公開日:2020年06月17日

ポスト新型コロナの医療提供体制~4つの課題とかかりつけ医について~

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医@今井です。

 

ポストコロナ、アフターコロナの医療提供体制がどうなるのか、どうすべきなのか、医療、介護者はもちろんですが当たり前ですが患者さん自身もどうなるか非常に興味のある課題だと思います。さてそんなポストコロナの社会保障の問題、何を重点的に解決すべきかについての資料がありました。短くまとまっていていい文章ですので是非一読ください。

東京財団政策研究所より

<新型コロナ問題と税・社会保障>その5:ポスト新型コロナの医療提供体制

アフターコロナの社会保障に対して4点のポイントを挙げられています。

1. 治療偏重の是正

2. かかりつけ医の制度的な裏付け整備

3. 過剰資本の回避

4. 新薬開発を促す薬価政策

この中で個人的に2番の項目は特に気になったポイントですので、ここだけ本文を引用させて頂きたいと思います。(気になる部分は赤文字としています)

「2つめは、「かかりつけ医」の普及が求められながら、制度的な裏付けが未整備なことである。自治体から住民に向けられた広報誌などにも、継続的な発熱など新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合、かかりつけ医がいる人はかかりつけ医に、いない人は自治体の相談窓口に連絡せよと記載されている。もっとも、わが国の医療保険制度は、病気やケガをしてはじめて医療機関を受診する疾病保険の形をとっているため、慢性疾患を抱えている人や妊婦でもない限り、日頃の医療機関とのコンタクトは限られるし、患者側が日常的接触のある医師をかかりつけ医だと思っていても、医師の側にその認識があるとは限らない。そもそも保険制度上では疾病保険でありながらかかりつけ医の普及を目指すのは矛盾も含んでいる。

こうした状況を根本的に改めるには、まず、健康状態良好な潜在的患者も含め、患者と医師との間で、事前にかかりつけ医である旨の合意をしておく必要がある。かかりつけ医を決めるのに際しては、医師に関する情報、例えば、いざとなればその医師がどのような病院と連携しており、入院が可能なのかなど基礎的な情報が必要である。いったん、かかりつけ医を決め、自らの健診結果、既往歴、服薬履歴、家族状況、勤務状況などの情報を集約しておけば、何か相談するにしても話が早い。

医師は、現行の出来高払いの報酬制度のもとでは、潜在的患者が健康を維持し、来院しないことには売上が立たないから、潜在的患者とも年間契約のような形でフィーが得られるよう報酬制度を改めておく必要がある。以上を、医療政策の用語に当てはめれば、登録医制、人頭払いということになり、そうした医師像は、家庭医、総合診療医などとも呼ばれる。今、健康な人がいかにしてかかりつけ医を持つか、制度的な裏付けを整備していくことが不可欠である。」

 

 

今までもブログの中で何度か書いたような気がしますが、個人的にはこれからのかかりつけ医に求められる要素は

①総合的な外来診療

②在宅医療、介護の実践、他職種連携の主軸

③外来及び在宅での緩和ケア

④MSWや看護師などによる社会的処方の実践

などになると思います。

診療報酬ももっとシンプルで一人いくらのほうが医師にも患者にもわかりやすいですし、事務作業ももっと単純化されるはずです。この文章で述べられているかかりつけ医制度の普及、自分は強く支持しますが皆さんはどう考えますか?本文一度読んでみてくださいね~

 

 

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