公開日:2022年11月27日

アゴラの医療系記事のレベルは・・・これを公開、載せていいレベルなのでしょうか?

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

アゴラというプラットフォームでコロナ禍での医療に関しての記事を見つけましたので一応ご紹介します。が、内容はちょっと短絡的、というか稚拙で、このレベルでもプラットフォームで意見公開していいんだ・・・と思うような内容でした。

日本は医療逼迫していたのか? 波ごとに重症者減・死者増

簡単に記事の内容をまとめると

①医療ひっ迫は呼吸器やECMO、ICU利用者などの重症者の数がピークになったときにおこるはず。

②日本の重症者数の最大値は、2021年9月ごろの約3千人で、ICU相当の総数の2割にも達しなかった→医療ひっ迫は起こるはずもない

③ではなぜ医療ひっ迫がおこったのか?原因は

A)他県に患者を移送したり、逆に医療従事者を移動させたりという機動性?が日本では全くなかったから

B)重症で無くても重症病床に入れさえすれば補助金が貰えるシステムなので医療機関が補助金目当てで診療しているから

④なので医療ひっ迫は医療側が演出しているだけ。特別なことをしなければ医療ひっ迫は起きなかった

 

うーん、この主張は自分の言いたいことのために数字を利用しているだけ、としか自分には思えません。

本当に医療ひっぱくの原因を考えるならば、自分なら以下のように考えます。

 

①中~小規模の医療機関が乱立している状況であり医療資源、特に人的資源の集約化ができていないのが日本の現状(ただこれは平時ではコスト面でも効率的な医療を提供するのに最適な状況であった)

②この状況でコロナ中等症(重症ではなく)の入院患者を一定数診療するのは中規模の病院にとってかなりの負担感となる。というか診療すればスタッフの離職などの病院経営に際し深刻な状況になってしまうので診療したくてもできない!

③結果として中規模の急性期、亜急性期の病院のキャパが早々にMaxになり、そのために上位の医療機関である特定機能病院などの救急病院が患者を転院できない状況

④病床が満杯になり結局は救急を受けるべき役割の病院が救急を受け入れられなくなり医療ひっ迫の状態が起きる

 

確かにこの中に中規模の病院でも記事にある通り補助金目当てで診療していた病院も一定数いたでしょう。ただ実際の現場の状況とコロナ病床の補助金のその後の修正案を見て頂ければわかると思いますが、ただただ軽症者をコロナ病床につっこんでおけばいい、なんて考えて運用している所はかなり限定的かなと・・・

ということで今井の見解としては、医療ひっ迫の原因はこの筆者がいうように補助金や医療者の機動性(そもそも民間の医療機関主体の日本で医療者の機動性って言われても・・・)のなさによる医療側の状況が作り出した人為的なもの、というよりは、平時に低コストで効率的に医療を提供するのに適した現行の医療提供体制が、有事のコロナ禍に対して機能不全に陥った、それが医療ひっ迫となって表面化した、そう解釈しています。

 

 

自分の言いたい意見をいうために現実を利用するのはよくないですね。自分の見たい現実、見たくない現実、両者をきちんと見た上で意見は述べるべきかなと思います。皆さんのご意見はいかがでしょうか?よければ押してくださいね。

 

現在の求人に関して

入職祝い金制度導入しました。是非直接応募ください→こちらをどうぞ!

人事部立ち上げました!!一緒にやってくれる方まだまだ募集しています!→こちらをどうぞ!

法人運営をしてみたい事務の方募集しています→こちらをどうぞ!

クリニックの事務長やってみたい方募集中→こちらをどうぞ!

医師の診療同行をしてくれる診療アシスタント募集しています→こちらをどうぞ!

札幌で在宅医療、在宅緩和ケアなどの訪問看護、地域密着型の外来看護をしたい看護師さん募集しています。診療所、訪問看護ステーション、看護小規模多機能など全事業所で募集中!→こちらをどうぞ!

医療事務さん募集中!→こちらをどうぞ!

MSWさん募集中!→こちらをどうぞ!

当院について

2022年上半期、それ以前の当院の診療実績→こちらをどうぞ!

現在の目標は2024年に病院を開設すること!一緒に病院つくりませんか?→こちらをどうぞ!

南区の分院、さっぽろみなみホームケアクリニックについて

さっぽろみなみホームケアクリニックでも訪問看護ステーション始めました。南区で訪問看護したい看護師さん募集中→こちらをどうぞ!

当院及びさっぽろみなみホームケアクリニックでは常勤医、非常勤医を募集しています→こちらをどうぞ!