公開日:2021年02月10日

秋元市長へ:札幌での医療・介護従事者への定期PCR検査は無駄ではないですか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

2週間程前のニュースですが札幌で定期的にPCR検査を医療、介護従事者に行うようですね。正直政策として本当にいいのか疑問です・・・以下道新より↓

医療、介護職員4万2000人に定期PCR 札幌市、3月から 広範囲の検査は異例

「札幌市の秋元克広市長は25日、新型コロナウイルス感染症対策として、市内の療養病床がある病院や高齢者施設、障害者支援施設に勤務する医療従事者や介護職員ら全職員に3月から半年間、月1回のPCR検査を実施する方針を固めた。感染すると重症化しやすい高齢者や、感染対策が取りにくい障害者らが利用する施設に絞り、感染者を早期発見しクラスター(感染者集団)化を防ぐ狙い。厚生労働省によると、行政がこれだけ広範囲の施設を対象に検査を行うのは珍しい。  対象となるのは市内の計580カ所に勤務する約4万2200人。内訳は療養病床がある病院150カ所の職員2万2500人、高齢者施設400カ所の1万8千人、障害者支援施設30カ所の1700人。市は精神科病院にも対象を拡大する方向で調整している。  対象者は3月から月1回、専用キットで唾液を取って、ソフトバンクグループの子会社が札幌市北区あいの里に設けた検査施設に送る。検査は対象者がワクチン接種を終える8月まで続ける。1検体2千円の検査費用は市が全額負担。事業費は6億円で、市は2月開会予定の第1回定例市議会に提出する本年度一般会計補正予算案に盛り込む。」

 

問題点は

⓵定期検査は”点”での検査にすぎないため、検査時に問題なくてもいつでも容易に感染者となり得る。無症状者も含めて検査する必要性が本当にあるのか、検査の目的は安心のためだけ?

②PCR検査はあくまで検査なので偽陽性、偽陰性の可能性は絶対つきまとう。陽性となった場合本当の陽性か偽陽性か、その確認は医療機関で行わなければならず、無症状者のためにそこまで医療リソースをさくべきか?と言われれば現状はそうではないはず。また偽陽性者の扱いをどうするのか。自宅待機、隔離、入院、また濃厚接触者の洗い出し、そこまでする覚悟は本当にあるのか?誰が定期検査で陽性となった人(無症状者含む)の医療面で責任をもつのか、保健所?

③そもそも公的費用をかけて(無駄な)定点観測するのに、その費用対効果を市はどう考えているのかを明確にしていないことはおかしい。その政策を立案した考えや内容について明らかにすべき。

 

まぁ最低限定点観測での陽性者の取り扱いをどうするのか、また陽性者が出た場合周囲の濃厚接触者の取り扱いはどうするのかは明示すべきと思います。だって1事業所の定点観測で陽性者出た場合、その事業所自体の活動が絶対2週間は停止してしまいます。そこまでして無症状者に定点観測する必要は自分はないとは思いますがね。どうせするなら医療介護の有症状者が積極的に休めるようにするための基金とした方が100倍役に立つのではないかと思います。

 

6億円、他の使い方があるのではないでしょうか?何かしら対策はしている、そんな姿勢をみせるために使う額なのでしょうか?秋元市長及び札幌市は定期、定点検査をする根拠や説明をきちんとすべきではないでしょうか?皆さんはどう考えますか?

 

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