隙だらけな対応

毎月月初めはレセプトの確認作業が大変なんです・・・

 

こんにちは。金曜日ですが札幌ホスピス緩和ケアネットワークと在宅医療協議会の共同開催の”ザ ネットワーク ~在宅医がわかる~”に参加してきました。会場はKKR札幌医療センター斗南病院の5F、18時30分から開始で10分前にはついたのですが・・・・・人数がはんぱじゃなく、色んな医療機関やステーションから集まっていました。

坂本先生と瀧川先生の挨拶後各施設で4分程度の短い施設紹介です。下の写真は静明館診療所の矢崎先生ですがこの後2番手で発表しました。

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こんな感じで前にでて施設紹介しました。

自分の話の要点は次の6点にまとめました。①医師5人の複数医体制、婦人科や泌尿器科、消化器などの医師がおり困った患者さんもカンファレンスしながら、必要なら各専門医の往診を院内で依頼して対応している。②中央区西区を中心に訪問診療しているが、最近は真駒内など南側の患者さんも条件があえば診察にいっていますので困った場合は連絡ください③末期の患者さんのみならず認知症や脳血管障害、神経難病など慢性期の人まで幅広く常時300人程度診療しています。在宅での看取りにも注力し今年は10月末で70人弱これまで看取っています。(月平均6~7人くらい)④連携のためにMSWを専任体制で3人、配置しています。在宅に帰すか迷うようなら当院に相談してもらえれば退院にならなくても相談にのりますし必要なら施設等も紹介します。⑤法人内に居宅と看護、リハまでそろっていますので困ったときには全て対応します。⑥来年外来開始します。専門外来と在宅をからめた総合外来を開始する予定です。基本的には在宅と同様に365日体制で地域をみていく外来をしたいと思っています。(専門外来は平日のみ?要相談ですね・・・)

その後はフロアからの質問などに答える形となりましたが・・・・・やっぱりこういう会ってまだ場数踏んでないので緊張しますね・・・他の先生がきちんとした対応されているのに比べ、なんとなーく自分は言いたいこと伝えられなかった気がします。(隙だらけな対応をみてもらうことになったと思います。)次回は機会があれば頑張ろうと思いますが誘ってもらえるでしょうか・・・・

 

さて本日紹介したいニュースはこちら、11月17日に日本慢性期医療協会から発表された資料です。「日本の寝たきりを半分にしよう!!」とのことでだされた10ヶ条、是非確認してみてください。個人的には6,8,9はきちんと理解して置きたいと思っています。皆さんはどう考えますか?

 

日慢協blogより引用しています http://manseiki.net/?p=4220

日本慢性期医療協会は11月17日に定例記者会見を開き、「日本の寝たきりを半分にしよう」10ヶ条を示しました。会見で武久洋三会長は平均在院日数の国際比較を示し、「日本では急性期病院に長い期間入院している。寝たきりは、急性期医療の治療中と治療後の継続入院中に主につくられる」と指摘し、急性期のリハビリを充実させることや、高齢者の急性期治療を改善する必要性などを訴えました。
【「日本の寝たきりを半分にしよう」10ヶ条】

 1.慢性期治療の徹底
2.延命ではなく日常復帰を
3.急性期リハビリの充実(入院日からのリハビリ)
4.急性期リハビリ能力のない場合、
入院後20日までにリハビリ能力と治療能力のあるPost acuteに移す。
5.高齢者の急性期治療の改善(栄養・水分出納・身体侵襲の軽減)
6.嚥下・排泄リハビリの優先
7.短期集中リハビリのできる環境に
8.寝たきりより座りきり
9.無理な歩行訓練より車いす自立を
10.慢性期総合診療医の養成

以下、会見の要旨をお伝えいたします。
会見資料は、https://jamcf.jp/chairman/2016/chairman161117.htmlをご覧ください。
[武久洋三会長]
本日は、「日本の寝たきりを半分にしよう」という理念についてご説明する。先ほどの理事会でも、こうした理念で日慢協は今後も活動していくということを確認した。

まず、10ヶ条のうち1は、治すべき病気は治していくということ。そして2は、延命ではなく日常復帰を目指していくということ。

3は、寝たきりを半分にするためには、われわれ慢性期医療の現場だけが頑張っても不十分であるということ。急性期段階でのリハビリがほとんどない病院もあるようなので、入院日からのリハビリを急性期病院でお願いしたい。

