厚労省が出した「新たな地域医療構想」→”在宅医療が医療のメインになる時代”がすぐに来る。
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
今日はちょっと在宅医療絡みの真面目な話を・・・・でも今井としては結構ワクワクしながら読んだ資料の話をしますね。
先日、厚生労働省から「新たな地域医療構想策定ガイドライン」という資料が出ていまして。 (法人の管理業務の一環で、こういう国の資料も一通り目を通すのが今井の仕事だったりします・・・地味ですが(笑))
その資料はこちらです↓
地域医療構想策定ガイドライン
正直、タイトルだけ見ると「行政の話でしょ?」って思われるかもしれません。 でも中身を読むと、これから札幌で在宅医療をやっていく上で、いや、これから札幌で暮らしていく上で、いやこれからの医療を考える上で結構本質的な話が書いてあったので、今日はこれを今井なりに噛み砕いたものを皆さんにシェアしたいと思いますよ。
何が書いてある資料なの?
ざっくり言うと、「2040年に向けて、日本の医療提供体制をどう組み替えるか」という国の設計図です。背景にあるのはシンプルな話です。
- 高齢者はどんどん増える
- でも支える現役世代はどんどん減る
- お医者さんや看護師さんの数も、正直これ以上そんなに増えない
という中で、「今までと同じやり方」では医療が回らなくなる、という現実があります。 その対策として、病院ごとに「あなたの病院はこういう役割を担ってくださいね」というのを、地域ごとにきちんと決めていきましょう、というのがこの構想の中身です。
在宅医療が「正式な機能」として位置づけられた!!
今井が一番「おっ」と思ったのはここです。
今回の資料の中で、医療機関の役割として新しく「在宅医療等連携機能」というものが明記されました。 簡単に言うと、
「在宅医療をしっかりやって、24時間対応して、他の医療機関や訪問看護・介護と連携する医療機関」
という役割を、国が正式な”機能”として認めた、ということです。
これまでも在宅医療は現場では当然大事にされてきたわけですが、制度上は「病院の下請け」みたいな位置づけに見えてしまう部分もあったんですよね・・・・。 それが今回、地域医療構想の中で急性期の病院と対等に並ぶ「機能」として位置づけられた。これは結構大きな話だと今井は思っています。
ただし、です。 資料にはこうも書いてあります。(意訳すると)
「どこでもいいわけじゃない。きちんと在宅患者の急変を地域で対応できる役割を担っている医療機関が名乗ってね」と。
・・・・つまり、名乗るからには相応の実績と覚悟が必要、ということです。 資料実績が、中身がまさにこれから問われる時代になる、ということですね(^^♪
病院側にも「早く在宅に帰す」責任が課される
もう一つ大事なポイント。
今回の資料では、高齢者の救急入院についても触れられていて、「入院で体力(ADL)が落ちて、家に帰りづらくなるケースがある」ことがはっきり課題として書かれています。 そのうえで、病院側にも「入院早期からリハビリや栄養管理をして、早く家に帰せるようにしてください」ということが、これまで以上に明確に求められるようになります。
なーんてことが書いてあるのを見て、今井は「あ、これは国が本気で”病院と在宅の連携”を医療の土台にするつもりだな」と感じました。
これからはどの地域でも急性期の集約化が進みます。進めば進むほど、「退院した後、誰が支えるのか」という問いは避けて通れなくなります。 その答えの一つが在宅医療である、ということが、国の資料としてもはっきり書かれるようになった・・・・というのが2026年という年の現状なんですね。
オンライン診療・遠隔モニタリングも「やってね」と明記
地味に見逃せないのがこの一文。
在宅医療の「生産性向上」のために、往診に加えてオンライン診療(D to P with N)や、バイタルの遠隔モニタリングを積極的に使ってくださいね、と国の資料にはっきり書かれています。
今回の診療報酬改定でもちょびっと俎上に乗りましたが、「医療の形が根底から変わろうとしている」と理解しておくべき・・・・この現状認識も重要ですね。
経営者として、そして1在宅医として思うこと
今井は医療法人の理事長という立場でもあるので、こういう資料を読むときはどうしても「うちの法人はこれにどう対応するか」という目線が入ります。
- 医療機関機能報告で「在宅医療等連携機能」をきちんと実績とともに報告していくこと、有床19床の「暮らしによりそう診療所」の役割を、地域の中でどう位置づけるか、在宅医療充実体制加算(別表8の2)の要件も踏まえながら、2026年度の診療報酬改定及び今後10年スパンでの改定を予測しきちんと対応していくこと・・・・こういう実務的な準備は、当然これからも粛々と進めていきます。
でも1人の在宅医としては、それ以上に「これは追い風であり、同時に大きな責任だな」という気持ちのほうが強いです。 国が「在宅医療は大事な機能です」と正式に言ってくれるようになった以上、それに見合うだけの覚悟と質を、現場の医療者が示していかないといけない。
住み慣れた家で最期まで過ごしたい、というささやかな願いを支える仕事が、ようやく制度の”本流”として扱われ始めた・・・・今井はそんな感想を抱きましたが皆さんの感想はいかがでしょうか?よければ教えてくださいね。
さて今日は札幌は晴天です。学会が開催されていますので全国の在宅医療関係者が集まっているかと思います。夏の札幌を是非是非皆さん楽しんでくださいね(^^♪
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