在宅医が限られた条件できちんと診療するための前提条件は
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
国は将来の人口動態などを考えて在宅医療を医療のメインにしようとしていますが、基本的には在宅医療は病院医療とはなり得えません。現場のより限られた医療資源できちんと診断→治療をしていくためには、ちょっとした医療者側のTIPSというか経験が必要です。
今井個人の考えとしては体調が変化した時でも在宅医療である程度の医療はもちろん提供できると思っていますが、そのためには前提条件として必要なことがあります。それは
普段の状態をよく知っていること
です。
月1や月2の頻度で診療し普段は食事や睡眠などどんな生活しているのか、IADLは、その中でのフィジカルコンディションはどうだったのかなどが理解できていれば、体調変化した時に何がどう変化したのか理解することが可能です。逆に普段診ていないと絶対ここがわからないです。
本人や家族の訴えという非医療者の言葉だけでなく、医療者の客観的な評価ということができる・・・それこそが現状の限定された医療資源しか利用できない在宅医療の現場で、最も頼りになる武器だと考えています。
なので体調変化した時だけ往診してみてもらいたいって言われても、正直普段を知らないと正確な判断ってかなり難しいんですよね。経験上ですが例えば普段診ている人の診察の正確さや診断率を80%くらいとするなら、突発的な往診で正しい判断、診断ができる率って半分の40%くらいになってしまうんじゃないかと・・・・そのくらい普段の状態を診ているか診ていないかって医師にとっては大事かなと思っていますよ。(診察5分で終わる在宅医もいますが、そういうのは突発的な時にも対応は・・・・です。)
ともすれば一般の方は「元気だから診察は必要ない」「リフィルあれば十分」「困った時に往診してもらえればいい」って考えがちですが、結局は在宅医に普段の状況を診てもらっていないと、体調変化したイレギュラーの時にベストな判断を期待するっていうのは無理だと思います。
上記は在宅のみならず外来でのかかりつけ医でも同じです。普段の状況を診ているからこそ本人すらも気がつかない体調変化に気がついてあげられる・・・そう思ってかかりつけ医や在宅医は普段診療していますよ!(^^)!
さて今日は会議の一日です。朝から準備して楽しくこなしていきたいと思います。皆さんもよい1日を!!
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