公開日:2019年01月23日

薬学的な管理は自宅での患者さんの実情や介護状況、他職種の行動原理を知った上で行うことが求められている

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

当院の在宅医療では薬剤師さんのアドバイスや力を最大限尊重しているつもりです。大体7割くらいの患者さんは訪問薬剤を希望されますので、患者さんや家族の方のなじみのある薬局さんを選んでもらうようにお伝えしています。どうしても選べない場合は地区や病状を考慮して当院から2,3薬局名をあげることもあります。

薬剤師さんが地域の中にでて活動することは、単に服薬管理のみならず総合的な薬学的管理と多職種への薬に関しての指導などを通して患者さんや家族の在宅生活に貢献するということであり、単に窓口で薬の対応するよりは絶対薬剤師さん自身にとっても経験値的にプラスになると個人的には考えています。

さてそんな他職種とからむことが増えつつある薬剤師さんですが、最近当院の近くの調剤薬局さんで残念なことがありました。

当院にショート先から薬の使い方について相談あり、介護状況や服薬状況を考え自宅とショート先とで薬の使用方法を変えて処方薬をだす

当院の近くの薬局の薬剤師さんが患者さんの家族の背景や介護状況をあんまり理解せずに、患者さんのショートステイ先での薬の使い方について「それっておかしい。一緒にしないと、減量しないとだめじゃないか」とご家族に窓口で伝え勝手に処方せんの薬の量の減量を決める。(主治医に確認なし・・)

家族は不安になり薬剤師さんのアドバイス通りの薬の使い方としないと駄目かなと考え、ショート先に薬を減量してもたせる

結果ショート先では「なぜこちらでみるのに必要な薬をもたしてくれないの?」「これでは対応できません」と・・・

家族が困ってどうしたらいいかと当院に連絡する

当院で上記経緯を確認する。

と言った流れでした。

結局薬剤師さんは薬剤師さんが考える薬の使い方(と言ってもそんなに大事な薬ではないのですが)に固執するあまり、薬の処方の意図であったり周囲の状況であったりを確認することなくアドバイスすることで家族や患者さん、多職種含め困る、といった状況に陥ったのですが・・・・本来ならケアマネや在宅医に一言確認してもらえれば解決した問題だと自分は考えています・・・・うーん、誰にもプラスにならないような介入でした、ちょっと残念ですね・・・

これからの時代は薬剤師さんも、薬学的な管理は自宅での患者さんの実情や介護状況、他職種の行動原理を知った上で行うことが求められていると個人的には考えていますが皆さんはどう考えますか?よければご意見くださいね~

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