公開日:2026年07月21日

「ホスピス」という言葉に、惑わされていませんか?【ホスピス型住宅の現在は・・・】

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

今日は少し前まで頻繁に話題になっていた「ホスピス型住宅」について書いてみようと思います。

数年前、ホスピス型住宅の広告が急増したこと覚えていますか?

2010年代後半~20年代前半、ホスピス型住宅の広告があちこちに増えました。

「最期まで安心して過ごせる場所」「在宅ホスピスケアを提供します」——そういったキャッチコピーが並ぶ施設が、特に都市部を中心に急速に増えました。

ただ当時(今もそうですが)、今井のところにもこんな相談が来ることがありました。

「ホスピス型住宅に入居したのですが、思っていたのと違って・・・・かなり制約多いんですね。病院みたい」

「ホスピス幻想」という問題

日本人は「ホスピス」という言葉に弱いと今井は感じています。

ホスピスというと、なんとなく「穏やかで、痛みもなく、家族に囲まれて安らかに・・・・」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。でも現実もそうでしょうか??

痛みはある程度緩和されますが、すべてがコントロールされるわけではない。看取りの場面は、思っているより穏やかではないこともある。スタッフの質・医療との連携・夜間の対応、これらは施設によって大きく差があります。

「ホスピス型住宅」という名前だけで選ぶと、入居後に「こんなはずじゃなかった」となるリスクがあります。

最近、話題にならなくなった理由

ここ最近、ホスピス型住宅が以前ほど話題にならなくなってきた印象があります。なぜか。

ひとつは問題のある施設が淘汰されてきたという面があるかもしれません。実態を伴わない施設への批判が高まり、行政の目も厳しくなってきた。何より医療系のスタッフがそういう施設は避けるようになってきた。

でももうひとつの可能性として、今回の2026年の診療報酬改定を経て「問題が見えにくくなっただけ」という面も否定できないと今井は思っています。

話題にならなくなった=問題がなくなった、ではない。

むしろ静かに続いている問題に気づきにくくなっているとすれば、より注意が必要なんじゃないでしょうか??

ホスピス住宅での医療は「玉石混合」

ホスピス住宅での医療は決して一枚岩ではありません。

素晴らしい在宅医療を提供している医師・事業所がいる一方で、「最後は病院送り」が多い在宅医も実際にいると聞きます。訪問はするけれど、いざとなったら救急搬送——これでは「最期まで自宅で」という患者さんの希望を支えているとは言えないかなと。

今井自身はホスピス型住宅とはちょっと距離があり、居宅の在宅緩和ケアを15年程やってきた経験からすると、当然ですがうまくいったケースもあればもっとできることがあったと反省するケースもあります。まっとうな事業所でのまっとうな在宅医療、在宅緩和ケアでさえ万能ではないことは事実です。(それでも在宅緩和は素晴らしいことは全くもって否定はしません(^^♪)

だからこそホスピス型住宅を選択する時に、その事業所の医療系スタッフのみならず、連携する事業所(クリニックなど)のスタッフが「この先生・この事業所は本当に最期まで関わってくれるのか」を事前に確認することはとても重要大事ですよ。

皆さんへ——地元の情報を今から集めてほしい

ということで今井が本日一番伝えたいのはここ↓

いざという時になってから情報を集めようとしても遅い

です。

ホスピス型住宅を選ぶにしても、在宅医療を選ぶにしても、「名前がいい」「広告がきれい」「ホームページが充実している」だけでは判断できません。

〇 実際にそこを利用した人・家族の話を聞く 〇 地域の包括支援センターやケアマネに評判を聞く 〇 「最期まで関わってくれるか」を直接確認する 〇 夜間・緊急時の対応体制を確認する

こういったことを、元気なうちに、時間をかけて調べておくことが大切です。

かかりつけ医を持っておくことの意味

蛇足ですが最期の場所・最期の医療をどうするかを考えるとき、一番頼りになるのはやっぱり「長く関わってきたかかりつけ医」です。

その先生が「あの施設はいい」「あの在宅医は信頼できる」と言ってくれる——そういう関係性が、いざというときに本当の力を発揮します。「かかりつけ医を持つ」ことは、日常の医療のためだけでなく、人生の最終章の情報収集のためでもありますよ。

今世間の注目を浴びていないタイミングだからこそ、あえて地元のホスピス型住宅に目を向けてみてください。きっと質による淘汰や色々な変化が起きていると思いますから。そしてどこの事業所なら入ってもいいかも早め早めに考えておくことはお勧めします。一応の保険にはなりますからね(^^♪(ただ今井はホスピス住宅に入るより自宅で受ける緩和ケアを当然お勧めしています。そっちの方が圧倒的にその人らしく最後まで過ごせますから・・・)

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