公開日:2023年10月10日

三田市民病院の統廃合の件は色々な問題を提起してくれていますね。

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

地域医療構想の中で地域の病院の機能再編、統廃合というのが議論されています。病院機能集約→医師含めた人的資源を集約化→医療の専門化、高度化、効率化を目指そうという話で、2024年の医師の働き方改革も目前に迫っていることもあり急ピッチで各地域で議論が進んでいると思います。皆さんの地域ではいかがでしょうか?

 

さてそんな中で三田市民病院の統廃合について気になる記事や動画を見つけましたのでご紹介します。

まずはこちらの8月9日のヤフーの記事をご確認ください。

市民団体が神戸市長の発言撤回求め、申し入れ書を提出 三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合計画で

簡単に今までの経過をまとめると

①医師不足、施設老朽化の問題から三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合の議論が進行

②三田市の市長選挙が7月23日に施行。病院統合反対派の候補者である田村克也候補者が統合推進派の現職の市長を破り初当選となった。(選挙の大きな論争の一つが病院の統廃合についてであった。)

③当選したが病院統合廃案は無理かもと尻込み中・・・・

④新病院受け入れ先の神戸市長が「今まで積み重ねてきた議論どうすんねん」と意見←いまここ

となっています。

 

正直新市長は票稼ぎ、当選のために統合反対!!って言っていたのだろうなと思っていたのですが、改めてこの問題にどう取り組むんだろう?と気になっていました。

・・・と思っていたら2週間程前に現市長さんが動画を公開したようですね。是非皆さんも10分程当該動画見てみて下さい。以下どうぞ↓

まぁ内実知ったらとてもじゃないけれど病院統廃合白紙撤回!なーんて言えない状況だった、ということなんでしょうね!(^^)!事前にわかってるはずなんですが、統廃合を選挙の争点にしたことについては動画ではなんの言及もありませんね。

 

今回の三田市民病院の統廃合の件は本当に色々な問題を提起してくれています。自分が思うに以下の点が気になり、他の地域での病院統廃合のプロセスでも参考になるかなと思っています。

〇選挙で一番の論点になった病院の統廃合白紙撤回が実際できなかったら、現市長は責任とって辞任しないのか(公約の実現が無理だった場合居座るのはOK)??

〇地域医療構想における病院統廃合は必ず行政側の思惑とサービスを受ける市民側との意見は相反することが多い(仙台でもそうですよね)・・・その場合民主主義国家である我が国でどのように議論を進めていくのか。

〇統廃合の議論はいつまで議論を続けていけるのか、時間的猶予は?(期限はどうなっているか皆意識しているの?)

〇市民、行政の意見は表明されているが、もう一方の重要なステークホルダー、医療者の意見は公にどう扱われているのか?医療者は必ず人的資源の問題や医療の高度化への問題から統廃合推進だと思われるが、その意見を行政、市民ともにどの程度重視してくれているのか?重視しない場合に次に医療者はどのような行動をとるのか?そしてその結果はどうなるのか?

 

今後日本全国どの地域でも病院の統廃合は議論されることになります。北海道も例外ではありません。本問題を定点観測しながら自分なりに議論の行方、また病院再編の行きつく未来をしっかりと考えていきたいと思っています。皆さんはこの問題、どうお考えですか?

 

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