公開日:2024年03月02日

ファストドクターが一部有料化へ・・・今までが異常な状況だったので妥当かなと思います。

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

夜間や深夜の往診サービスを行っている株式会社が複数ありますが、診療報酬改定に伴い先日コールドクターさんは事業自体を辞める、という決断をしたことは以下のブログで言及させて頂きました。(さすがの決断の早さですね)

みてねコールドクターは早々の往診サービス終了・・・結局こんなもんですよね。

 

さてもう一方の雄、ファストドクターさんはどう対応するのかと注視していましたが、往診事業は継続する、ただし自費を徴収して、ということになりそうですね。

以下2月29日のファストドクターさんのお知らせより

夜間休日の救急往診事業の今後に関しまして

序文だけ引用させて頂きます。(気になった部分は赤文字で)

令和6年2月14日に厚生労働省から発表された令和6年度 診療報酬改定において、救急往診事業に関して厳しい評価の見直しが発表されました。多くの方より体制継続に関するご要望やお問合せを頂戴していることから、今後の方針についてご報告させていただきます。

本改定により、令和6年6月1日からは「普段から訪問診療を受けている」かどうかによって診療費が変更になります。この基準を満たす患者は全国に約89万人と国民の1%未満にも満たず、多くの患者は大幅に減額された新たな診療費の適用を受けることになります。

この大幅な減額により、医療機関が医師・看護師の人件費を含む多くの支出を支えることが困難となり、結果として、多くの患者にとって夜間や休日の往診へのアクセスが制限されることとなります。

こうした状況を受けて、大変心苦しいながらも令和6年3月1日より、診療費以外の一部の費用については患者様に直接自己負担をいただく取り組みを開始することにより、救急往診事業の存続を模索してまいります。・・・」

料金サイトなどを見る限り実費としてとれる交通費で3000~4000円程度負担してもらう形にするようですが、正直これは今後利用する患者数をみて段階的に上げていく方向にするんでしょうね。またサービス自体も(しばらくは)都市部中心に切り替えて運用、っていうのが予想されます。

会社としては、いずれくるかかりつけ医の制度化&医師余りの社会状況&その時の24時間対応のための医療機関のパートナーとなるために、数字をみながら往診事業を継続できるかどうかをこの半年~1年程度見ていくことになるのではないかと思います。

 

上記の文章を読むと会社さん側としては

「ファストドクターは地域の24時間体制を支えてきた」

「かかりつけ医のバックアップ機能がある」

「救急医療の負担軽減に役に立つ」

という社会的な側面をかなり強調していますよね。ただしそれは、超高額な社会保障費用を原資として、という一面は全く言及していませんが・・・(まぁ当然ですよね!(^^)!)

 

経営側として見ると、上記金額では1時間に3人程度は診療できる地域(それだけの需要がある地域)でないとサービスの継続は医療機関にとってもファストドクターさんにとっても厳しいのかなと思われます。どの地域でのサービス提供が今後継続可能なのか、併せていつ往診事業からの撤退するのかも含めて今後も定点観測していきたいと思います。

 

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