悪貨が良貨を駆逐する~カンタキの場合

ぼーっとしている間に1日が終わってしまいそうです・・・・

 

こんにちは、前回ホサナファミリークリニックの一木先生のところに看護小規模多機能(カンタキ)の話を聞きに行ったのですが、その後も自分で色々カンタキの事について調べていました。とある本を読むと<カンタキ開設には補助金を有効活用した方がよい>って書いてあったので自分でも気になって調べてみました。

以下調べた資料です

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ということでこの資料を読み込むと・・・・なになに、カンタキの助成で建築費など最大3200万もでる?ってなんですかーってびっくりしました。

という訳ですぐにこの基金の担当である北海道へ問い合わせしたところ”札幌以外の市では申請がされているんですが札幌市はこの基金の申請、カンタキではしていないんですよー”とのこと・・・・・・・聞くとこの基金の財源はは国が2/3、道が1/3とのことで札幌市が申請しない理由があまり見当たりません。道の担当者の方も”できれば有効活用してほしいんですが札幌市がいらないっていうものをこちらが押し付けるわけにもいきませんもんね”と・・・

早速札幌市の介護保険課に確認したところ”札幌市ではカンタキは数としては充足していますのでこの助成金の申請はしませんでした”とのこと・・・・おいおい、自分は実情を知っていますが札幌市での現状のカンタキって高齢者住宅に付随しているなんちゃってカンタキがほとんどじゃないですか?このなんちゃってカンタキ、高齢者施設に付随して週1回程度の訪問介護と週1~2回のデイくらいしか提供していないことが多く、本当の意味での在宅の居宅の患者さんのために動いているところ、寡聞にして自分は知りません。

まさしく札幌では営利企業が多くカンタキとして活動しているために、本当の在宅医療のバックアップのために始めようかと思っているカンタキが札幌ではハードルが高くなっています!!悪貨が良貨を駆逐するとはまさしくこのことかと感じてしまいました・・・・全国の他の地域ではカンタキへのこの国の助成使えるのになぜ札幌だけ・・・・・正直3200万もいらないけれどその1/3でも助成してもらえたらと考えてしまった今日この頃でした。札幌市は本当に実情をみて知っているのでしょうか?まぁ知るわけないですよね。数字だけみていたらカンタキは十分にあると思ってしまいますから・・・脱力を感じた今日この頃でした・・・

 

さて本日はこちらのニュースの紹介です。ちょびっと古いですがせっかくなので在宅医療をとりまく補助金に関して現状どうなっているのかの記事です。上に自分が書いたこととからめて考えてみてください。

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/PPP/040600057/040600001/

“蚊帳の外”ではなくなった介護、基金活用事例も多数

【総論】ICTを活用した地域医療連携システムの主眼が変わる

増田 克善=日経デジタルヘルス【2017.4.20】

自治体や郡市区医師会などによる在宅医療と介護の連携構築が急速に進んでいる。背景には、在宅復帰を促す国の医療政策の下、財政面での支援策が手厚く設けられてきたことがある。連携を深め、地域での存在感を発揮するためにも、医療機関や介護事業者はこうした補助金や交付金を活用しない手はない。

国の支援策の一つが、2015年度の介護保険制度改正で地域支援事業(包括的支援事業)の一環として位置づけられた、「在宅医療・介護連携推進事業」だ。

本事業は、(1)地域の医療・介護の資源の把握、(2)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討、(3)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進、(4)医療・介護関係者の情報共有の支援、(5)在宅医療・介護連携に関する相談支援、(6)医療・介護関係者の研修、(7)地域住民への自普及啓発、(8)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携──の8項目からなり、2018年4月までに全国の市町村での実施を求めている。地域支援事業交付金によって市区町村が地域の医師会などとともに取り組むほか、事業の一部を医師会や医療機関に委託して実施している。

また、2014年度に創設された「地域医療介護総合確保基金」も在宅医療・介護連携構築に活用されている。上記の在宅医療・介護連携推進事業のうち、(4)の「情報共有の支援」に関しては、地域支援事業交付金の対象事業として情報共有シートや連絡帳、地域連携パスの整備などがある一方で、地域医療介護総合確保基金の活用対象としてICT技術を用いた医療・介護情報共有システムの整備があるなど、両面からの支援によって、在宅医療・介護連携が進められている。

各地で新たな連携システムが誕生

 

従来、ICTを活用した地域医療連携システムといえば、病院、診療所、薬局などの診療情報共有システムが主流で、どちらかと言えば介護は“蚊帳の外”に置かれていた。しかしここに来て、在宅医療を担う医療機関と介護事業者との連携を主眼に置くシステムが基金を活用して全国各地に生まれている(表1)。

表1●地域医療介護総合確保基金を活用した主な在宅医療・介護連携ネットワーク整備事業(都道府県計画より抜粋)
[画像のクリックで拡大表示]

 

例えば、2014年度の基金事業では、東京都が46地区医師会を実施主体としてICTネットワークの構築を核とする在宅療養推進基盤整備事業を実施。総事業費約4億9500万円(全て基金充当)で2017年度末までに整備する。また、愛知県は69市区町村に在宅医療連携システムを整備する事業を、総事業費約4億4600万円(うち基金充当額約3億3400万円)で2018年度末まで実施している。

