公開日:2023年10月02日

資料提供:施行まで半年、医師の働き方改革は定着するのか-曖昧さが残る宿日直や自己研鑽、地域医療の確保でトレードオフが発生?今後の行方を展望する

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

ニッセイ基礎研究所さんから9月29日付けで医師の働き方改革に関する資料が公開されていましたのでご紹介したいと思います。本格施行まで後半年・・・・本当に医療業界は準備できているのでしょうか?

施行まで半年、医師の働き方改革は定着するのか-曖昧さが残る宿日直や自己研鑽、地域医療の確保でトレードオフが発生?今後の行方を展望する

 

この制度の大きな問題点は2点です。一つは実態にそぐわない宿日直の許可を病院が取得することをどう考えるか、まずはこれだと思います。文中にあるように本来宿日直とはそもそも以下のように考えられるものです。

①宿日直は労働基準法に基づき、「密度がまばら」な断続的な労働であれば、労働時間の規制が適用外になる仕組みになっている。

②そのためには労働基準監督署長の「許可」が必要とされている。→つまり「労働密度がまばら」ではないと判断されるケースでは、超過勤務に認定されることになり、「宿直業務は週1回、日直業務は月1回」といった労務管理に加えて、超過勤務手当の支給などが必須に。

③そこで通知では、

A)通常の勤務時間の拘束から完全に解放されている

B)宿日直中に従事する業務は特殊の措置を必要としない軽度または短時間の業務に限定されている

といった要件を満たす宿日直については、労働時間にカウントしない考えが提示されている。

とありますが、正直ここは病院の裁量自体でかなり法が無視される事態が常態化しそうですね。というかほぼ全ての病院が宿日直の許可を得ようとしていることがそれを既に証明していると思います。

 

もう一つの大きな問題点は自己研鑽の名での長時間勤務です。甲南医療センターのDrの件もそうですが、必ずここの部分の問題はどの病院もどういうスタンスでいくのかは明確にしなければいけない時代になります。資料でもきちんと言及されていますよね。

 

 

個人的には一度きちんと制度が始まると医師の働き方改革の進行はかなり加速度的に進んでいくのではないかと思っています。だって待遇の良くない病院に誰が勤務したいと思いますか?職員を大事にするならそこは必ず改定していかないときちんとしている医療機関に医師も看護師も流れていきますよね??意外と思っているより影響は早く、大きく来る・・・今井はそう予測しています。

 

以上が本日の資料でした。皆さんのご感想はいかがですか?面白い医療系の資料探してまたご紹介したいと思います!(^^)!

 

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