4は、急性期リハビリ能力のない場合、入院後20日までにリハビリ能力と治療能力のあるPost acuteに移してほしいということ。

5は、高齢者の急性期治療の改善。栄養や水分のことをあまり考えず、また身体侵襲の多い治療、検査に終始するような状況においては、高齢者の体力は失われて衰弱する。このため、栄養や水分、身体侵襲の軽減についても、よく勘案していただきたいということ。

6は、嚥下リハビリや排泄リハビリの優先をお願いしたいということ。

7は、短期集中リハビリのできる環境について。すなわち、脳卒中というのはリハビリの有効期限が6ヶ月間あるが、脳卒中になったその月は9単位、6カ月後も同じ9単位である。発症後、間もないうちに集中的にリハビリができる環境がぜひとも必要である。6カ月経過してすでに拘縮してからも9単位するということはやや問題がある。

8は「寝たきりより座りきり」について。とにかく歩かせるということよりも、寝たきりにならないように、すなわち、つらい時に車いすで一定程度まで自立すれば、自分で食事をして自分で排泄できる。車いすで移動できれば施設にいなくてもいい。従って、無理な歩行訓練よりも車いす自立を促すことが必要である。それによって自立度が上がる。

10は、慢性期総合診療医の養成について。以下、10ヶ条についてそれぞれ説明を申し上げる。
1.慢性期治療の徹底

十分に治療できない病院ほど、「ターミナル」という言葉で逃げているのではないか。「延命するべきでない」とは言っても、「延命」の定義がはっきりしない。治る病気を治すことは延命ではない。「延命」とは、本人の本来もっている寿命をより延ばすという意味である。

本人の寿命を超えて延命させる必要はないが、急性期から始まる治療の副作用として発生する医原性身体環境破壊は人為的に寿命を短縮させられている場合もあると考えられ、治せる病態は治してあげて本来の寿命ラインに戻してあげるべきである。

高齢者にもきちんとした医療が必要である。個人個人の寿命はそれぞれ違うが、天寿を全うできるような医療が必要である。ほんの少しの異変に早く気付いて早めの対応をとれば日常に戻れるが、「まあ、様子を見ましょう」などと言っているのは、高齢者では通用しない。

異変のほんの少し前に気付いて少しずつ補正しながら主病名の治療に当たれば、本人の持っている寿命はまた元の寿命ラインに戻ることができる。要するに、総合診療医である主治医の腕次第で天寿を全うできる人と、図らずも、たまたまの病気に足をすくわれて寿命を全うできない人に分かれる。
2.延命ではなく日常復帰を

高齢者に限らず誰しも長生きはしたいだろうが、いろいろな諸条件でなかなか天寿を全うできていないのが現実である。家族や周囲の人たちの多くが高齢者のターミナルを望んでいるわけではなく、多くは長生きしてほしいと願っていることは事実である。しかし、治る見込みのない患者に、痛い・苦しい治療を継続させるのは忍びないとも思っているのである。

だから逆に考えると、「治る病気は治してほしい」と思っておられるし、本人が苦しくても、少しずつ良くなって楽になり、ついには日常近くに戻れることができたらいいと願っているのも事実である。絡み合った難しい病状を改善するために1つずつ解きほぐす治療と同時にリハビリを併行しながら病前の日常生活に戻す努力をすることが、医療スタッフの使命。治る病気は治して差し上げるのが私たちの仕事である。
3.急性期リハビリの充実(入院日からのリハビリ)

国際的に見て、日本の平均在院日数は非常に長い。平均在院日数は31.2日だが、特定除外患者が除かれているので実際には40日ぐらいだろう。そうすると、アメリカ(6.1日)やイギリス(7.2日)などの5~6倍という長い期間、急性期病院に入院していることになる。日本は中途半端な機能の病院が全国に散在している状態である。寝たきりは、急性期医療の治療中と治療後の継続入院中に主につくられる。寝たきりの原因はここにある。

急性期病院での入院期間が短ければ、急性期治療後を受け持つ慢性期病院での入院期間も短い。また、急性期病院での入院期間が短い方が、1日当たりのFIM向上点数を示すFIM効率も高い。急性期病院での入院期間が長ければ、後方病院の入院時FIM点数が低い。
4.急性期リハビリ能力のない場合、入院後20日までにリハビリ能力と治療能力のあるPost acuteに移す。