ICTを活用した各連携システムの整備事業は、2014 年度の都道府県計画(基金事業計画)によれば全国で約160億円規模で、そのうち約72億6000万円が基金から投じられている。単年計画の整備事業もあるが、多くは2015年度末あるいは16年度末までの継続事業として実施された。2015年度および2016年度もほぼ同じ規模の金額がICTを活用した連携システムの整備に充てられているとみられる。

 

在宅医療・介護連携システムのニーズは増している。在宅医療の担い手やそれを支える介護事業者が増えているのに加え、地域で複数の開業医が連携して在宅患者を診るケースも出てきた。さらに、在宅療養支援病院など在宅医療を後方支援する病院が整備され、これらの病院内に連携の事務局機能を設けるなど、地域単位の連携を築きやすい土壌も生まれている。

また従来は、情報共有システムの普及を阻害する問題の一つとして、情報共有システムと自施設が運用する診療記録・介護記録への二重入力の煩雑さがあった。現在、一部地域の情報共有システムでは、入力したデータを自施設の記録に簡単に移行できたり、保険請求に用いる帳票類を作成できるものもあり、業務効率化のメリットも得られる。

一方、医療機関や介護事業者がこうしたネットワークに参加する際は、将来、基金などによる財政補助がなくなった際に利用料や保守費用を誰が負担するのか、ネットワーク参加によるメリットがコストに見合うのかといったことにも考えを巡らせたい。前述した在宅医療・介護連携推進事業の8項目を自治体が確実に実施しているなど、在宅医療・介護の連携構築に前向きであれば、将来的にもシステム維持のための予算が配分される可能性が高いが、そうでない場合、「基金ありきのシステム」として自治体から見捨てられる恐れもある。

次回からは、3地域の在宅医療・介護連携推進事業の進捗状況と、基金を活用して構築した在宅医療・介護連携ネットワークについて紹介していく。

 

 

 

在宅医療なんでもQ&A~質問もOKです

今日は通常通りの診療ですが忙しい1日ですね・・・・・

 

こんにちは、今日は在宅医療に関しての理解を深めてもらうため、在宅医療なんでもQ&Aをやってみたいと思います。

Q1 在宅医療の基礎となる職種はなんでしょうか?

A1 もちろん当たり前ですが訪問看護師です。医療と生活面での支援を両方みれる看護師が在宅医療の基礎となります。訪問看護のない訪問診療は片手落ちの状態と考えてもらってもいいかもしれません。ただ訪問看護師さんも医療と生活の両方をみれるようになるためには少なくとも2,3年はかかるんじゃないかと思います。

Q2 訪問看護を導入するタイミングは?

A2 一概には言えないので難しいですが導入のタイミングは何かイベントが起こった場合に医師から強く勧めてもらうのが一番いいのではないでしょうか。たとえば患者さんが入院し在宅復帰する場合や、在宅で肺炎となりようやく完治したけれど状態が不安定な場合などタイミングを逃すと患者さん家族はいらないと思ってしまいがちです。導入のためには、事前に訪問看護が必要な人をアセスメントし、タイミングを逃さず提案してあげる機会を虎視眈々とうかがっておくことがケアマネや病院のSWさんには求められます。

Q3 訪問診療にかかる費用は医療保険の費用以外にあるでしょうか?

A3 あります。介護保険を持っている人であれば居宅療養管理指導費(1割負担で月600円くらい)がかかることが多いです。がケースにより算定しない場合もあります。それ以外に知られていないですが交通費が請求される場合もあります。交通費はとるクリニックととらないクリニックがありますがとるところでは1回200円くらいってところもあるし距離によって決めているところもあります。または夜間休日はタクシー代実費というところもあります。これはクリニック毎に違うので確認が必要です。あとは日常で使用する物品でしょうか。これもクリニックごとに規定があるはずなのでオーバーした分は自己負担で購入としているところもあると思います。

Q4 訪問診療医の質はどこをみたらいいでしょうか?

A4 一つの指標は在宅での看取りをしているかしていないか、ということになるのではないでしょうか。人数の問題ではありません。(多く看取っていればいいクリニック、という訳では必ずしもありません)ただ在宅専門のクリニックであっても在宅看取りを全くしていないクリニックもありますので、できればそのようなクリニックに診療を依頼する時にはしっかりと事前に情報を確認した方がいいでしょう。でも訪問診療を頼む一番いいクリニックは自宅の近くのクリニックもしくは自宅の近くに先生が住んでいるクリニックに頼むことだと思います。

Q5 在宅での家族の看取りのハードルは高いのでしょうか

A5 個人的にはそうは思いません。在宅でできること、病院でできること、きちんと医療面と生活面を判断できる状態であれば多くの人が在宅を選ぶのではないでしょうか。ここで一番重要なのはきちんと本人と家族が残された時間で何を優先したいか、ということを考えてもらうことではないかと思います。医療者としてはできることは患者さんと家族に「自宅で最後まで過ごせますよ」と不安な気持ちをバックアップしてあげること・・・・独居であろうが老々介護であろうがきちんと在宅医療者が一緒になってどうしたら自宅で過ごせるのかを考えてあげることで結構問題は解決するような気がします。

Q6 食事のことですごい悩みます。嚥下や形態について誰に相談したらいいですか?

