在宅復帰する患者が増えない理由は在宅医側にある、と心から感じた瞬間
こんにちは、基本的には医療者の集まりや会合が好きではない札幌の在宅医@今井です。
本日開催された札幌在宅医療協議会と札幌ホスピス緩和ケア連絡会の合同研修会に一応参加してきました。自分は南区のクリニックお願いしますと伝える以外は空気で構わないと思っていたので思うことはあってもあんまり発言はしませんでしたが、その中で「あぁ、こんなことしていたら患者さんは在宅に帰ってこないな、在宅復帰する患者さんが増えない理由って実は病院側ではなくて在宅医側にあったんだな」って感じた瞬間がありましたので少し話してみたいと思います。
それは会がある程度進んだ20時過ぎの時でした。とある病院のMSWさんから「心不全チームのカンファレンスによく参加しているんですが、患者さんが自宅に帰れるどうかって先生とよく議論になります。結果は先生が<難しいだろうね>って言うとやっぱり中々在宅には帰れないんです。ハンプやノルアドなど使用しながらの患者さんの在宅復帰ってどうしたらいいんでしょうか?」というような質問がありました。
その時に在宅医側からの返答は以下のような内容でした。
「まずは在宅医に相談してみてはどうだろうか?」
「心不全は病院でつくられるもので、在宅ではならないから大丈夫」
「どんな患者さんでも自宅に帰れない患者はいない」
・・・・皆さんはこの返事をみてどう感じますか?
自分は
こんな漠然とした内容では、病院で医療チームと患者さん家族の間に挟まれながらぎりぎりの退院調整をするMSWさんにとってはひとかけらの支援、助言にもならない
のではないかって感じました。そりゃ在宅復帰する患者さんも増えないわ・・・・・
MSWさんにとってはハンプをどうするのか、ノルアド継続できるのか、管理する看護の体制はどうできるのか?介護体制を構築するコツは?そもそもどうやって病院の医師を説得したらいいの?ってもっともっと聞きたかったんだと思います。
<退院支援??→まずは在宅医に聞けばいくらでも答えてやるぜ!!>ってこの短絡的な思考はもうやめませんか?在宅医側にとってこれからしなければならないことは「退院支援を本気で考えているMSWさんをどうやって支援していけるか」ってことではないでしょうか?
MSWさんに在宅の知識を、経験を、情報を伝え医療チームを説得できるくらいのスキルを習得してもらう、在宅医にはこれからは何でも相談にのるぜっていう受け身のスタンスよりそんな情報提供、発信を行っていく積極的な姿勢がなにより必要なのではないでしょうか?皆さんはどう思いますか??
ということで自分は強く病院のMSWさんへの支援が必要と今回改めて認識しました。このブログで今後定期的にMSWさん向け実践的な在宅への退院支援の方法、って題名で諸々書いていきたいと思います。
MSWの皆さん、絶対臨床で役に立つこと書きますからもう少し待っていてくださいね~!!
現在医師募集中→こちらをどうぞ!
外来や訪問看護、地域で活動したい看護師さんも→こちらをどうぞ!