公開日:2020年06月20日

過ぎたるは猶及ばざるが如し・・・

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

先日退院したとある患者さん宅での退院後のカンファレンス、ケアマネさんも看護師さんも一生懸命プランを考えて、独居の患者さんのために介護サービスを限度まで使用し、何とか「一人でいる時間を極力少なくしてあげて、何がおきても必ず目を行き届く」ようにしたいとしているのがよくわかるようなカンファレンスとなっていました。

ただ肝心の患者さんは今一つ不十分そう・・・・そう、この患者さんもっと自由が欲しかったのですが、医療介護者を前にして自分の希望を言うのを憚られている様子でした。

その後自分もそれとなく会話に加わり「何か起きても、誰かがすぐに発見できなくてもいいんじゃないですか?」「一人の時間を少なくするのも悪くはないですが、せっかく在宅にいるんだからそれより一人の時間を満喫させてあげた方がいいのでは?」とそれとなく患者さん目線での話をしてあげたところ、患者さんからもそうしてほしいとの希望があり丁度いい塩梅の部分で話がまとまりました。

 

独居の患者さんを看ていく、診ていく時によくありがちなんですが、とにかくサービスを入れて行き届いたケアをしてあげることが本人にとって一番いいこと、と思ってサービスを調整してしまう在宅医療者さんがいます。本当に本人のことを考えてあげての行為だと思うのですが、個人的には、過ぎたるは猶及ばざるが如し、という言葉にあるように何事もほどほどにしてあげた方がバランスがとれ患者さんが満足することが多い、と経験上思えます。

何かしてあげたい、あれもこれも不満にないようにしてあげたい、そういう風にやさしい医療・介護従事者は思ってしまうかもしれませんが、不十分さを自覚しつつもそれでよしとするという、古来からの日本人らしい「ほどほどに」という考えをもって在宅医療に携わることは結構重要なんじゃないかなと思いますが、皆さんはこんな患者さんいた時にどう考えどう行動しますか?

 

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