A6 これはまずは診療に入っている在宅医もしくは訪問看護師に聞いてください。経験のある人であれば患者さんの状態を考えて2つ3つ解決策を考えてくれるのではないでしょうか。それを試してもだめであれば一般的には訪問歯科での嚥下評価→訓練、もしくは嚥下外来での評価→ST導入となる場合が多いと思います。食事のことは毎日のことなので逆に言えば在宅医療者は患者さんに相談される前に必ず家族や本人に聞かなければいけないでしょう

Q7 電話って夜中でも必ずすぐにでるんですか?

A7 答えは・・・・やっぱり難しい場合は現実的にはありますね。自分が難しかった時って風呂に入っている場合、他の人と電話している場合、シビアな対応をしているとき、などすぐにでれないことはあることはあります。(あと今までで一番びっくりしたのは枕元の携帯、横に寝ていた子供が自分が寝た後遊んで電源落としていたことありました・・・・)基本的にそんなことないように努力していますがどうしてもでれなくても必ずあとでコールバックは来るはずです・・・・・

Q8 ケアマネさんを選ぶ時に気を付けることはありますか?

A8 ケアマネさん選びに関しては実際かなり難しいです。一つ言えるのは自分の所の関連事業のみ入れるヘルパーさんは辞めた方がいいと思います。あとむやみにショウタキの利用を進めるショウタキ付きのケアマネさんも選ぶのであればその必要性を吟味して選ぶ必要があるでしょう。(いい加減地域包括からなんでもかんでもショウタキへの振りは辞めてほしいですね・・・)一番いいのはやはり古臭いですが口コミですね。訪問看護を頼むつもりならそのステーションの看護師さんとかに2,3事業所を聞いてみるのもいいかと思います。

Q9 ・・・・・・・・・・

そろそろアイデアが枯渇してきました・・・・・何か聞きたいことある方いましたら気軽にコメントしてくださいね。

 

さて本日の記事はこちら、破綻した街と言われている夕張の街づくりPRビデオです。財政破綻、極端な少子高齢化と、ある意味これからの日本の未来を先取りしている夕張。その街づくりはどこを目指していて、そしてどうなっていくのか、それを知ることって絶対今を生きる日本人としては大事なことではないかと個人的に感じています。このPRビデオ、いい出来ですので是非皆さんもみてください。皆さんは何か感じますか?


明日の暑さどうなるでしょうかね・・・・・

見学、またはスタッフさんと話をして個人的に感じたこと

東京は暑いですねー、道民の自分はとても住むことはできないでしょう・・・・

 

こんにちは、今日は朝の7時30分の飛行機で千歳発。羽田に着いた後、その後色々乗り換えて11時頃にはめぐみ会の本部がある多摩センターに到着致しました。

駅でめぐみ会の関連会社であるベストケア東京の代表の八木さん、法人本部の野城さん、柳原さんらに迎えに来て頂き、クリニックまで歩きながら早速色々お聞きしていました。。クリニック到着後見学受け入れて頂きありがとうございますとの挨拶もそこそこに、一気にこちらが聞きたかった事を怒涛のように質問していきました。

以下自分が実際に聞いた質問内容の一部です。

 

  1. 法人運営のスタッフの人数は?
  2. その役割分担はどうしているのか?面白い運用のTIPSは?
  3. 医療事務の体制は各クリニックでどうなっているのか、外来運営の方法
  4. 売り上げ管理はどうしているのか
  5. 医師の勤務形態は?雇用条件などどうしているのか?成果報酬としているがその計算はどうしているのか
  6. 人材紹介会社の運営スタッフの人数と実際どの程度クリニックに医師を紹介しているのか
  7. 理事会の運営の方法とその内容
  8. 理事長先生の仕事内容は?

 

などなど・・・・・ここにあげた以外にもあるのですが、上記のような質問を忌憚なく八木さんらにご質問させて頂きました。おおむねこちらが知りたかったことを隠すことなく率直に教えてくれました!!

その後は南大沢のクリニックに移動し外来診療の一部をさらに見学させて頂き解散となっています。

ちなみにお土産に田村先生の本頂ましたのでこれから読む予定です↓

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まとめとして、見学、またはスタッフさんと話をして個人的に感じたことは、当院は在宅医療から出発したクリニック、めぐみ会さんは外来から出発したクリニックとスタート地点と時期の違いはありますが、根本的には地域におけるクリニックの機能はどうあるべきか、という考えにおいては非常に自分の考えと近い考えで活動されているんだなと改めて確認できました。出発地点が違えば(在宅か外来か)細かな運用や考え方の差異はでてくると思いますが秋から開始する外来にむけて貴重な経験をすることができました。めぐみ会の皆様、本当にありがとうございました。特に野城さんや柳原さんは昼飯も食べずに相手してくれて本当に感謝しております。札幌に来られたら是非歓迎しますので声かけてくださいねー。(あと留守を守ってくれている診療所のスタッフのみなさんにも感謝感謝です)

 

さて現在羽田で飛行機の離陸待ちです・・・・明日から気持ち新たに診療頑張っていきたいと思います。

 

