通院はできているけど、なんだか最近しんどそう——それって在宅医療に移行するべきサインかも?
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
外来診療をやっている「外来に通院はしているけれど、体の衰えがこの1,2年で顕著に気になってきた」という患者さんにまま出会うことがあります。
毎月きちんと診察に来てくれている。でもここ半年、なんとなく歩き方が遅くなった。体重が少し落ちた。疲れやすそう。「先生、最近ちょっとしんどくて・・・・」と言いながらも、「でも通えているから大丈夫ですよね」って笑っている。
でもこれ、実は「大丈夫じゃないかもしれない」サインなんですよね。
「フレイル」という状態を知っておいてほしい
フレイルっていう言葉、聞いたことありますか?多分あるんじゃないかと思いますが、日本語にすると「虚弱」に近い意味で、「元気でもなく、かといって要介護でもない、その中間の状態」のことですよ。
体重が減ってきた。疲れやすくなった。歩く速度が落ちた。握力が弱くなった。活動量が減った——こういったことが重なってくると、フレイルの状態に入ってきている可能性があります。
フレイルは放っておくと要介護状態に進みやすい。でも、早めに気づいて対処すれば、もとの状態に近づけることもできます。
「通院できているから元気」ではなく、「通院できているうちに手を打てるかどうか」が大事なんです。
外来と在宅医療の「あいだ」にある時間
いまいホームケアクリニックでは、外来に通っている患者さんが在宅医療に移行するケースが毎月2〜3人います。
でもその前に、「外来には来られているけど、徐々に体が弱ってきている」という時期があります。この時期をどう過ごすかが、その後の生活の質に大きく影響します。
この時期にやっておけること、いくつかありますんで書いておきますね。是非是非医療者側の意見として参考にしてください。
かかりつけ医と「将来の話」をしておく
元気なうちに「もし通院が難しくなったらどうするか」を話しておくことが大切です。「その時はその時」ではなく、今から考えておく。それがACP(人生会議)の入り口にもなります。
介護保険の準備を始める
「まだ介護保険は早い」と思っている方が多いのですが・・・・実は要介護認定の申請は早めにしておいた方がいいです。認定が下りるまでに時間がかかりますし、いざというときにサービスがすぐ使えるように準備しておくことが大事です。主治医意見書はかかりつけ医が書けます。気軽に相談してみてください。
家族と「最近の様子」を共有する
離れて暮らす家族ほど「通院できているから大丈夫」と思いがちです。でも一緒に診察に来てもらうと、医師からの説明を直接聞いて「そんなに進んでいたのか」と初めて気づくことがよくあります。できれば年に一度は、家族と一緒に受診することをお勧めします。
「まだ大丈夫」が一番危ない
在宅医療の現場にいると、「もっと早く相談してくれれば」と思う場面があります。
急に動けなくなってから、倒れてから、入院してからはじめて「在宅医療って何ですか?」という状態になる。そこから体制を整えようとすると、本人も家族もバタバタして、十分な準備ができないまま退院してくることになります。
「まだ通院できているから大丈夫」ではなく、「通院できているうちに準備する」。
このマインドの切り替えが、その後の生活を大きく変えます。
迷ったら相談してください
「フレイルかどうかよくわからない」「介護保険の申請、どうすればいいかわからない」「在宅医療に移行するタイミングって、いつなんですか?」
こういった相談、どんな小さなことでもOKです。当法人ではMSW(医療ソーシャルワーカー)が相談窓口として対応しています。主治医に聞きにくいことでも、まずMSWに話しかけてみてください(^^♪(まぁでも多くの人は外来の主治医に相談しますかね。もしくは看護師さんとか)
「そのとき」になってから慌てるより、「今」から少しずつ準備する——それが、自分らしく最期まで生きることにつながると今井は思っています。うまく医療を利用してみてください(^^♪
さて今日は外来&訪問&病棟です。コツコツと現場で頑張って行きたいと思います。
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