公開日:2018年07月10日

これから先の医師は3つの選択肢の中から働き方を考えるようになるはず。

こんにちは、札幌の在宅医@今井です。

医師の働き方は近い将来3つの選択肢の中から選ぶことになるのではないか、自分はそのように考えていますがいかがでしょうか?

まずは日経新聞の記事をお読みください。

新設医学部、時代に寄り添う 海外実習・奨学金手厚く

2016年、17年に2つの大学が相次いで新たに医学部を開設した。国は長年、医学部の新設を認めてこなかったが、11年の東日本大震災からの復興をめざし東北医科薬科大の新設を認めた。国際医療福祉大は国際的に活躍できる人材を育成する使命を負う。特色的な2つの医学部は日本の未来を変える起爆剤になるのか――。

「自然と積極的に英語を話せるようになった」。17年に国際医療福祉大の医学部1期生として入学した長谷川聖さん(32)は英語は苦手だったというが、同大学は1年生の後期から2年生までほぼ全ての授業が英語。6年次は4週間以上の海外での臨床実習が義務付けられ、約30の国・地域の提携施設で経験を積む。

「グローバルで活躍する医療人材」の育成をめざす同大学は英語での授業だけでなく、医学部の定員140人のうち、毎年20人を留学生枠として受け入れている。

その一人、ベトナム出身で1期生のダン・タン・フイさん(21)はホーチミン市医科薬科大からの特待生として来日した。「語学に戸惑いもあった」というが、「日本の高度な技術を学び、患者に寄り添える医師になりたい」と意気込む。

■詰め込み避ける

新設大学だからこそ、医療の学び方も大幅に変えた。国内の医学部の多くはまず一般教養を学び、次に基礎医学、そして患者に接する臨床実習の順で学ぶ。一方、同大学では最初から基礎医学と臨床の統合型講義で早期から臨床の視点を取り入れている。

「今までのカリキュラムだと、ただテストのために知識を詰め込みがちだった」という吉田素文医学科長。「実際の患者の症状と、自分が学ぶ知識の関連性が最初から分かれば、学生は当事者意識をもって学べる」と狙いを話す。

医学部の拠点となる成田キャンパス(千葉県成田市)には約5300平方メートルのシミュレーションセンターがあり、診察室や手術室、病室などを再現。大学内でシミュレーションを繰り返し、医療現場での臨床実習もスムーズに取り組める。

同大学の医学教育統括センター長、赤津晴子教授は「21世紀型の医療教育を行う点も特徴」と強調。「医療現場では、チームでの連携がますます重要になる。現場に出る前に失敗を繰り返して学び、優秀なチームプレーヤーとして巣立ってほしい」と期待を寄せる。

仙台駅から電車で約15分の仙台市宮城野区に真新しい建物が現れた。東北医科薬科大の3年生以上が過ごす福室キャンパスだ。16年に入学した1期生は3年生として眼下には穏やかな七北田川が広がる教室で医療を学んでいる。

■手厚い奨学金

11年3月11日、東日本大震災で東北地方は大きな被害を受けた。廃業に追い込まれる医師もおり、東北地方の医師不足は拍車がかかる中、医学部新設の機運が高まり、政府は復興へ向けた特例として東北医薬大の医学部新設を承認した。

そのため同大学は医師免許取得後も東北地方で働いてもらう取り組みを取り入れている。

その一つが手厚い奨学金制度だ。1学年の定員100人のうち半数を超える55人を対象とし、6年間で3千万円程度を免除する。自己負担額は約400万円となり、国立大とほぼ同水準となるが、医師免許取得後、8~10年間は東北地方で勤務することが条件だ。

私立大の医学部だと学費は高額だが、「幼い頃からへき地で働く医師に憧れていた」という3年生の中谷拓郎さん(22)が「奨学金制度が手厚く、金銭面の不安を取り除いてくれた」と同大学への入学動機を語る。

このほか同大学は「地域医療ネットワーク」を構築。同ネットワークに属する東北地方の病院の協力を得て、入学初期から滞在型の実習などを行う。医学部生の6年間を通して同じ病院を訪問し、関連施設などでも実習を重ね、学生時代から地域医療に身近に接し、理解を深めてもらう。

災害医療の教育にも力を入れる。例えば1年次には被災地を訪れて震災後の現状を実際に感じる機会を設けた。3年生の島田佳林さん(22)は「初めて被災地を見て、ショックを受けたと同時に、現状を何とかしなければという問題意識を抱いた」と振り返る。

同大学の福田寛医学部長は「東北の医療現場の問題点は震災が起きた7年前から変わっていない。復興に向けて人々が安心して暮らせるためには医師が不可欠。東北に定着する医師を育てていきたい」と地域の未来を支える医師の卵の育成に力を入れる。

■揺れ続ける国の施策 人手不足や偏在顕著に

医師数を増やすか、減らすか。政府の医師養成方針は戦後から今に至るまで模索が続く。40年近く凍結してきた医学部新設を相次いで認めた背景には、医師の高齢化による人手不足や都市部に医師が集中する偏在化の課題がある。

高度経済成長期には、国民皆保険制度や年金増額で医療機関の利用者が増えた。73年には各都道府県に1つ以上の医学部を設けるよう促す「1県1医大構想」を閣議決定し、全国各地で新学部を次々と新設し、定員を大幅に増やした。

「将来的に医師が過剰になる」との日本医師会などの声を受け、国が削減策へとかじを切ったのは82年。2003年には文部科学省が医学部の新設を禁止する告示を出した。

2000年代に入り、医療現場から医師不足や地域医療の崩壊が指摘され、08年度から医学部の定員を増やす政策に転じた。ただ今回のような医学部新設について、文部科学省の担当者は「あくまで特例であり、凍結状態は変わらない」という。

 

 

 

対照的な二つの大学が取り上げられていますがこれがよく近未来の医師の仕事内容を表していると思います。

すなわちこれから先、医師として選ぶべき3つの働き方というのは

①海外の人を対象とした医療のインバウンド需要に貢献するために医療ツーリズムメインで働く、もしくは積極的に海外に日本の医療を普及するために働く医師

②国内の特定、急性期病院で高度医療を提供する専門的な働きをする医師

③総合診療医としてコミュニティベースで働き社会福祉の第一線で働く医師

この3択になるのではないかと考えています。

 

この記事になる国際医療福祉大学が目指しているのが①のための医師の養成、東北医科薬科大学が目指しているのが主に③(②も)の医師の養成であるのは明白ですね。

AIの発展、ブロックチェーンによるPHRの管理、遠隔診療などなど・・・医師の働き方は大きく変わるでしょうが基本的にはこの3択の枠組みは大きく変わらないはずです。

 

皆さんはプロフェッショナルとしてどの道を選択するでしょうか?

国際的に働きたいのか、地域のために働きたいのか、それとも専門特化した技能を追求したいのか・・・自分がどのようなステージで働きたいのかを20代、30代の医師は意識して研修なりキャリアアップなりをしていかなければいけませんね。

 

国の政策を踏まえた上でキャリアを選択していく。これからの医師には状況を判断した上で自分の進むべき道を選択する力ももとめられてくるでしょう。

皆さんは何か考えはありますか?よければ教えてくださいね。

 

 

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