クリニック見学の目的

今日は暑い1日になりそうですね・・・・・

 

こんにちは、今日は東京の医療法人めぐみ会さんのクリニック見学の日です。

↓久しぶりの札幌駅

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前回札駅に来たときは同じく英クリニックさんの見学の時でした。ひとまず車内で座席確保できましたので一息つきたいと思います。

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さて今回のクリニック見学ですが自分の目的は大きく2つあります。ひとつは法人運営の実際やTIPSをお聞きし可能な限り教えてもらうこと(都合いいですね)、もう一つは外来診療と在宅診療をどのようにミックスして運用しているか確認すること、です。

もっと細かく言えば、医師のリクルートの方法から採用面での検討事項、マネジメントで気をつけること、法人運営スタッフの教育、また実臨床に関して言えば事務員さんの看護師さんや事務員さんにどのように効果的に仕事をしてもらっているのか、などなど他にも色々あるのですが(事前に項目にしたのですが30項目以上あります)書いたらきりがありませんね。今日の帰りにはまた報告できたらと思っていますので楽しみにしていてください。

 

 

 

一番の今の心配は無事に多摩に着くことができるかどうかなんですが、七崎君たのみますよー・・・・・東京の道がわからないからちょびっと不安です・・・・

 

 

明日はクリニック見学にでかけます

札幌は今日も雨です、運動会皆さん延期になったでしょうね・・・・

 

こんにちは、週末はたまった書類を片付ける絶好の時間です。土日は自宅で子供達の相手をしながら書類整理を行っていました。あとは明日診療所にでなくてもいいようにレセプトの準備・・・・って明日休むんですか?って聞かれれそうですね。そうです、明日は自分は診療お休み(他の先生には診療通常通りお願いしています)にしてクリニック見学にでかけます。

明日見学に行く診療所はここです 医療法人社団 めぐみ会 http://www.megumikai.com/

↓HPの抜粋です めぐみ

実は6年前に開業したときからずっとめぐみ会さんには注目して早く見学に行きたいと考えていました。一番はやはり法人としての医療や働き方に関する考え方、またはその運用などが、自分が考えるクリニックでできる医療の理想に近い形で実現できているのではないかと考えていたからです。さらに今回4月に新宿の英先生のクリニックに見学に伺ってから、やはりどんどん外の世界に出ていき色んな特色のクリニックをたくさん自分の目でみることは、最終的には札幌の住民の人に質の高い医療を提供できる体制づくりに必ず役に立つなと実感できたこともあります。

ということで明日は東京に朝1の7時30の飛行機で出発です、日帰りの強行軍ですが今から楽しみです!!

さて本日気になる医療ニュースはこちら、最近混合介護っていう言葉、よくきくと思いますがそれに対しての忌憚のない意見です。

介護分野で営利企業が混合介護解禁となったときにどんなことがおきるのか・・・・現状であればこれまで以上に介護保険が企業のために利用され訪問看護などが入る隙がなくなっていくのではないでしょうか?個人的には混合介護をすすめるのであれば訪問看護の制度の変更も同時に検討してほしいと思いますが皆さんはどう考えますか?

 

 

SYNODOSより http://synodos.jp/welfare/19723

2017.05.17 Wed

「混合介護」の弾力化で何が変わるのか?――社会保障の理念から考える

社会保障論、結城康博氏インタビュー

「混合介護の弾力化」は、社会保障の理念に反する

介護保険サービスと保険外サービスを柔軟に組み合わせる「混合介護」の早期実現をもとめ、内閣府の規制改革推進会議が意見書を提出した。混合介護が柔軟に提供されるようになれば、自費サービスの多様化や、介護士の賃金アップが期待できるなどの意見がある。一方で、「低所得者に良質なサービスが行き届かなくなる」「悪質な業者によって、判断能力が乏しい高齢者が過度な負担を強いられる」など、懸念する声も少なくない。考えられるメリットと問題点とは何なのか、淑徳大学教授・結城康博氏に解説していただいた。(構成/大谷佳名)

混合介護とは?

――そもそも、「混合介護」とはどのようなものなのでしょうか。

まず、現在の介護保険制度では、医療保険と違って、保険内と保険外の組み合わせは認められています。しかし、条件がありますので、その組み合わせは、しっかりと両者の利用が区分けしている場合に限られます。

例えば、同じヘルパーが、保険内サービスと保険外サービスをした場合、前半1時間(保険内)と後半1時間(保険外)を、しっかり分けて提供するという混合介護です。ですから、今、議論されている議論は、「混合介護の弾力化」というのが正式名称で、その条件を緩やかにする規制改革が議論されています。

――なぜ今、混合介護の弾力化に踏み切ることになったのでしょうか。

目的は、大きく3つあります。

1つ目は、保険内サービスはかなり制約があるので、その制約を補う意味で、保険外サービスとの組み合わせの条件を緩和(規制改革)させ、利用者(家族や高齢者)が、少し負担を強いられても融通が利く介護サービスを利用できるようにすることにあります。

例えば、保険内のヘルパーサービスでは、高齢者のご飯は作れますが、ついでに同居家族の食事は作れません。洗濯等も同じです。また、リビングなどの共有スペースの掃除もだめです。混合介護の弾力化によって、余分に、少し自費を払えば、保険内サービスのついでにこれら認められていないサービスを保険外サービスとの組み合わせでOKにするということです。

