一つの仕草、言動から得られる情報量は在宅医療者によって劇的な差がある・・・
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
先日退院したばかりのとある癌の患者さん宅で、他の訪問看護ステーションの比較的経験年数が短そうな看護師さんと一緒に患者さんのことについて話をする機会がありました。
看護師さん:「患者さんが○○と言っていて■■なので私としては・・・・が気になるんです」
今井:「でも○○なら△△△も考えなきゃいけないし、そもそも家族の意見が**なんだから介入するとしたら◇◇◇をしつつ◆◆◆も考えなきゃいけないよね?」
多分彼女のアンテナには反応しなかった色々な要素も、自分からみたら複雑に絡み合っている要素の一つであり、それを考慮しながら提供する医療のことを考えると訪問看護にはこうしてほしい、と要望をお伝えしましたよ。
在宅医療の経験が自分はようやっと10年位経ちますが、やっぱり駆け出しの2,3年目の時を振り返って考えてみると、アセスメントの技術(医療面、介護面ともに)はある程度の経験がないとどうしても奥深さ、考えの深さ、複数視点から考えることが欠如します。これは仕方ない点ですね。
自分も2,3年目の時は10年選手の在宅の生き字引みたいな訪問看護師さんのアセスメントを色々教えてもらって日々成長していったのをつい昨日のことのように覚えています。あの頃は毎日が勉強&実践でしたね・・・・
患者さんや家族は同じ情報を教えてくれているはずなのに、得られる情報量やアウトプットできる医療は個々人により本当に大きくかわります。これも在宅医療の奥深さの一つで面白い点だと思っています。
今回この看護師さんと話しをしていて改めて思ったことは、自分も他者からみたらまだまだ気づきが少ない、得られる情報を全て得ていない状況かも知れない、という自己への振り返りです。どのように小さな仕草や何気ない会話から大きな結果を得られるような情報を得ていくのか・・・・単純な方法論はやっぱりないような気がしますが、そのための努力は常にしなければいけませんね。
ただ一つ言えるのは、そのような域に達するためには「他の人が休んでいる時にも働き続け、どうすればいいアウトプットが得られるのか常に考え行動し続けること、そして得られた結果を自己批判しながら評価していく」というプロセスを何万回を繰り替えしていくことだけでしか到達できないのではないかと思っています・・・
何気ない訪問看護師さんとの会話から。もっともっと自己努力を積み重ねなければ、そう思えたいい一日がありました。皆さんはどうですか?気づきのある一日を過ごせていますか?
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