2040年から逆算して考える~地域はどう変化していくのか、公的資料を読む~

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

 

総務省のHPで公表されている7月31日開催された第32次地方制度調査会第3回総会の資料から、行政の未来に関する面白い文章を見つけました。2040 年頃から逆算し顕在化する地方行政の諸課題とその対応方策についての中間報告 というPDFです。

以下全資料28Pのうち最初の2枚のみ提示しますね。

自分は公開されている公的資料をきちんと読み込むことで将来の国の形、地域の在り方がかなり予測できるのではないかと常々思っていますが、この資料はその名の通り未来がどうなると国が考えているのか、よく理解できる資料となっています。是非医療関係者のみならず一般の人にも読んでほしいですね。

以下個人的に気になった部分をいくつか抜粋してみたいと思います。

(1) 人口構造の変化と課題
① 人口構造等の変化の見込み
我が国の人口は、2008 年以降減少局面に入っているが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2040 年頃にかけて、死亡数増と出生数減の傾向が継続することで、自然減が拡大し、人口減少は加速していく。人口減少の緩和には出生率の上昇が必要だが、仮に出生率が相当程度上昇しても、人口は減少していく。
年少人口(0~14 歳)は、1980 年代から減少し続け 2040 年には半数以下となる。生産年齢人口(15~64 歳)は、団塊ジュニア世代の高齢化に伴い、今後減少幅が増大する。
高齢者人口(65 歳以上)は、2040 年頃ピークを迎える。75 歳以上人口は、2025 年頃まで急速に増加し、その後の変化は緩やかになるが、介護需要が高まる 85 歳以上人口は、2040 年には 2015 年から倍増し 1,000 万人超となり、年少人口と同程度の規模となる。このように、我が国全体の人口構造は 2040 年頃にかけて大きく変容していく。2040 年以降も人口減少は進行するが、年齢構成はそれほど変化しなくなる。
総世帯数は人口減少の中でも増加し続けてきたが、2020 年代半ばに減少に転じる。他方、単身世帯、ひとり親世帯は増加し、特に 75 歳以上の単身世帯は 2040 年には 2015 年より約 175 万世帯増加し、約 1.5 倍となる。
多くの市町村では既に人口減少と高齢化が進行してきた。既に高齢者人口がピークを迎えている市町村もある。今後は、指定都市や県庁所在市のみならず、東京圏においても人口減少と高齢化が進む。人口が集中する三大都市圏では急速に高齢化が進み、三大都市圏の持続可能性が課題となる。
東京一極集中は我が国の課題となっているが、今後さらに人口の偏在が進む可能性がある。人口は、減少しながら、東京都特別区や地域ブロックの中心である大都市へ集中していくことが見込まれる。東京圏で生まれ育ち、地方に故郷を持たない人々が増加することで、地方への関心の希薄化が危惧される。
我が国の在留外国人数は、近年過去最高を更新し続けており、新たな外国人材受入れに向けた在留資格の創設等により増加することが見込まれる。
世界に眼を向けると、人口は増加を続け、2040 年には約 92 億人となる。東アジアでは少子高齢化が進むが、経済成長、都市化の進展により中間層の厚みが増す。世界全体の食料需要は 2050 年までに 2000 年比で約 1.6 倍に増大する。こうした状況において、高齢者向けサービスなど海外で拡大する市場への参入、農水産物の海外輸出やインバウンド需要の取り込みを推進する機会が訪れる。