2つ目は、ヘルパー等の収入源の確保です。現在の大部分のヘルパーの収入は、保険料や税金が主になっている介護報酬です。しかし、財政が厳しく、介護報酬を引き上げ収入を高くすることは難しい状況です。そのため、保険外サービスの部分を拡充して、多くの人に自費によるサービス利用を促すことで、新たな介護報酬以外の収入がヘルパーらに入り、賃金の改善が見込めるということです。

従来のように、保険内・外の組み合わせに厳しい条件があれば、あまり保険外サービスを利用する人はいません。しかし、その組み合わせが緩和されれば、全額自費の利用と比べで、多少、保険内サービスの組み合わせで、安く保険外サービスが利用できます。

例えば、デイサービス(通所介護)の場合、送迎は、保険内サービスです。しかし、送迎途中に、スーパーで野菜等の簡単な買い物に、15分程度立ち寄ってほしいという高齢者いるかもしれません(独り暮らしは、自分ではたいへん)。この送迎において立ち寄ることは、保険内では認められていません。しかし、15分立ち寄る部分を保険外(例えば、送迎者の介助付きで1000円)との組み合わせがOKになれば(今は保険外でもだめ)、わざわざタクシーで買いものに行かなくても、高齢者はメリットがあるかもしれません。また、デイサービス事業者も、新たな収入が、自費により1000円入ることになり、その分をヘルパーに還元できます。

また、高齢者が、お気に入りのヘルパーに毎回来てもらいたい場合もあります(慣れているし、気が合う)。そのときに、例えば指名料を一回ごとに1000円支払い、かつ、そのヘルパーがすべて来てもらえる保険内・外サービスの組み合わせが許されれば、指名されたヘルパーは、日頃の熱心な仕事が高齢者から評価され、指名料という形で賃金がアップ(自費部分)します。現在、指名料は保険内サービスでは、禁止されています。

3つ目は、既述のように保険財政も厳しく、多様化する高齢者のニーズを保険内サービスで応えることは難しいので、保険内・外の組み合わせを緩和させて、利用の幅を拡充することです。それによって、利用者は便利になると考えられています。

――混合介護が始まると、介護保険の対象ではない自費のサービスには、どんなバリエーションが生まれてくるでしょうか。

既述の外に、デイサービスのマッサージ、在宅ヘルパーの時間指定(夕食時間帯は、要望者が多いので追加料金がかかるなど)、同じく在宅ヘルパーにおける犬の散歩、植木の水やり・簡単な草むしりや雪かき、その他の保険内で認められていない日常的な事柄などが考えられます。

混合介護のメリット・デメリット

――そもそも、なぜこれまでの混合介護には規制がかけられていたのでしょうか。

お金がある人とない人とで不平等が生じ、社会保障(税や保険料)の所得再分配に反するからです。全額自費のサービスか、保険内・外の区分けがしっかりできる利用形態であれば、社会保障部分を利用していない部分が明確になるので、貧富の差に関係なくとも市場経済の論理から、それは許されます。しかし、部分的に社会保障を利用している「混合介護の弾力化」を許せば、所得再分配に反することになります。

――改めて、混合介護の弾力化のメリットとデメリットを教えてください。

メリットは、多少、お金が払える人は、利用形態が拡充するので、便利な介護保険サービスになる可能性があります。また、家族もその恩恵にあずかります。介護市場においても、保険内市場の他に、規制が緩和されて完全市場の部分が拡がり、経済学的にも介護業界の経済成長が見込める可能性があります。それによって事業所の利潤も増えて、介護士の賃金も上がる可能性がある。

デメリットは、余計な保険給付が増える可能性があります。判断能力が乏しい高齢者(単身や軽い認知症)は、供給側の勧めでサービスを購入し、同時に保険給付も付随する。現在、全額自費であるため負担が高いので、判断能力が乏しい高齢者でも拒否しますが、部分的に保険内サービスが使えれば、少し負担が安くなるので、利用回数や無駄なサービス利用が増えると考えられます。

保険外サービスを売り込むために、保険内サービスを作為的に調整して誘導する、ということはすでに行われていますが、それをさらに悪化させる事態になりかねません。すると、保険給付費の膨張に拍車がかかるばかりでなく、軽度者を中心に給付を縮小していく今の流れを加速させることにつながります。保険内サービスの範囲がどんどん限られていく、ということも考えられます。

そして、質の高いサービスは小金持ちの高齢者に優先され、低所得者は質の低い介護保険サービスしか利用できなくなる、という恐れもあります。例えば、指名料が在宅ヘルパーの保険内サービスで認められれば、限りのある優秀な在宅ヘルパーは小金持ちの利用者に優先され、質の低いヘルパーは指名料が支払えない低所得者に集中してしまう。社会保障サービスの不平等性が明らかになるのです。

――結城さんは、混合介護の規制を取り外して拡大化させようという今回の案に対しては、どうお考えですか。

私は、今申し上げた論理から反対です。規制を続け、あくまで保険内サービスと保険外サービスは明確に分けていくべきです。

介護保険制度は、あくまで社会保険制度の1つであり、「公平」「平等」という理念が重要視されます。そのため、「混合介護の弾力化」が促進されれば、所得再分配といった社会保険の理念が崩れてしまいます。

