熱発しているがん患者さんの在宅医療~どこまで対応するのかが問われる時代に~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
当院では在宅で熱発した患者さんが出た場合、できる限りの最大限の感染予防対策をした上で現在は診療しています。がいつかは当該患者さんや家族の方がコロナ陽性となる日が来るでしょう。自分や他の医療スタッフへの感染を可能な限り抑えるためにはそもそも”熱発者は診ない、看ない”という方針もあるのですが、それでは在宅医療者はなんのために在宅やっているの?っていう根本的な疑問にもぶちあたります・・・・
さて最近熱発している(おそらく腫瘍熱)がん患者さんの在宅医療、在宅緩和ケアを依頼されるケースが増えてきました。当院では依頼元の病院に「肺炎像はないでしょうか?」とか「病院内でコロナ陽性患者さんはでていませんか?」などの確認はさせてもらって大抵担当の先生のから「熱の原因は腫瘍熱などが原因でおそらくコロナ感染症はないと思いますよ」と一応確認させてもらってから診療に入る感じになっています。
これでも不確実性は残りますが、でも自宅に帰りたいがん患者さん、腫瘍熱で熱発していると思われる患者さんがいる場合、やっぱりそこは診療してあげるべきなんじゃないかなと個人的には思っています。
訪問看護ステーションさんなどでは熱発患者さんは基本的には新規で受けていません、というところもあります。それはすごい理解できるし、スタッフを守る立場を考えると容易に受けることができないこともよくわかります。なのでもし依頼した訪問看護ステーションさんが「腫瘍熱がかなり疑わしくても熱がでているなら・・・・」と言って看護をお断りされても全く非難する気もないですし、現状ならそれは当然だなと考えます。
これから熱発しているがん患者さんの診療もそうですが、地域で起こる、実際起きている医療状況の変化にどこまで自院が対応すべきなのかを問われる、まさしく地域とどう向き合っていくのか!が問われる時代になりそうですね。
当院はあくまで地域の患者さんのための診療と看護を、という基本路線は崩す気は全くないですので、最大限スタッフを守りながら地域に必要な医療を提供していけるように努力していきたいと思っていますよ。皆さんの周りの医療機関は地域での医療にどのようにコミットされていますか?よければ教えてくださいね~
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