こんにちは、札幌のかかりつけ医＆在宅医＠今井です。

↑エーザイの代表、内藤さんです。

認知症への新薬、エーザイのレカネマブ（商品名：レケンビ）ですが、中医協で遂に保険適応の了承が得られたようですね。以下関連記事を一読してみてください。

アルツハイマー新薬「レカネマブ」の薬価は年間２９８万円…中医協が保険適用を了承

国民の皆さんが危惧していることはこの新薬の社会保障費へのインパクト、費用対効果、その後の保険適応が拡大されないかどうか、つまり財政的な問題が一番かと思います（だって負担するのは現役世代でしょうから）。その次には「認知症」という老いの中で誰しもが避けられない部分を「病」と捉えて治療するのにどこまで保険で対応すべきか、という医学的な問題でしょうか。

１医師として考えることは

①国は治療可能な医療機関リストを責任をもって公開してほしい（臨床現場で一人一人に説明するのに時間かかりますので）

②これを機会に高齢者の高額療養費制度にもメスを入れるべきか？

③今回の国の決定は投資的な意味合いもあるのでしょうが、「認知症治療は人ではなく薬剤で」という医療者、介護者軽視の姿勢の表れかな（正直薬剤にこれだけお金かけるなら認知症診療、介護の現場で働く人達への待遇改善に寄与するようなお金の使い方の方が・・・）

④というか期待される効果（既存の薬に対し若干症状進行遅らせるだけ）に対しこれだけの高額な薬を使用すべき？医療における費用対効果とは？

⑤混合診療の解禁（保険診療と自費診療の混合）も一部では検討すべきなのかなぁ

などでしょうかね。

経営者からみても現在の従業員一人一人の、そして会社の社会保険料の金額負担はものすごい金額です。国がイケイケでこれだけ高額の保険適応薬を認知症診療のために増やすのは本当に国民は希望していることなんでしょうか？皆さんは自分の税金の使い道、この薬で本当にいいと思いますか？

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