
こんにちは、札幌のかかりつけ医@今井です。
医療政策に関しては公的な場できちんと議論がされてから実際に社会に適応されていきます。議論がされる→それが実施に導入→徐々に適応されて当たり前の制度になる、まで10年単位でのスパンが必要です。
なのでゆっくりと変化していく社会にあわせて医療者である自分や診療所を変化させていく、というのも悪くはないんですが、自分としてはできるだけ未来を先取りして行動していきたいと思っています。
そのためには資料をよく読んでみることが必要なのですが・・・今回は7月2日に開催された第8回規制改革推進会議の資料を少しだけ紹介したいと思います。
この資料の中で気になったことは
⓵特定看護師の研修者を1万人まで増やし、特に在宅部門に配置していけるようにする
②OTCの領域拡大の推進
③オンライン診療やデジタルデータ管理のさらなる推進
でしょうか?
以下に資料提示しますが、⓵に関してのみ気になった文言だけ先に書き出します。さらに気になる部分は色づけしてみましたよ(他までやると時間かかるので⓵だけにします。後は各自短い資料ですので読んでくださいな)
P51~
(1)医療・介護関係職のタスクシフト
ア 看護師の専門性の更なる発揮に向けた取組
<基本的考え方>
高齢化が進み、医療需要がますます増大すると考えられる我が国において、質の高い医療サービスを安定的に提供するための対策を図ることは急務である。特に、2024 年度には医師の超勤時間の上限規制が適用されることを踏まえれば、それぞれの医療関係者がその能力や専門性を最大限に発揮できる環境を形成する必要がある。
「特定行為に係る看護師の研修制度」は、2025 年に向けて在宅医療等の推進を図っていく中で、医師の判断を待たずに一定の診療補助行為を行うことができる看護師を養成することを目的として 2015 年から施行された制度である。同制度の施行当初、2025 年までに 10 万名の研修修了者を養成することを目的としていたにもかかわらず、2019 年3月現在の研修修了者は 1,685 名となっており、当初の目標を達成することは極めて困難な状況にある。こうした中、研修内容と研修時間の見直しに加え、まとめて研修した方が現場での活用に資すると考えられる5領域を対象として研修のパッケージ化が進められ、2024 年度までに当該研修修了者を1万名養成する目標を掲げているが、こうした取組にとどまらず、今後の医療需要、とりわけ在宅医療需要の増大に備えて更なる対応を迅速に行う必要がある。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
<実施事項>
a 「特定行為に係る看護師の研修制度」について、チーム医療の推進と働き方改革の観点で設定された「2024 年度までにパッケージ研修修了者数1万人」の目標の達成に向けて、パッケージ研修の対象となる5領域に従事する看護師や、今後当該領域に従事する可能性のある看護師の受講を推進する観点から、制度の周知をはじめとした具体的な推進策を示す。併せて、医師の不足が見込まれる領域などにおいて、当該研修を修了した看護師の更なる活用を促進すべく、当該5領域以外でパッケージ化に適する領域の有無、現行のパッケージ研修修了者数目標の妥当性について引き続き検証・検討する。
b 医師や病院経営者等医療関係者に対し、「特定行為に係る看護師の研修制度」の研修修了者(以下「特定行為研修修了者」という。)が具体的にどのように活用されているか等の好事例を示し、継続的に制度の周知を行う。
c 特定行為研修修了者数の伸び悩み及び特定行為研修修了者就業者数の地域差の背景・要因を掘り下げて検証し、効果的な方策を講ずる。
d 上記原因の分析に当たっては、特に在宅医療領域において特定行為研修修了者数が伸び悩んでいる原因を徹底的に分析し、当該領域特有の課題の解決に向けて、在宅医療領域に特化した仕組みを検討する。
e 指定研修機関となるための申請書類の簡素化等を通じて、指定研修機関を増やすための対応を検討する。
f 平成 31 年4月の研修内容の見直し後の状況を踏まえつつ、発生し得る様々な事態における状況判断から必要な手技までトータルで行う能力付与に力点を置く観点から、「臨床推論」のウエイトを抜本的に高めるなど、研修内容の見直しについて引き続き検討する。
g 本研修制度の利用を十分に拡充するため、特定行為研修修了者の配置等に対する診療報酬上の評価を含めた促進策をさらに実施する。
h 特定行為研修修了後も、医療の進歩に合わせた技能の習得・向上が必要不可欠であることを踏まえ、特定行為研修修了者の活動の場で行われる症例検討、手順書の見直し等の特定行為研修修了者の研鑽に向けた取組に対する支援策を検討する。
とまあ在宅医療の分野で特定看護師を活用したいのは目に見えてわかりますね・・・ただそもそも在宅医療や介護の分野って医師ですらマスターするのにどっぷり死ぬほど浸かっても3年は必要だと個人的には考えますが、これから育成する看護師さん、どのような育成プロセスや経験をもって特定看護師として活躍できるようになるのでしょうか?在宅の分野で特定看護師さんは必須と考えている自分としては、今後の議論や特定看護師んさんの在り方についてはかなり気にしてみていきたいと思いますよ。
第8回規制改革推進会議
資料1 規制改革推進に関する答申(PDF形式:614KB) から
いかがでしょうか?資料読み込むのも結構慣れてくると楽しいですので、是非興味ある分野の資料は原本読む癖をつけるといいと思いますよ~
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