公開日:2017年06月06日

がん拠点病院の機能

午前は比較的ゆっくりした診療でした・・・

 

こんにちは、第68回のがん対策推進会議の資料をみなさん読んだでしょうか?(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000166754.html)その中で資料3の基本計画案の中から在宅医療や緩和ケアに関係のありそうな部分のみピックアップしてみたいと思います。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000166752.pdf より

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と、こんな感じでピックアップしてみました。興味のある方は是非時間そんなにかからないので全文読んでみてもいいでしょうね。

 

細かな内容については置いておいて、自分がこの文章をよんで一番最初に感じた印象は(こんなこと書いてもいいのかどうか・・・)、この文章で書いてあるようながん拠点病院の緩和ケアや機能の充実っていうことが必ずしも地域における緩和ケアの質の向上にはつながらない、ってことがやっぱりこの委員会の人はわかっていないんだなってことを再認識しました。基本的に根治不可能ながん患者さんの治療と質の高い緩和ケアを早期からがん拠点病院のみで行っていくことは不可能だと思います。これは拠点病院さんの診療が悪いとかそういう意味ではないです。体制上やはり質の高い、生活を支える緩和ケアって地域で活動している訪問看護師さんや診療所の医師が中心となってやった方が絶対患者さんにとってメリットが多いのに・・・・と考えますが皆さんはどう考えますか?

国は拠点病院の機能の向上=波及的に地域の医療の向上につながる、と考えているようですが、自分は正直この考えは甘いと思います。満足な地域包括ケアシステムの構築は、このシステムの延長線上では何十年たっても無理ではないかと思います。在宅や地域での早期の緩和ケアを行うのであれば①地域で外来も24時間往診もする、生活する患者さんにとって本当の意味でのアクセスのいい医療機関を評価し増やすように注力すること②拠点病院は治療に特化し根治不可能ながん患者さんについては早期からこれらの地域の診療所とタッグを組み診療していくシステムを構築すること、この2点が大事ではないかと個人的には思っています。

 

がん拠点病院の機能を充実させることではなく、逆にがん拠点病院の機能を制限すること、そして地域の医療資源へと積極的につないでいく意識をもってもらうこと、これが自分には将来的に地域で生きる人達に本当の意味での役に立つシステムをつくることができるのではないかと思いますが皆さんはどう考えますか?

 

・・・・・現在は拠点病院の機能をどう充実させるかって考えている人、議論が多いと思いますが本当にそれがいいことなんでしょうか?と疑問を投げかけて本日のブログ更新は終了です・・・・・