看護師の仕事の将来は特定行為?改めて”ケアをすること”の本質、重要性は認識したい・・・
こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。
東洋経済の記事でとても面白い記事を見つけましたのでご紹介します。まずは一読してみてください。今井の琴線に触れた個所は抜粋したいと思います。
看護界の重鎮が91歳で新雑誌を創刊した切実事情~看護師を”ミニドクター”にすることへの疑問
「・・私が働き始めてまだ10日、何をしていいのかわからず、全身が垢だらけだったトシエちゃんの身体を1週間かけて丁寧に拭いていきました。肌がきれいになると少女らしくなり、それまで食事をまったくとらなかったトシエちゃんが、「看護婦さん、お腹空いた」と言うのです。おかゆを作ってあげると、3口ほど食べてくれました。すると微弱だった脈が正常になって、それから3カ月余り、9歳の女の子らしく生きることができました。
もしあのときに身体を拭いてあげず、食べないままだったら1週間くらいで亡くなっていたのではないかと思うのです。看護の力って、なんてすごいのだろうと思いました。
それからしばらく経って、ナイチンゲールの書物と出会って初めて、「安楽とかいうものは、それまでその人の生命力を圧迫していたあるものが取り除かれて、生命がふたたび活き活きと動き出した徴候」という考えを知り、トシエちゃんへのケアと通じたのです。」
「・・看護の本質とは、患者さんに直接、手を当てることにあります。看護の原点とは、人権や安全・安楽をふまえて、その人の固有の自然治癒力に働きかけることにあります。その究極の手法が、看護師の手によるケアなのです。「手 TE」の「アート ART」にEをつけて「TE-ARTE てあーて」という造語を作りました。患者さんに手を当てる看護によって、患者さんの自然治癒力を引き出すのです。」
「日本語の「触れる」という言葉には、直接触れるというだけでなく、心に触れるという意味もあります。心をこめた手で触られれば、相手は共感されている、支えられている、励まされていると感じ、苦痛や緊張が緩和され、心拍数や血圧が下がったりすることがあります。「触れる」効果にはエビデンスがあるのです。肌に触れることで愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、リラックスするのです。この「手を触れる」ことを、見直してほしいと思っています。
医療機器が示す数値でしか患者さんの苦しさがはかれない看護師が増えているのは、危機的状況です。看護の基本は苦痛の緩和です。それは、がんの痛みをモルヒネで調整することばかりではない。看護師が患者さんのそばにいてマッサージをし、足浴を行うことで苦痛を緩和することができ、そうやって生活の質を高めるケアこそ、看護師が独自にやらなければならないのです。」
「病気になる前に、病状が悪化しないようにケアすれば手術も検査も減って医療費も削減できるはずなのに、病院収入だけみれば看護師による看護より機械による検査が勝ってしまう。人間が人間をケアする価値があることが忘れられる大きな原因がそこにあります。
患者さんの苦痛を緩和する、口から食べることで健康になる。それを支えるための看護の実現のために、看護師自らが闘わなければなりません。熱いお湯とタオル、私たちのハートと手があれば苦痛が緩和でき、病気が治る可能性だってあるのです。」
特定行為など昨今の自分達が担う領域の拡大に注力し続けている看護協会の方はこの記事をどのような気持ちで読むのでしょう?
自分もこの川嶋先生さんがおっしゃられているように、看護の本質とは「人が人をケアすること」にあると確信しています。そして現在の医療ではそれが最も提供可能な現場が在宅医療だとも・・・・だから当院の訪問看護師さんには医療行為や知識はもちろん重要ですが、それ以上に「安楽に過ごすためにケアでできること」を追求してもらいたいと心から思います。
個人的には看護師の特定行為の実施に関しては社会的にやむを得ない状況かと思います。また看護師が特定行為をするメリットもあるのも事実です。
ただし、ただしですよ・・その大前提としてやっぱり上記のような看護師としての原点のマインドをもった看護師であること、が大前提かなと思います。医療と看護の両者にまたがった知識や技術などのバックグラウンドを持ち、あくまで患者さんのためにできる最適なことは何かを考えら実施できる、それが未来の看護師像だとは思います。ケアが必要ならてあーてを、医療が必要なら医療の提供を・・・・そんな看護師さんが増えたらいいですし、当院はそんな看護師さんを在宅の現場で増やしたいと思って活動していますよ。
看護の原点とはなんでしょうか?変わりゆく時代の中でも本質は変わらないはずです。医師でもない、介護士でもない、看護の果たすべき役割とは何か、皆さんはどう考えますか?人が人をケアすることの意味、改めて考えてみませんか?
当院はそんなケアのマインドをもつ看護師さんを募集しています。一緒に札幌の地域や在宅の現場で働きませんか?まずは見学から!お待ちしています。
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