利用者の利便性の向上、介護士の賃金アップなど場当たり的なメリットを掲げ、社会保障制度の理念を軽視するような「混合介護の弾力化」は、中長期的に考えれば、高齢者間の格差を助長し、無駄な給付費を生む危険性をはらんでいます。介護保険制度の根幹を揺るがす安易な「混合介護の弾力化」は、きわめて問題と考えます。

――「ケアマネージャーがきちんとチェックを行えば問題を軽減できる」という意見もありますが、いかがでしょうか。

確かに、ケアマネジャーがしっかりチェックすれば問題はないとした考えもあります。しかし、現在のケアマネジャーは事業所に雇われているケースが大半で、サービス提供者側に近い関係があります。そのため、すでに現在の保険内サービスであっても、法律に反しない限り、ケアマネジャーが用意したプランによって「供給が需要を生む」といった現象が部分的に生じています。しかも、ケアマネジャーの技術力も個人によって差があり、必ずしも質が高いとは限りません。そのため、競争原理の問題点を克服できる専門職としてケマネジャーに託すことは、一部を除いて非常に危険だと思います。

介護士の賃金アップにつながるのか?

――介護士の賃金向上につながるという賛成側の意見もありますが。

一部の介護士だけで、普遍的ではありません。特に都市部に限られるでしょう。地方の小規模な事業所では低所得の利用者も多く、保険外のサービスを多く利用するとは考えられない。よって、人手不足を軽減する効果もあまり期待できないと思います。

むしろ、利用者や家族のいいなりの介護士が増えてしまう懸念もあります。介護保険がかなり金儲け主義になり、利用者のご都合主義的になることは、高齢者の自立支援の妨げにもなります。高齢者や家族からの要望が、必ずしも本人のためになるとは限らないのです。保険内サービスは、ケアマネジャーが、自立支援の視点からサービスを組み合わせ、利用者の感覚ニーズ(フェルトニーズ)を、リアルニーズ(自立支援に向けたニーズ)にしてサービスを展開しています。しかし、自費サービス(保険外サービス)を部分的に規制緩和させることで、感覚ニーズが拡充してしまう懸念があるわけです。

――介護士の処遇や人手不足の改善策として、どのような方法が考えられますか。

公費を投入して、準公務員的な発想で、介護士に対して賃金補助していくべきです。その財源は、「介護離職ゼロのために働く労働者を助ける」という視点から、労働政策で考えてもいいのではないでしょうか。例えば一部、雇用保険料の再引き上げをする、などの方法が考えられると思います。

 

 

本文中赤文字は今井が勝手につけました。この点への危惧、在宅に関わる医療者は共有している思いではないでしょうか?せめて介護保険内から訪問看護を医療保険へ移すことによって在宅での医療面に関してはある程度の質の担保ができるようになるのではないかと思うのですが・・・・・・どうでしょうかね

 

在宅医療者にとって自宅状況の確認の意義とは

今日は朝からお看取りで始まる1日でした・・・・・

 

こんにちは、訪問看護もそうだとは思いますが在宅医療者として訪問診療を行っていると本当に色んな患者さんの実情、生活をみることができます。たとえば患者さんが住んでいるご自宅ひとつとってもそうです。路地裏の道を抜けて行った先にある家、冬は玄関まで敷地を雪かきしないといけない家、銭函の海沿いの家、またはた高層マンションの一番上の階の自宅とかっていうのもありますし6階建てだけれどエレベーターがなく歩いて登らないといけない家、山の中腹にある景色のきれいな家・・・・・・この仕事をするようになって色々病院では見ることができない、または入ることができないご自宅に入ることができました。

↓ちなみに全く関係ないですが自宅の横の家、今解体中で3男が珍しそうに眺めてました。(工事車両が好きなんです・・・)

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さてそんな患者さん宅を訪問する時、在宅医療者としてはどんな場所に注意してご自宅を観察するべきでしょうか。これって退院支援の時の自宅チェックの時も同じだと思うんですが、自分でなんとなーく考えている点を列挙してみたいと思います。

在宅医療者からみた患者さん宅のチェック項目

①外観チェック:結構あるんですがしっかりと周囲の家との確認しておかないと夜中に呼ばれた時に意外と暗くてわからなくなったりすることあるんです。

②電気メーター:特に独居の人の時はそうですが不在なのか倒れているのか判断迷うときはメーターも一つの情報としてみますので一応チェックすることもあります。必須ではありません。

③室内の動線:当たり前ですがバリアフリーのご自宅は個人宅ではほぼないです。どこに段差があって転倒のリスクがあるのか、ADLをみつつそこらへんを見極めます。必要ならべスポジやタッチアップなどの福祉用具のアドバイスや歩行器の使用をお勧めすることがあります。

④トイレ:必須です。一人でできる人ならできるのか、介護が必要ならワークスペースがあるのか等の確認ですね。

⑤食事の場所:食事の場所って居間じゃないことも結構あるんです。どこでどのようにいつ食事をとっているのかを確認することでその人が何を考えているのか、何を大事にしているのか、結構わかることあるんです。

