在宅医療の「難しい」を考える。
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
在宅医療に従事している皆さんは”在宅医療って難しいな”と感じる瞬間がままあるのではないでしょうか?今日はその難しいについて少しだけ今井の考えを書いてみたいと思います。
「難しい」にも2種類ある
在宅医療の現場では「難しい」という言葉がよく出てきます。
「この患者さんの疼痛コントロールが難しい」 「家族への説明が難しい」 「看取りのタイミングの判断が難しい」 「チームの連携がうまくいかなくて難しい」
難しいという言葉・・・冷静に考えると2種類あると今井は感じていますよ。
①知識・経験・情報が足りないための「難しい」
これは解決できます。勉強する、先輩に聞く、専門家に相談する、経験を積む——次の一手が見えている「難しい」です。
②問いの立て方が合っていないための「難しい」
こちらは厄介です。いくら勉強しても、経験を積んでも、答えが出てこない。なぜかというと、そもそも問いの立て方が間違っているから。
「難しい」と感じたとき、問いを疑ってみる
たとえばこういう場面があります。
「この患者さん、なかなか心を開いてくれなくて難しい」
この「難しい」に正面から向き合おうとすると、「どうすれば心を開いてもらえるか」を考えてしまいます。コミュニケーション技術を磨く、訪問回数を増やす、話題を工夫する——
でも本当の問いは「心を開いてもらう必要があるのか」かもしれません。
心を開かなくても、患者さんが安心して自宅で過ごせているなら、それでいいのかもしれない。「心を開かせる」という問いを立てていること自体が、間違いだったりする。色々考えると”在宅医療って難しい”ですね(^^♪
在宅医療で「問いを問い直す」必要がある場面
今井が現場でよく感じるのはこういうことです。
「なぜこの患者さんは入院を拒否するのか」
→ 「どう説得するか」を考えるより「なぜ自宅にいたいのか」を理解する問いに変える。
「なぜ家族は在宅での看取りに同意してくれないのか」
→ 「どう説得するか」より「家族が一番恐れていることは何か」を問い直す。
「なぜスタッフはもっと自分で考えて動かないのか」
→ 「どう指示するか」より「なぜ考えて動きたくなる環境が作れていないのか」に問いを変える。
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どれも、最初の問いのままでは袋小路になりやすい。問いを変えた瞬間に、見えていなかったものが見えてきます。
「難しい」は新しい問いへのサイン
今井が在宅医療を15年やってきて感じるのは、「難しい」と感じるたびに少しずつ成長できてきたかなっていうことです。
「難しい」と感じたとき、答えを急ぐよりも「自分は今、正しい問いを立てているか」を一度立ち止まって考えてみる。
その習慣が、在宅医療の質を上げていくと今井は思っていますよ。
ということで今日は在宅医療で難しいなと感じる瞬間のことについてちょっとだけ深堀してみました。皆さんのご意見はいかがでしょうか?良ければ教えてくださいね。
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