公開日:2019年11月22日

札幌で今から在宅の分野で開業するのはどうなんでしょうか?との質問が多いです

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

 

最近医師同士の飲み会でもメールのやりとりでも、はたまた見学に来たDrからも「札幌での(札幌に限らない場合もありますが)在宅医療の分野での開業はどうなんでしょうか?」との質問をよくお聞きします。

自分の回答は大抵同じで「開業するのは全然問題ないと思いますよ。ただ・・・」とお話ししています。

ただ・・・以降の内容ですがこうなります。

「開業するのクリニックをきちんと経営していけるのは別問題です。自分が開業した2011年に比べ今の時点でのクリニック経営のハードルは相当高くなっています。当院のような複数医師体制、多職種が在籍しているクリニック、病院からも訪問診療が開始されているので、その中で先生が自分の診療をどう差別化していくか考えていますか?

さらにこの数か月開業した先生をみていると、数か月診療して施設含めても患者数50人程度の規模となることが多いようです。単純に月当たりレセ単価3.5万円として175万/月・・・人件費やら経費を抜くとおそらく手取りで80万残るかのこらないかくらいだと思います。24時間365日拘束されて札幌からも離れられない、しかも経営上のリスクも抱えて、ということを考えると到底割にあわないような気もするんですがどうでしょうかね。しかも国は在宅医療の拠点を中規模化していくことを考えています。5年後10年後先生は診療それでも続けていけますか?」と・・・・

 

開業したい気持ちはすごいよく理解できますし、そういうマインドになった場合は人の意見もなかなか聞き入れられないのは自分もそうだったのでよくわかります。ただ、大事なことは開業する自己満足を満たすだけではなくどうしたら継続して地域に貢献していけるのか、という視点だと自分は考えています。

自分にとっても、患者さんにとっても、地域にとってもいい開業、いい経営であればいいのですが・・・・そのハードルは年々高くなっているなと個人的には感じていますよ。

 

もし札幌で開業を検討している、もしくは在宅の分野での開業や経営の実際を聞いてみたいという医師がいるのであれば遠慮なくご連絡ください。忌憚ない自分の意見をお伝えできると思いますよ!!

 

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