現状では社会的処方は普及するはずがない、と強く感じます~ニッセイ基礎研究所資料から~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
ニッセイ基礎研究所さんから社会的処方に関して新しい記事が出ていました。
過去ブログでも社会的処方について取り上げたことがありましたが(「社会的処方の制度化は可能か?~:ニッセイ基礎研究所レポートを読む~」で少しだけ書いています)正直現時点で骨太の方針に入れるのは時期尚早、制度化自体も問題点はかなりあります。
前述のブログでも書いた内容を反復しますが、社会的処方を制度化する課題については
①”かかりつけの医療機関で社会的課題をスクリーニングする”こと自体、在宅医療の経験がなければ医師や看護師には難しい
②地域の社会的資源、サービスリソースについて医療機関が知らない
③ソーシャルワーカーがそのような医療機関にいればある程度は解決できるかも知れないが、診療所レベルではMSWがそもそもいないことが多い
④介護保険や障害サービスとの整合性や調整など、地域の中での公的サービスと社会的処方の利害の調整など誰がするのか、制度の縦割りの中では決めるのが困難
などがあります。
つまり現状では制度作ったとしてもシステムだけが一人歩きし、実際それを行える医療機関がほぼない、という悲しい結果になるのが目に見えています。現状開業医の先生でもきちんと生活面までみて社会的処方を意識して行えるDrって開業医が100人いたら3,4人いるかどうかじゃないですか?その中で制度化してどうするんでしょうね?
正直社会的処方を制度化する前に、かかりつけ医制度自体を曖昧な状態にするのではなくきちんとした制度化したほうが絶対社会的処方に対しての精度や理解も進むと思うのですが・・・こっちは利害関係が多すぎてできないのでしょうね。
社会的処方に関してのニッセイさんの以下の記事、興味ある方は是非読んでくださいね。
骨太方針に盛り込まれた「社会的処方」の功罪を問う-薬の代わりに社会資源を紹介する手法の制度化を巡って
現状では社会的処方という言葉だけが一人歩きしてしまい、結局何も変わらなかった、ということになるのではないか、個人的にはそう考えていますが皆さんの考えはいかがですか?
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