⑥睡眠場所:⑤と同じです。食事や睡眠はその人の嗜好が表現されていると自分は考えています。場所を確認するというよりは⑤や⑥ではそれを確認することによりその人への理解を深めるために行うことが意図ですね。

⑦プライベートスペース:誰にも入ってほしくない場所があるようならそれも一応ご家族等から確認します。これも⑥のところに書いたような意図と同じですかね。

 

大まかにばらっと書きましたがこんな感じでしょうか。繰り返し書きますが在宅医療者にとって自宅状況の確認の意義とは、単に安全性の確認のみにあらず、その人や家族の生き方、人生への考え方への理解を深めるためにとっても大事なことなのです。意識してやっていない人いましたら次からは意識するようにしてみてください。だいぶ患者さんの住居や患者さん自身への見方、理解が変わること間違いないですよ。

 

っていうことで空き時間を利用しての更新でした・・・・これから病院でカンファ参加してきまーす。

 

クリニック建築の定例会

毎日時間がない状態です・・・・・

こんにちは、今日は定期の診療後クリニック建築の定例会に参加してきました。つい先日まで何もなかったところが既にこんな感じになってきています。

↓入口再度から奥にかけての写真
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↓おそらく左側に見えるこの道が診察室やCT室を分ける通路の部分となるでしょう。右側は待合や診察室予定です。(ってもわからないですよねー)

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↓逆に奥側から入り口側をみた写真です。

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まあ自分の写真ではあんまり、というか全く状況は皆さんわからないかと思います。すみませんね。でもとにかく準備が徐々に進むのはみていてとても興味深いです。来週の打ち合わせで再度どうなっているのかみるのを楽しみに1週間頑張っていきたいと思います。

 

さて本日ですが・・・・夜に会合があるため書く時間なくなってしまいました・・・・うーん、明日こそきちんと書きたいと思います。

在宅医同士の交流

今日は急遽話題変更です

 

こんにちは、今日は<患者さん、在宅医療者にとって望まれる退院支援とは何か?>って題で色々書こうと思っていたのですが、書き始めたらとんでもない分量になりそうな予感です・・・・このお題、しばらくとっておきたいと思います。

というわけで今日は今井の診療以外の活動の報告です。今日は夕方から西区の坂本先生の診療所に伺いました。

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内容としては7月18日に市立病院で行われる病院スタッフ向けの在宅医療の講演会、坂本先生と自分に依頼がきたのですが、どのような構成でやったらいいですかねーと坂本先生に相談に伺った次第です。

坂本先生から全体の構想とこんな点でやったらいいんじゃないかっていう点アドバイス頂いたので早速それに沿った題名やら内容清書して市立病院の担当の方に連絡する予定です。おそらく内容としては、札幌の在宅医療の現状についての総論を坂本先生に行って頂き、自分は市立病院から紹介された患者さんの具体的な症例検討などをしていくつもりです。それに加え急性期病院と在宅医療の連携の在り方、望まれる退院支援とは?、今後のお互いの課題なども盛り込んで話しようかなと現段階では考えています。

 

 

その後はホサナファミリークリニックの一木先生の所にお伺いしました。個人的に気になっていた看護小規模多機能の施設について、一木先生が既に構想から事業に着手、今年中の開設を予定されているとのことをブログで発見、早速コンタクトをとりお話を聞かせて頂きました。

事業の予想、人員について考えていること、理想的な場所でてきてくれたけれどそれまでずっと探し続けていたこと、こんな感じのカンタキになったらいいなって考えていることなどなど、本当に話をお聞きして得ることが多かったです。

クリニックで話を聞いた後は実際に診療所兼カンタキ予定の場所と物件の見学もさせて頂きました。

↓物件の玄関前での一木先生の写真です。

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物件の写真はあえて撮りませんでした。まだ改装中ってこともありますし、何より自分達が感じた驚き(いい意味での)を是非見学にきた方にも味わってほしいからです!!中はまだ手を加えている途中でしたが、自分には十分に完成した空間が目に浮かんできました。居間でくつろいでスタッフと楽しく過ごしている利用者さんの姿もイメージすることができ本当に完成が楽しみです。一木先生色々お話聞かせて頂き本当にありがとうございました。

 

こんな感じで本日は同じ在宅医の先生の診療所2か所お伺いしています。どんどん診療所同士、在宅医同士の交流も加速させて質の高い医療や生活支援サービスを札幌の皆さんに還元していきたいですね。当院に興味があればだれでも見学や訪問など受け付けていますので気軽にご連絡くださいねー。もちろん坂本先生や一木先生が自分にしてくれたように、できるだけオープンなスタンスで自分のわかることをお伝えしたいと思います。

 

というわけで今日はこの辺でいったん終了です・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーキ頂きました

今日はマスク装着での診療でした・・・・

 

こんにちは、体調不良も一日休んでようやくある程度は改善、今日は体にムチを打ちつつ診療していました。午前の診療が終わり診療所に帰ってみると・・・・・えぇ、職員さん達から誕生日祝いのケーキを頂きました!!(実は今日が自分の誕生日だったんです)頂いたケーキ・・・・みたことないケーキでびっくりでした。

