公開日:2020年03月13日

在宅緩和ケアQ&A

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

当院は外来でも在宅でも疾患を問わず診療していますし、緩和ケアは高齢者医療には切っても切り離せない関係ですので必然的に緩和ケアを提供することは当たり前の環境となっています。

自分は緩和ケア専門医ではないのですが町医者の立場から在宅緩和ケアに関してのQ&Aをお答えしてみたいと思います。札幌で外来での緩和ケア、在宅での緩和ケアが必要な患者さんや家族の方の参考になればと思いますよ。

ではいきましょう!

 

外来や在宅での緩和ケアはいつから受けられますか?

外来診療での緩和ケアはいつでも来てくれた時から診察することはできます。多くのかかりつけで通ってくれている患者さんは病院での治療と並行して色々な苦悩や身体面での問題を当院外来では相談してくれています。なのでいつもで受診し緩和ケアを受けることは外来では可能です。

在宅での緩和ケアに関しては外来とは少し適応が違います。基本的には医師による在宅緩和ケアは「通院が困難な方」に限られますのでそのような患者さんを対象に緩和ケアを提供していくことになります。

ただこれも訪問看護師による緩和ケアは少し違いますのでお困りの方がいたらまずは相談してみるのがいいのでしょう。

輸血や点滴などは何もしてくれないのですか?

緩和ケア、と聞くと積極的な医療は行わず、というイメージはあるかもしれませんがそれは違います。在宅でも外来でも症状緩和のためであったり一時的に回復が見込める病態であれば加療はきちんとします。ただ在宅や外来でどこまでの医療処置を行うのか、に関しては診療所毎に異なりますのできちんと確認しておくことをお勧めします。

ずっと付き添いはしないといけないのですか?

病状の重い方が在宅で過ごす時に家族の方が心配することは「片時も目を離してはいけないのではないか」ということです。全くそんな必要はありません。普通に自宅で生活しているように関わる時はかかわってもらった方がいいですが、関わらないお互いの時間ももちろん必要だと思います。ずっと付き添う必要性、全くありません。

食事はどうしたらいいですか?

その方の病状と予後的な部分に影響を受けますので一般論として語ることは難しいですが、家族や患者さんにとって不安、負担のないような内容や提供方法を一緒に考えることはできます。当院は4月から栄養士も入職しますので専門的な要望にも応えられるような体制になりますよ。

ただ食事は楽しみですのであんまりストレスなく楽しくとれるようにしていきたいなとはどのスタッフも考えていることだとは思います。

民間療法はしてもらえますか?

丸山ワクチンの対応は可能ですが、それ以外のものに関しては要相談です。これもクリニックによってはかなりばらつきのある答えになりますので一般論として語るのは少し難しいかもしれません。もし民間療法を検討されているのであれば事前にきちんとクリニックやステーションに相談しておくほうがいいでしょう。

在宅で緩和ケアを受けていたらずっと最後まで在宅なんですか?

そんなことはありません。できる限り自宅で過ごして最後は入院して過ごしたい、という患者さんもいますのでそこは患者さんと家族の方の要望次第です。

ただできるなら家族の方と一緒に長く時間を過ごしたいな、と思っている方であれば最後まで在宅で緩和ケアを受けるのは悪くないと個人的には考えていますよ。

支払いは医療保険のみですか?

診療や看護は医療保険を使用することが多いのですが、ベットや福祉用具の準備、住宅改修、ヘルパーさんの使用などは介護保険を利用することがあります。なので介護保険の支払いが発生することもあり得ます。

ただ高額医療費や高額介護療養費などもMSWがいればきちんと説明を受けること、利用することは可能ですので迷ったら医療者側に色々金銭的な面も相談することがいいでしょう。

かかる費用で自費はありますか?

診療に伴う交通費やステーション看護の夜間休日の自己負担代などは自費で発生する可能性があります。ただこれは事業所毎の設定になっているため事前に確認することは可能です。きちんと事前に確認することをお勧めします。

がん以外の病気でも対応可能ですか?

可能です。心不全、肺炎、ALSなどの難病、そのほか度の疾患でも緩和ケアを受ける対象となりえます。ホスピス緩和ケア病棟に関しては疾患適応が決まっていますが、在宅や外来ではそんなことはあり得ません。安心して利用してください。

緩和ケアチームのメンバーはどうなっていますか?

これは状況にもよりますが、一般的には医師、看護師、リハセラピスト、MSW、ケアマネ、ヘルパーさんなどで構成されると思いますよ。ただ在宅や外来での緩和ケアの主軸となるのは訪問看護師さんであることはまず間違いないかと思います。

いい訪問看護師さんを選ぶこと、これがいい外来&在宅緩和ケアを受けるコツだと思います。

どのくらいの頻度で診察はありますか?

これは診療所の考え方や病状によりまちまちです。診療報酬上のこともあり絶対看護週3、診療週1は受けてもらう、というところもあれば診療は隔週で看護も週1,2くらいから、というところもあります。かなり診療所や事業所によって考えは違いますので病状も鑑みてよく相談されることをお勧めします。

 

以上簡単ですが外来や在宅での緩和ケアについてQ&Aで答えてみましたよ。他に何か知りたい方いましたら是非ご連絡くださいね~

 

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