公開日:2022年12月15日

東北の現状は数週間前の札幌をデジャヴュですね。~コロナ患者受け入れ病院 院長らが会見「一般医療がひっ迫」~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

NHKニュースさんから盛岡などの地域の医療機関からの窮状についての記事を見つけましたのでご紹介します。

コロナ患者受け入れ病院 院長らが会見「一般医療がひっ迫」

「新型コロナウイルスの入院患者を受け入れている、盛岡市や周辺の4つの医療機関の院長が13日、緊急の会見を開き、医療従事者の欠勤や院内クラスターの発生などで「一般医療がかなりひっ迫し予定していた手術なども行えていない」と厳しい状況を訴えました。

盛岡市や滝沢市など8市町からなる「盛岡医療圏」で新型コロナの入院患者を受け入れている岩手医科大学附属病院、県立中央病院、盛岡赤十字病院、盛岡市立病院の院長は、13日県庁で緊急の記者会見を開きました。

この中で、岩手医科大学附属病院の小笠原邦昭病院長は、先週から院内の3つの病棟でクラスターが発生し、新型コロナの患者を集中治療室に入れるため現在、病院では重症の患者を除くすべての入院と手術を停止していることを明らかにしました。

また県立中央病院の宮田剛院長は、連日40人前後の医療従事者が新型コロナに感染するなどして出勤停止となり、さらに患者の転院先でもクラスターが発生して退院の調整ができず病院機能が低下していると指摘しました。

そのうえで、これまで優先的に治療してきた“がん”についても緊急性のない検査や手術が行えなくなっていると明らかにしました。

このほか、盛岡赤十字病院と盛岡市立病院でも医療従事者の欠勤や病棟の制限などにより、一般医療への影響が深刻になってきているということです。

岩手医科大学附属病院の小笠原病院長は「患者には大変、迷惑をかけているが医療現場の現状を理解してほしい。医療従事者への中傷もやめてほしい。のどが痛む場合は会社を休むなど他人に感染させないことを意識して行動してほしい」と呼びかけました。」

 

病院では易感染状態の患者さん、感染が契機となって重症化する患者さんが多数いることから、現在の一般社会の状況より感染対策を高いレベルで行わなければいけないかと思います。そうなると一番問題になるのはスタッフの問題・・・

医療に限らずどの職場でも一人、二人欠けるとその分周囲の人の負担が増え通常業務が回らなくなると思いますが、比較的規模が大きい病院では10人~100人単位で現在休職者がでています。社会全体で感染者が増加すると、スタッフの感染リスクも高くなるので休職者の問題は避けようがない問題です。

加えて医療は専門職の業務を他職種がカバーするのが難しい、という独特の問題もあります。看護師が医師の業務はできませんし、リハスタッフが看護師の仕事はできません!!そうなると病院機能はどうなるかというと、例えば病院の各職種の対応能力が

医師:95

看護師:60

介護士:80

リハビリ:85

事務:80

だけ残っていたとすると、病院機能、運営としては各職種の平均の80程度の力をだせるか?と聞かれるとそうではないんですよね・・・・・

やはり病院全体の機能としては一番ボトルネックになっている看護師の60前後くらいの力(実際1割~2割増しの力で頑張ってくれるので65~70くらいでしょうが)で運営せざるをえない、というのが実際で、これが数年続いているのが現在の状況です。

 

 

これを現状すぐに改善させる方法は一つだけあるのですが、それは院内クラスターを許容すること、しかありません。感染リスクのあるスタッフもリスクを許容し早々に復職させること・・・(スタッフの問題は2類→5類にしたとしても解決はあり得ないんですよね。)

しかし院内クラスターを許容するということはどういうことか?それは感染して重症化してしまう高齢者や免疫抑制状態にある患者さんなどを全て切り捨てる、という選択をとることになると思います。むろん重症化予防のため、症状改善のための薬は今はありますが、医療の現場で働いている人なら理解できますが、コロナウイルスに罹患した人が亡くなったり、もしくはサバイブしたとしても元のフィジカルレベルまで戻れないことは多々あります。どうなるかは一種の賭け、になります。

そういう選択をしますか?と医療者が言われれば絶対したくないと考えますし、やれと言われても受け入れるのは難しいでしょう。皆さんもそのような患者自身であったり家族であったりして逆の立場なら”命の選択”を受け入れますか?院内感染しても仕方ない、しょうがなかったと思ってください、と思えますか?無理じゃないですか?

 

となるとやっぱり社会全体で感染をコントロールしていくのに努力をする、という行為はやはり意味があるのではないかと自分は思いますよ。医療ひっ迫は医療者が自作自演で作り出しているのではなく、患者さんを守るために必要なことをしているからならざるを得ないのです。

皆さんも自分達でできる範囲で構いませんので感染対策への協力をお願いします。それは回りまわって自分の家族や友人を助けることに必ずなると思いますので!(札幌ではそろそろインフルが流行しそうな兆しもありますので気をつけて!!)

 

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