公開日:2026年06月30日

小さな後回しが、組織を腐らせる<モルヒネやフェンタニルの廃棄怠りロッカーなどに隠した疑い、元薬局長を書類送検…捏造書類も提出か>

こんにちは、札幌のかかりつけ医&在宅医&病棟医@今井です

今回は医療機関の管理体制について考えさせられるニュースが目に留まったので皆さんにシェアします。興味ある方は一読どうぞ。6月28日の読売新聞の記事です↓

モルヒネやフェンタニルの廃棄怠りロッカーなどに隠した疑い、元薬局長を書類送検…捏造書類も提出か

山形市の病院で、元薬局長兼管理薬剤師が医療用麻薬(モルヒネ・フェンタニルなど)を施錠した金庫ではなくロッカーや机の引き出しに隠していたとして書類送検されました。本来は県の担当者立ち会いで廃棄しなければならないのに数年にわたって廃棄を怠り、金庫に収まりきれなくなった分が院内各所に散逸。県への書類も捏造していたとのこと・・・・

経営側としてはやばすぎると思うのと同時に以下のように考えもしました。

「一人に任せきり」の怖さ

今回の件を読んで真っ先に感じたのは、「一人の担当者に任せきりになっていた」という構造の問題です。薬局長兼管理薬剤師——つまり管理する人と実務をする人が同一人物。チェックする人が自分自身では、問題があっても外から見えにくい。

廃棄を怠り続けて、金庫がいっぱいになって、隠して、書類を捏造して・・・・これが数年間誰にも気づかれなかった。

「まさか先生がそんなことをするわけない」という信頼が、むしろチェック機能を失わせてしまったのかもしれません。

在宅医療と麻薬管理

在宅医療においても、医療用麻薬は非常に身近なものですよね。

末期がんの患者さんへの疼痛管理で、モルヒネ、フェンタニルなどを処方することは日常的にあります。患者さんが亡くなった後の残薬の廃棄、使用記録の管理——これらは本当は厳格なルールに基づいて行わなければなりません。が、在宅の現場では・・・・

当法人でも麻薬の管理は薬局薬剤師さん含め複数人でチェックする体制を取っています。でも今回の事案を読んで、改めて「仕組みとして機能しているか」を定期的に確認する必要があると感じました。

(これを機に当法人でも管理フローを再確認しようと思っています)

「廃棄が面倒だから後回し」が積み重なると

今回の元薬局長、最初から悪意があったわけではないかもしれません。

県の担当者立ち会いが必要な廃棄手続き——これ、正直手間がかかります。「今日じゃなくてもいいか」「まだ少しだから」・・・・そういう小さな後回しが積み重なって、気がついたら収拾がつかなくなった可能性があります。

「面倒だから」「少量だから」「後でまとめて」——この感覚が、規則の形骸化の入口になる。在宅医療に限らず、どんな組織でも起きうることだと思います。

組織として大事なこと

ということで今回の事案から今井が学んだ教訓は以下2つ↓↓

〇「一人に任せきりにしない」こと。管理業務には必ず複数の目が入る仕組みが必要です。

〇「面倒な手続きほど、きちんと仕組み化する」こと。手間がかかるからこそ、ルーティンとして組み込んで習慣にする。面倒だと感じる業務こそ、属人化させてはいけない。

当法人の業務の中にも意識して組み込んでいければなと考えています。

麻薬の不正使用や横流しではなく、管理のずさんさが問題だったという意味で、今回は「性格の悪い事案」ではなかったのかもしれません。でもだからこそ、どの医療機関でも起きうる話として真剣に受け止める必要があると思っていますが皆さんのご意見はいかがでしょうか??

さて今日は朝から悲しい気持ち(日本×ブラジル)ですが頑張っていきましょう。今日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!!

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