急性期での入院期間を外国並みに短縮すれば、日本の寝たきりは少なくなるのではないか。急性期で行うべき処置が終わった後もだらだらと急性期病院に入院していても、1日3~5時間のリハビリはしてくれない。すなわち、日常に戻れない。

フレイルに陥るときは、感染症や脳卒中、手術等のために急性期に入院した患者さんが、それらの治療がある程度なされた後に受けた医原性身体環境破壊を、入院後半期に十分回復させられず、急激にフレイルに陥る場合が多い。結論的に言うと、急性期病院で20日以上入院している患者の早期退院促進がフレイルの最大の予防策である。中途半端な急性期病院にはこれらの視点が欠如している。
5.高齢者の急性期治療の改善(栄養・水分・身体侵襲の軽減)

急性期医療で何気なく行われていることがある。検査のための絶食、末梢点滴での水分補給、安静臥床、栄養状態無関心──などである。

平成22年1月から平成28年6月までの約6年半の間に、当院を含む計16病院に入院した患者さん3万4,327名について、入院時における検査値の異常値割合を調べた。脱水の患者さんが約4割、ナトリウム異常の患者さんが約3割、低栄養の患者さんが約6割、コレステロールの低い患者さんが約2割、糖が高い人が約6割、貧血が約5割。こういう患者さんがどんどん送られてくる。

厚労省などの調査によると、7対1一般病床の死亡退院は2%だが医療療養病床では37%~56%、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では70.7%となっている。特養では、入所中に状態が悪くなった方が病院に入院しても、それまで入所していた施設に籍を残したまま入院することが多く、その後に病院で死亡しても、施設では死亡退所として扱われるので、実際の特養での死亡割合は、老健よりも低いと言われている。

お年寄りでも1日1,500Kcalと1,500mlの水分が必要だが、病気になる前の5日間、摂取できなかったらどうなるか。1日の必要カロリーが1,500Kcalの高齢者が、入院前5日間750Kcalしか摂取できずに、入院後も5日間750Kcal(半分くらい)しかカロリーと水分を摂取しなかった場合、カロリーは「750Kcal×(5日+5日)=(-)7,500Kcal」となり、水分は「750Kcal×(5日+5日)=(-)7,500ml」となる。この状態を改善することは、実は大変な治療となる。

もし入院後6日目から正常出納の1日1,500Kcal、1,500mlを維持するとして、それまでの(-)分を数日で補充することは、心肺機能や消化管機能上、到底無理である。しばしば末梢に点滴を1日1~2本しているので、「良し」とされているようだが、5%ブドウ糖液は、0.05×500=25g  25g×4Kcal=100Kcal 1本100Kcalしかない。カロリー摂取にはほとんど意味がない。

仮に1日200Kcal,200mlずつ補充するとした場合、1,700Kcal、1,700mlの投与となる。そうなると、「7,500÷200=75/2日=37.5日」となる。マイナスが回復するまでに、37日間もかかる。37日間も持続して1,700Kcal、1,700mlを維持できなければならない。37日間はずっと(-)のまま、その(-)が少しずつ少なくなっていく。高齢者のカロリー、水分が(-)になってしまうことがいかに恐ろしいか。いったん(-)になれば、いかに回復が難しいかを理解しなければならない。

表面上は、半分程度食べておけば、この(-)は見逃されて、気がついた時には、相当な(-)となってしまっていることが多い。そうなると、患者の各種臓器機能は低下し、免疫力も低下し、易感染性となり、合併症を続々と起こす可能性がある。合併症が次々に起これば、(-)分の補充が計画通りにはいかないことになるため、(-)から永遠に脱出できなくなり、やがて衰弱して死亡することになる。

このことをターミナルというのか。(-)に早く気付いて、是正を速やかに行って、正常軌道に戻す治療力があるかが医師の力となる。
6.嚥下・排泄リハビリの優先

嚥下障害リハビリ、膀胱直腸障害リハビリを優先すべきである。おむつをして鼻から管を入れている患者さんに「歩行訓練をしよう」と言っても無理な話である。①まず人間性の回復を優先すべき、②おむつをして経管栄養している人が、リハビリに熱心になれるか、③嚥下障害リハビリや膀胱直腸障害リハビリに多くの時間をとるべき、④歩行訓練リハビリの優先は正しいのか──という考えを改めて示したい。

