かかりつけ医が普及しない理由

こんにちは、札幌は宮の森のかかりつけ医@今井です。

 

そもそもかかりつけ医の定義ってなんでしょうね?国はこの5,6年強く「かかりつけ医をもちましょう!」ということを声高に要求していますが、そもそもかかりつけ医に国、もしくは患者さん自身が要求することはなんでしょうか?

国が考えるかかりつけ医の機能としては端的には診療報酬上の機能強化加算、で表現されています。(前回の改定からかかりつけ医には診療報酬上機能強化加算という点数がつくことになりました)まぁかかりつけ医に点数つけること自体どうなの?とは思いましたが、今回の2020年の診療報酬改定ではその機能強化加算についての議論がおきています。

機能強化加算に議論が起きること=かかりつけ医の在り方について議論されていること、と同意義だと個人的には思っています。まずはどのような議論か、参考にm3の記事をお読みください。(一部だけ引用させて頂きます)

機能強化加算の施設基準巡り、支払側と診療側で食い違い

「・・・健康保険組合連連合会理事の幸野庄司氏は、「事務的な内容を文書にして渡しても、患者には響かない。各医療機関が自らの言葉で、患者にアピールするような、実効性のある文書にすることが最低条件」と強く要望。「どんな文書を作成するかで、診療所の質が問われる。『地域でこのような医療を提供している』などと丁寧な説明が必要」と述べ、どんな文書を作成するか、保険者としても追跡調査していく方針を示した。 これに対し、日本医師会常任理事の松本吉郎氏は、「機能強化加算」はもともと、かかりつけ医機能の体制を評価する加算であると確認した上で、「最終的には合意形成をしなければいけないので、この(厚労省案)通り賛成したいと思う」と述べた。同常任理事の城守国斗氏は、かかりつけ医機能として担っている機能を記載すると、結局は同じような文書になり得るとしたほか、具体的な特徴を文書に記載すると広告誘導的になる懸念も呈した。

幸野氏は、院内開示の内容に「医療機能情報提供制度を利用してかかりつけ医機能を有する医療機関が検索可能であること」についても、都道府県によって対応に差があり、「東京都のホームページを見たが、80%くらいしか情報提供していない。情報提供は義務だが、罰則規定がないからか。もしこれを施設基準に追加するなら、少なくても、かかりつけ医がどこにいて、どんな機能を担っているかが分かるようにしないと、実効性のないものになる」と指摘した。

厚労省保険局医療課長の森光敬子氏は、医療機能情報提供制度におけるかかりつけ医に関する項目は、2019年度中に全都道府県で追加する予定であり、現時点では既に実施、あるいは準備中の県もあると説明。日医副会長の今村聡氏は、施設基準を満たし、かかりつけ医機能を評価する診療報酬を算定している医師と、施設基準を満たせなくてもかかりつけ医機能を担っている医師がいるとし、両者は分けて考える必要性を指摘した。」

とまぁこんな議論がされています。単純に要約すると、かかりつけ医の機能あるならそれを文章として患者さんや家族に渡して説明してくださいね、って話なんです。ではどんな医師がかかりつけ医となるのか、現時点でかかりつけ医に求められている役割を以下で振り返ってみましょう。

かかりつけ医に求められている機能

・地域において包括的な診療を担う医療機関であることについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するなどの取組を行っていること。
・地域におけるかかりつけ医機能として、健康診断の結果等の健康管理に係る相談、保健・福祉サービスに関する相談、夜間・休日の問い合わせへの対応及び必要に応じた専門医又は専門医療機関への紹介を行っている医療機関であることを、当該医療機関の見やすい場所に掲示していること。また、医療機能情報提供制度を利用してかかりつけ医機能を有する医療機関が検索可能であることを、当該医療機関の見やすい場所に掲示していること。
・地域におけるかかりつけ医機能として、健康診断の結果等の健康管理に係る相談、保健・福祉サービスに関する相談及び夜間・休日の問い合わせへの対応を行っている医療機関であることについて記載した書面を、医療機関内の見やすい場所に置き、必要に応じて患者が持ち帰れるようにすること。また、患者の求めがあった場合には、当該書面を交付すること

 

などでしょうか?この議論をみて皆さんは何か考えることはありますか?

自分は

①かかりつけ医の制度自体かなり抽象的な役割で、制度として全然確立されていない

②かかりつけ医の果たすべき役割自体も在宅医療や緩和ケアが盛り込まれておらず不十分すぎる

③何より患者さん自身にとってなぜかかりつけ医が必要なのか、を理解してもらうことを国が十分にしていない

などがやっぱり気になりますね。

政策としては、また患者さん自身にとして、かかりつけ医がなぜ必要か、どのように活用していくのか、また何をかかりつけ医として医師が果たすべきなのか、複雑化する医療制度に振り回されて本質的な議論がなされていないと感じてしまいますよ。

 

かかりつけ医が普及しない理由、それは複雑怪奇な制度としての不完全さ、不十分さと医師側の診療の問題にあると自分は思っていますが皆さんはどう考えますか?

 

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