公開日:2021年09月23日

「コロナ・レジリエント」を目指す各国の出口戦略

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

一時期はゼロコロナなどという言葉もよく聞かれましたが、ワクチンの有効性の限界なども明らかになりつつある現状を鑑みると、ウイルスとの共存を考えながら医療、経済を回していくことが各国のメイン政策になりそうですね。

以下それらをまとめた資料見つけましたので興味ある方は是非一読してみてください。まとまっていてとても面白い文章と感じましたよ。

野村総合研究所さんから

「コロナ・レジリエント」を目指す各国の出口戦略

概要のみ抜粋させて頂きますね。

「現在報告されているデルタ株の感染力を考慮すると、ワクチン接種のみではいわゆる「集団免疫」の実現は非常に難しい。そのため、従来それぞれに異なる新型コロナウイルス対策を採っていた国々の多くは、徐々に影響の長期化を前提とした方針転換を行ない、そして何れの国の対策も「ウイルスとの共存」を目指す同じような対策に収斂しつつある。
方針転換した国々では、①ワクチン接種の更なる促進、②医療体制の整備・充実、③ほどほどの行動制限、の3本柱の対策を採用しているケースが多い。これらは日本政府が掲げる「コロナ対策の3つの柱(医療体制確保、感染防止対策、ワクチン接種)」と概ね同様な対策である。
これらの国々では、この様な方針転換を行うに際して、まずは「コロナの影響をコントロールしながら社会経済を正常化する」事の明確な意思決定を首相などの政府首脳レベルで行い、その上で具体策の検討を専門家や政府関係機関に指示している例が多い。例えば、シンガポールは長期間のロックダウンや厳格な入国規制などの「ゼロ・コロナ」戦略を採り続けてきたが、8月29日にリー首相は「コロナ・レジリエント」(コロナと共存し、コロナに打ち克つ)な社会への移行を宣言した。
日本の感染状況も、これらの国々と同様に出口議論が可能なレベルになりつつあると言える。その際、出口戦略の最終的なゴールを国民に明確にすべきである。具体的には、(A)第1段階 「経済社会活動を可能な限り維持をしていくための対策」、(B)第2段階 「インフルエンザ並みに対応できる耐久力の高い社会」(コロナ・レジリエント社会)の実現、の2段階での取り組みを出口戦略として考慮すべきである。その際、現在使用しているワクチンの有効性を大きく低下させる新たな変異株が現れた場合など、状況変化に応じて適宜戦略の見直しなどを行えるような仕組みも併せて検討すべきである。
接種率を高める事は、新型コロナウイルスへの感染者や重症者を減らし、医療体制のひっ迫を軽減する事で、社会経済活動の正常化に大きく貢献する。それと同時に、各個人にとっては新型コロナウイルスへの感染可能性を軽減すると共に、仮に感染したとしても入院や重症化等の可能性をも大きく軽減する事に繋がる。そのために、改めてのワクチン接種の呼びかけを政府は行うべきである。」

 

日本の現状の医療提供体制はあくまで平時の際に120%の力をだすように設計された制度なので、このような非日常への対応を国をあげて全面的に行うためにはある程度の時間がかかるのはやむを得ないかと個人的には思っています。またコロナレジリエンスを目指す中で日常の医療にもある程度制限がかからざるをえないと思いますが、どこまで許容すべきなのか、今後国民全員での議論は必要なのでしょう。皆さんはコロナレジリエンスと医療提供体制、どうなると予想しますか??

 

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