プロフェッショナルとしての訪問看護師とはどうあるべきか?
こんにちは、札幌の在宅医@今井です。
最近ですが訪問看護業務にもう5年~10年従事しているという看護師さん、話を聞くとちらほらいるようになってきました。在宅の分野で活躍する看護師さんが増えるのはいいことですね。中には「訪問看護のスペシャリストになりたいです」という看護師さんも出てきていますし、この人の流れがいい具合に在宅医療の分野を活発化させる方向にすすめばいいなと個人的には考えています。
さてそんな中ですが訪問看護師の皆さんは「訪問看護師のプロフェッショナリズム」とは何かを考えたことはありますか?自分はこれまで多くの事業所や訪問看護師さんを見てきましたが、訪問看護のスペシャリストであっても訪問看護のプロ、といえる人はほんの数人しかいなかったと思っています。
というかそもそもプロフェッショナルとは何か?という定義ですが、古典的ですが自分は以下のヒポクラテスの誓いがやっぱり一番わかりやすい定義なんじゃないかなと思いますよ。
↓以下医療者の(訪問看護師の)プロフェッショナルとなるべき規範
①医の実践を許された私は全生涯を人道に捧げる
②恩師に尊敬と感謝を捧げる
③良心と威厳を持って医を実践する
④患者の健康と生命を第一とする
⑤患者の秘密を厳守する
⑥医業の名誉と尊い伝統を保持する
⑦同僚は兄弟と見なし、人種、宗教、国籍、社会的地位のいかんによって患者を差別しない
⑧人間の生命を受胎のはじめより至上のものとして尊ぶ
⑨いかなる強圧に遭うとも、人道に反した目的のために、我が知識を悪用しない
ということでこの定義を鑑みたうえで訪問看護師のプロフェッショナリズムとは何かを考えると、一番在宅医療の現場の中で実践していくことが難しいのが④の「患者の健康と生命を第一とする」ではないでしょうか?
多くの訪問看護ステーションやサ高住、特養などでは提供するサービス自体が事業所都合となることが多く、本当の意味での患者さんのためになっているサービスがどれだけあるのか、はかなり微妙なところです。場合によっては会社の利益だけを求める訪問看護、となっていることもあり、そのような看護を提供していていいの?と感じることも提供者自身が感じることがあるでしょう。
自分はプロフェッショナルな訪問看護師であれば、かりに事業所の業務命令が患者さん自身の利益に反していると思うようであれば、少しでも改善できるように最善の努力を現場で尽くしていくべきだしそうすべきだと思っています。ただ悲しいかな、現場では事業所命令=絶対的に正しいもの、と考える看護師さんが多く、プロとしての自分の仕事は何なのか?を忘れてしまっていることが多く見受けられます。
あくまでも患者さんの利益を第一として、そのために既存の事業所で何ができるのか、自分が何をすべきなのか、そういう視線を常にもち仕事ができる訪問看護師さんが訪問看護のプロかなと個人的には思っています。多くの看護師さんがプロフェッショナルとして地域の患者さんのために活動できるようになればいいですね。
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