公開日:2020年02月06日

<末期がんの男性を自宅に放置 妻と子逮捕>・・・医療者の関わりはどうだったのでしょうか??

こんにちは、札幌のかかりつけ医&緩和ケア医@今井です。

 

昨日悲しい記事を見つけました。以下ヤフーニュースさんからどうぞ

末期がんの男性を自宅に放置 妻と子逮捕 保護責任者遺棄の疑い〈仙台

末期がんで寝たきりの状態だった78歳の男性を仙台市内の自宅に放置したとして、69歳の妻と43歳の息子が逮捕されました。

保護責任者遺棄の疑いで逮捕されたのは、青葉区北根1丁目の無職・佐藤みどり容疑者(69)と、息子で会社員の和宏容疑者(43)です。
警察によりますと、2人は、自宅で末期がんで寝たきりの和彦さん(78)が、介護を必要としていたにも関わらず2月2日ごろから放置した疑いが持たれています。
2月3日午前2時ごろ、みどり容疑者から「自宅にいる夫が動けない状態なので、様子を見に行ってほしい」と119番通報があり、救急隊が駆け付けたところ、寝室の布団の上で横になっている和彦さんを見つけました。
和彦さんは病院に搬送されましたが、翌日死亡しました。
4日午後5時ごろ、東松島市内の駐車場で、車の中にいたみどり容疑者と、和宏容疑者を警察官が見つけ逮捕しました。
2人は車中泊をしながら県内を転々としていたとみられ、警察の調べに対して「介護に疲れていた。死にたい」などと、話しているということです。

 

 

在宅医療者の一人として悲しい気持ちになりますね。現実的にホスピスへの入院にも期間のしばりや待機の問題もありますので、望んでも望まなくても今後しばらくの間末期のがん患者さんが自宅で過ごす機会はおそらくどんどん増えてくると思います。

その時に医療介護者がどのようにかかわっていくのか・・・今回の一件は在宅医療者であれば無視はすることができないケースだと個人的には考えています。

自分がこの件に関して知りたいことは以下のようなことでしょうかね。

①治療していた病院はどのような関わりをしていたのか。

②在宅医療者(訪問医や訪問看護師)やかかりつけ医が関わっていたのかどうか。

③自宅での緩和ケアはどうなっていたのか

④ケアマネはついていたのかいなかったのか。ついていたなら介入できなかったのか

⑤本人の意思はどうだったのか?自宅で死にたい、何もしてくれるな、入院したかった、などなど・・・

⑥家族がその訴えを外部に訴えることはなかったのか

⑥再発防止のためにどうすべきか

 

今後がんに限らず非がんの患者さんでも、望まなかったとしても医療資源的、金銭的、地域的な問題により自宅で過ごすことになる方はどんどんでてくることは間違いないと思います。今回のケースを他山の石にすることなく自分の地域の問題として捉えて考えていきたいですね。皆さんは何か思うことはありますか?

 

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