↓↓↓こちらです

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まあ人相がどうかは置いておいて最近のケーキってこんなことまでできるんですねー、正直最初見たときは目を疑いましたがよくよく考えるとこれってすっごい面白いですね。他の人の誕生日、もっと刺激的なケーキ作ってみたいなと思いましたがこれって自分だけでしょうか。

リハビリの○藤君、SWの○崎君にはメッセージも兼ねてこんな感じの写真つかってもいいかも知れません。

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二人ともワイルドな父親になって子育て頑張ってくださいね(もちろん子供背負って仕事OKですので)・・・・

 

さて本日ですが時間もないので簡単に更新です。介護の費用についてメディウォッチからの記事です。すぐそこの出来事ですが以外と知られていません。是非目を通しておいてください、在宅医療者にとっては必須の知識かと思っています。

高額介護サービス費を2017年8月から引上げるが、新たな年間自己負担上限を設置―厚労省 http://www.medwatch.jp/?p=13797

今年(2017年)8月から、介護保険サービスを利用した場合の歴月1か月の利用者負担上限額(高額介護サービス費)について、「世帯員のだれかが市町村民税を負担している」世帯では、これまでの月額3万7200から「月額4万4400円」に引き上げられる—。

厚生労働省は19日に、各都道府県の介護保険担当者に宛てて、このような内容を介護保険の被保険者や介護事業所に周知するよう求める事務連絡「高額介護(予防)サービス費の見直しにおける運用について」を発出しました。

新たな年間自己負担上限、対象世帯が限定されている点には留意

昨年(2016年)、社会保障審議会・介護保険部会では、介護保険制度の見直しに向けた議論を行い、▼地域包括ケアシステムの深化・推進▼介護保険制度の持続可能性の確保―の2本を柱とする意見を取りまとめました(関連記事はこちら)。政府はこの意見を踏まえ、▼新たな介護保険施設(介護医療院)の新設▼一定の高所得者に対する3割負担の導入▼自立支援に積極的に取り組む自治体への新たな交付金の創設▼介護保険事業(支援)計画におけるPDCAサイクルの推進▼若人の負担する介護支援金における総報酬割の段階的導入―などを柱とする介護保険法改正案(地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案)を国会に提出しています(関連記事はこちらこちら)。

こうした法改正事項とは別に、政令改正で対応できる見直し案の1つに「高額介護サービス費の見直し」があげられます。介護保険を利用する場合、利用者は世帯の所得に応じて1-2割(改正法成立後は3割)の一部負担(利用者負担)を行います。不適切かつ過度な利用を避けることが利用者負担の主な狙いですが、利用者負担が大きくなりすぎれば、適切な利用も阻害してしまいます。そこで、「暦月1か月当たりの利用者負担について一定の上限を設け、超過分は保険給付される」という高額介護サービス費制度が導入されているのです。

今般の見直しでは、医療保険制度に照らして「適切な上限額」を設定することとし、「世帯員のだれかが市町村民税を負担している」世帯(第4段階)について、これまでの月額3万7200から「月額4万4400円」に引き上げられることになりました。今年(2017年)8月からの引き上げとなります。

高額介護サービス費見直しの概要。赤枠の「世帯員のだれかが市区町村民税を課税されている」世帯では、月額の上限が4万4400円に引き上げられる。ただし急激な負担増を避けるために、新たな年額自己負担上限(従前の3万7200×12=44万6400円)が設定される
高額介護サービス費見直しの概要。赤枠の「世帯員のだれかが市区町村民税を課税されている」世帯では、月額の上限が4万4400円に引き上げられる。ただし急激な負担増を避けるために、新たな年額自己負担上限(従前の3万7200×12=44万6400円)が設定される

もっとも、急激な負担増を避けるために、新たに「自己負担額の年間(前年の8月1日から7月31日までの間)の合計額について、44万6400円(従前の月額上限3万7200円×12か月分)の負担上限額を設定する」ことになっています(3年間の時限措置)。

 

ここで新たな年間上限の対象が「介護保険利用者以外も含めた世帯員すべてが1割負担」である世帯となっている点にはご留意ください。世帯内の被保険者(利用者ではない被保険者も含む)でも、2割負担者(合計所得金額160万円以上、年金収入のみであれば280万円以上)がいる世帯、現行の第5段階(現役並み所得のある世帯)については新たな年間上限の対象外となります。

また、基準日に第3段階(世帯員全員が市区町村民税非課税など)以下であるものの、計算期間中に第4段階(世帯員のだれかが市町村民税を負担している)の期間がある場合などは、例外的に年間自己負担額が44万6400円を超えてしまうことがあります。厚労省は、「こうした場合に、より負担能力の低い世帯に年間上限の対象としないことはバランスを欠く」として、基準日に第3段階以下である世帯についても新たな年間上限の対象とすることにしています。

新たな年間自己負担上限(44万6400円)の対象となるか否かの基準
新たな年間自己負担上限(44万6400円)の対象となるか否かの基準

 

月額自己負担が4万4400円となり、年間自己負担上限の対象となるかどうかの具体例
月額自己負担が4万4400円となり、年間自己負担上限の対象となるかどうかの具体例

 

病み上がりだと内容も今一つです・・・・明日からは充実した感じにしたいと思いますがすごい忙しそうですのでどうなるか・・・