公開日:2020年03月28日

札幌市が施設利用再開をするのは時期尚早ではないでしょうか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医@今井です。

 

道新さんに以下の記事が載っていましたので是非一読ください。

札幌市19施設順次全面再開 1日から 円山動物園などは「一部再開」

札幌市は27日の感染症対策本部会議で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため臨時休館している市有施設97カ所について、「全面開館」「一部再開」「休館延長」の三つに分類した上で、感染リスクを下げることができる19施設を4月1日から順次全面開館することを決めた。いずれも定期的に換気や施設内の消毒を行う。これらの対策が難しい施設は当面は一部再開か休館延長とした。

 市は、各施設ごとに《1》閉鎖的な空間かどうか《2》人が密集する《3》近距離での会話が行われる―などから感染拡大のリスクを判断した。この結果、星置スケート場(手稲区)など19カ所を4月1日から順次全面開館とした。座席の距離の確保や職員のマスク着用、定期的な換気、利用者が触れるドアノブや手すりの消毒などを徹底する。

 4月1日から一部再開するのは円山動物園(中央区)や各区図書館など50カ所。円山動物園は自然換気が難しいカンガルー館や熱帯雨林館、カバ・ライオン館は閉館を継続する。各区図書館はインターネットによる貸し出しサービスのみ再開する。

 休館を続けるのは28カ所。健康器具など不特定多数と接触する機会が多い健康づくりセンターや、感染すると重症化するリスクが高い高齢者が集う各区の老人福祉センターなどが主体だ。

 このほか乳幼児健診、BCG接種、がん検診、妊産婦歯科健診は4月1日から再開する。

 秋元克広市長は会議で、「感染拡大の兆しがみられた場合は、再度施設の休館を考えなければならない」と述べた。

 一方、市は会議で、これまで市内で確認した新型コロナウイルスの感染者数は27日現在で計76人で、このうち50人が同居家族や同僚らと濃厚接触していたことを明らかにした。これまでに48人の陰性が確認され、2人が死亡した。残りの患者数は26人で、軽症と中等症が20人、重症が6人。(中村征太郎)

 

 

ということで感染リスクを評価し、それに基づき一部施設から利用開始するとのことですが、基本的には自分はまだ時期尚早ではないかと感じています。

東京など首都圏でのコロナ感染はまだ始まったばかり・・・・本格的に流行するのはこれから2,3週間たってからでしょう。札幌にも影響がでてくるのはもう少し先か、いずれにせよ予測はまだまだできない状態です。

札幌市では感染リスクを評価したうえでの一部施設の利用再開と言っているようですが、一部施設だろうとなんだろうと事実として「札幌市が施設利用を再開させた」という部分が一人歩きしてしまい、行動自粛が緩和されてしまう事態になると思いますよ。

 

医療の世界では一番怖いのはコロナ感染対策に医療者がかかりっきりになってしまい、その他の救える命や治療できる病気に対しても対応ができなくなってしまうこと、です。現実市内の病院はかなり診療や治療を自粛している状態なので、ここにさらにコロナ感染の患者さんが爆発的に増えれば札幌でもあっという間に医療崩壊が起きることは目に見えています。

札幌市の方はもう少し自分たちの決定が一般市民の心理面に与える影響について検討した上で施策を考えるべきでないでしょうか?自分は将来的には施設の利用再開は必要だと思いますが、このタイミングでの再開は時期尚早すぎると思います。皆さんはどう考えますか?

 

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