患者さんが望むリハビリが実施されているか。調査(複数回答)によると、「日常生活を送る上での基本的な動作(移動や食事、排泄、入浴、着替えなど)ができるようになりたい」という患者さんが55.9%、「買い物や掃除、料理など家事ができるようになりたい」36.3%、「病気やけがになる前に行っていた趣味活動や仕事をするなどの社会的活動をできるようになりたい」(42.3%)だが、リハビリの実施内容を見るとそうではない。関節可動域訓練が74.6%、筋力トレーニング86.7%、歩行訓練(屋内)71.1%となっている。そういう現状がある。

たとえ動けなくても、まずは口から食べて自分で排泄できることが人間の原点である。患者さんもそう思っている。超高齢者は、自ら食べて自ら排泄できるようになれば自宅での療養が可能になる。寝たきりにならず、自宅に戻れる人が増えるであろう。車椅子自立を確立すべきである。

退院支援を行うに当たって困難な点について中医協の調査結果がある。「患者の嚥下機能が十分でなく、自宅等に帰るのが難しい」という理由が2番目に挙げられている。当院で、積極的な摂食嚥下訓練の効果検証を実施した。平均ST実施単位は1日当たり5.6単位。訓練開始時と訓練開始後はこのような結果になった。たった3カ月足らずである。胃ろうをできるだけ早く造設し、積極的リハを行なえば、経口から摂食できるようになる可能性が高くなる。

スライド31摂食嚥下訓練実施前後の栄養摂取手段の変化

膀胱・直腸障害リハビリの効果も検証した。平均個別リハの実施数は1日5.1単位。その結果、初期にバルーンやオムツだった患者さんが、リハパンツや布パンツに移行できた。入院時にバルーンとオムツで64%を占めていたが、退院時にオムツを着用している者は3%までに減少した。このようなデータを出したところ、平成28年度の診療報酬改定では、「排尿自立指導料」(200点、週1回)が新設されることとなった。

スライド34着用しているパンツの変化
7.短期集中リハビリのできる環境に

脳卒中の発作が出てから1カ月後も6カ月後も、1日同じ9単位(3時間)のリハビリでよいのか。1カ月目は20単位(6時間以上)するほうが良いのではないか。脳卒中リハは弛緩性麻痺の間に、つまり手がだらーんとしている間に集中的にリハビリを行うものであり、関節が固まってからリハビリしてもほとんど効果がない。単位に関わらず集中リハをして自主訓練を促し、短期で成果を上げることが必要である。
8.寝たきりより座りきり
9.無理な歩行訓練より車いす自立を

転倒する危険性を知っているのに、高齢者脳卒中患者に自立歩行を強要するのは危険である。車椅子自立でも部分自立でも、とりあえず自分の事は自分でできるようにしたほうがよいのではないか。超高齢者リハのゴールは自立歩行復帰とは限らない。

「座りきり」の準備をしよう。座ることにより心肺機能に負荷がかかり、身体機能の回復をする。座っていれば、下肢の骨折は起こらない。立っているから転倒し、主に下肢が骨折し、命取りになる。離床コーディネーターをつくろう。重症の人でも、せめてベッド上で座位に近いギャッジアップをしてはどうか。
10.慢性期総合診療医の養成

慢性期病院には重症の患者が多く入院してくる。特に、慢性期治療を積極的に行う慢性期治療病院では、複雑に絡み合った病状に対し、治療が困難な患者であっても積極的治療とリハビリを行うことが大切であると考えている。医師は病気を治療して良くすることで評価される。そして、その後の患者さんのQOLを保つことが大切である。

地域のバックベッド病院での治療は、多臓器の身体合併症の多い後期高齢期患者が多いため、高度急性期の臓器別専門医の治療よりむしろ、総合診療医機能を持つ後期高齢者の治療に習熟した医師が必要となってくる。高齢者の治療は、一部の高度医療が必要である場合を除き、総合診療医機能を持った慢性期医療を中心に担当している医師に任せるべきである。

地域の慢性期病院は、慢性期患者の急変も当然受け持たなければならない。従って、地域の主に慢性期機能の病院であっても、急変患者の受け入れができなければならない。

以上、10ヶ条について述べた。「日本の寝たきりを半分にしよう」という強い決意を宣言する。良質な慢性期医療がなければ日本の医療は成り立たない。本日は、「日本の寝たきりを半分にしよう」10ヶ条を皆さんにご提示した。今後も、われわれの活動を見守っていただきたい。

 

 

さて午後は院内カンファレンスと訪問です。札幌での在宅医療に興味あるお医者さん、是非昨日の記事もみてみてくださいねー