② 人口の減少に伴う変化・課題
人口減少は、多くの分野で需要の減少要因となる。民間事業者の経営環境が厳しくなり、生活を支えるサービスを身近な生活圏で提供し続けることが困難となる場合がある。
また、高度な医療サービスなど一定の人口集積を必要とする高次の都市機能を維持していくことが困難となる場合がある。国内の食料需要も減少することが見込まれる。他方、経営環境の変化が、新たな事業の創出を促す可能性もある。
インフラについては、利用者の減少により、人口一人当たりの維持管理費が増加するおそれがある。公営企業においては、需要の減少に応じて費用が減少しなければ、料金改定等により収入を確保する必要が生じる。
③ 年少人口の減少に伴う変化・課題
年少人口の減少は、教育環境や子育て環境に大きな影響をもたらす。小中学校では、学校の小規模化が進むおそれがある。児童生徒数の減少により、きめ細やかな教育を実現する可能性が高まるが、小規模化の程度によっては、集団の中で多様な意見に触れながら学んだり、教員の専門性を生かした教育を受けたりすることが難しくなるおそれがある。また、多くの小中学校は地域のコミュニティの核としての性格も有しており、統廃合
は地域社会に影響を与え得る。高等学校においても、生徒数の減少に伴い統廃合が進むと、高等学校のない地域が増加するおそれがある。
高等教育については、大学進学率が上昇しても、大学進学者数は減少局面に入っていく。地方の小規模私立大学の経営環境が厳しくなっており、地方における高等教育の場が減少する可能性がある。高等教育機関の配置は、進学時の人口移動にも影響する。
一方、子育て環境については、出生数は減少していくものの、女性の就労が一層進むこと等により、保育サービスの需要が減少しない可能性がある。
④ 生産年齢人口の減少に伴う変化・課題
生産年齢人口の減少により、人手不足が全国的に深刻化するおそれがある。日常生活や事業のために必要な人材が公務・公務外を問わず各分野・各地域で確保できなくなり、生活を支えるサービスの供給や地域の経済活動の制約要因となるおそれがある。
中小企業では経営者の高齢化が進み、後継者の確保が課題となる。農業分野では基幹的農業従事者の高齢化が進み、その数が大幅に減少し、熟練農業者のノウハウが失われるおそれがある。他方、担い手への農地の集積が進む可能性がある。
維持管理・更新が必要なインフラが増加していく中、土木・建築分野の労働力は減少傾向にある。森林等の国土の保全に必要な人材の確保も課題となる。
⑤ 高齢者人口の増加に伴う変化・課題
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けていけるよう、医療・介護・住まい・公共交通・生活支援が地域で提供される環境の整備が課題となる。
高齢者はこれまでも増加してきたが、今後は、介護需要が高まる 85 歳以上の高齢者が増加する。また、単身高齢者世帯が増加する。特に、これまで高齢者の割合が少なかった三大都市圏では膨大な介護需要が急速に増加する見込みであり、労働力の供給制約が強まる中で、サービスの供給体制の構築がハード・ソフトの両面で課題となる。三大都市圏における介護の担い手不足は、地方圏からのさらなる人口移動をもたらすおそれがある。
医療分野では 2040 年頃にかけて、全体として患者数・利用者数は大きく変化しない。
しかしながら、地域により医療需要のピークの時期は異なる見込みである。また、寿命の延伸により慢性疾患や認知症の人の増加など、疾病構造が変化していく。そのため、医療需要の変化に応じた地域における病床の機能分化・連携や医療・介護の連携、健康づくりが課題となる。
医療・福祉分野の労働者は、2030 年には製造業と同水準にまで増加し、2040 年には製造業を上回り、労働者の5人に1人を占めることが見込まれる。生産年齢人口が減少する中で、他の分野の人材確保に影響を与えるおそれがある。
単身高齢者世帯は、地域のつながりが必ずしも強くない東京圏において特に増加する。生活に必要な家事・買い物・移動が困難となる高齢者の増加により、共助の役割を果たす地域コミュニティの形成の必要性が高まる。地域の住民組織の担い手の高齢化が進む中、次世代を担う人材確保・育成も課題となる。
また、今後高齢者となる世代の中には就職氷河期を経験し、不安定な就労状態やいわゆるひきこもりの状態にある人も多く、就労・社会参加への支援を含め、きめ細やかな対応が求められる。

他にも人口減と高齢化がどのように社会にインパクトを与えるのか、その中で今から何を準備していくかを2040年を基準に色々語られていますね。読み込むと将来の社会、地域が目の前に情景として浮かび上がってくるように感じられるのは自分だけでしょうか?

読んだ印象としては、社会状況の変化はこの先2040年まで多分今現在僕らがなんとなく予想している状況よりもかなり劇的に変化せざるを得ないように感じます。この変化、予測して行動しておかないとあっという間に変化に対応できずに取り残される、もしくは企業活動ができなくなる時代が来るのは間違いないですね・・・・

 

皆さんはこの資料を読んで何か感じることはありますか?またそれに備えていまから何を準備しておくべきだと感じますか?よければ教えてくださいね。

 

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