医療事務の専門性はこれからどうなっていくのだろうか
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
先日とある開業コンサルの人と話をしているときに
「先日開業支援を手伝うことになったクリニックさん、大変でした」との話がありました。聞くと「最初は全く関わっていなかったんですが、開業1か月前に手伝ってくれてと言われてはいったんです。一番の問題は医事の募集が全くすすんでいなかったこと。正直その段階から頑張って対応したんですが力及ばずで・・・結局開業を1か月延ばしてもらいました」
っていう話でした。もちろん当該コンサルさんも開業を1か月遅くすることの意味はよく理解していたと思うのですが、それでも諸々の調整と募集に時間がかかったのでしょうね・・・
今井は市内の医療事務の専門学校の募集減も気になっています。少子化の影響もあるでしょうが、当然それだけじゃないですよね。ヒエラルキーの問題、賃金の問題、諸々ありますが、今日は医療事務さんの業務や専門性についてちょっとだけ書いてみたいと思います。
「医療事務」という仕事のイメージが変わってきた
医療事務といえば、受付での患者対応、レセプト(診療報酬請求)の作成、カルテ管理——これが長年のスタンダードなイメージでした。
でも正直に言うと、このうちのかなりの部分がAIや自動化に置き換えられていく可能性があります。
レセプト作成は電算化が進み、AIによる自動チェック・自動作成の精度も年々上がっています。受付も自動精算機や予約システムの普及で、人が担う部分が減ってきた。
「専門学校で医療事務を学んでも、就職してすぐにAIに仕事を取られるんじゃないか」という現場からの問いに対して、経営者側はどう答えるべきなんでしょうか?
今井は、医療事務の専門性が高まりチャンスが増えるハズと考えています
これはAIが医療事務を不要にするという話じゃないんですよね。
むしろ逆で、AIが単純作業を担うようになるからこそ、人間の医療事務に求められる専門性は「より高く・より複雑に」なっていくんじゃないかと思っています。
具体的にどういうことかというと・・・・
診療報酬の解釈と判断
レセプトの自動作成は進んでも、「この請求、本当に正しいか」「この加算、算定要件を満たしているか」の判断は人間にしかできない。特に在宅医療や複雑な加算体系(今井のクリニックでいえば在宅医療充実体制加算や別表8の2など)は、制度の理解なしに正しく運用できません。
患者・家族への対応
「保険の手続きをどうすればいいか」「高額療養費の申請は?」「介護保険と医療保険はどう違うの?」——こういった相談に個別に答えられる医療事務は、クリニックにとって本当に貴重な存在です。これはAIには代替しにくい。
多職種、経営層との橋渡し
在宅医療の現場では、医療事務が医師・看護師・ケアマネ・訪問看護の情報を整理して、チーム全体が動きやすい環境を作る役割を担うことがあります。
また経営の場面ではそれらの現場感覚を理解した上で有益な情報を経営層にフィードバックできる役割も果たすべきなんでしょう。
「手を動かす事務」から「医療、経営を支える専門職」へ
今井が思うのは、医療事務教育が「操作を覚える」から「制度を理解する、対人関係に特化する」へシフトしていく必要があるということです。
レセコンの操作方法を覚えることより、診療報酬制度の仕組みを理解すること。書類を作ることより、その書類が何のためにあるかを知ること。受付をこなすことより、患者・家族が何を不安に思っているかを察する力。
こういうことを学べる場所として、医療事務の専門教育が再定義されていくべきじゃないかなと感じています。
(当法人の医療事務スタッフにも、日々そういう視点を大事にしてほしいと思っています。請求業務をこなすだけじゃなく、患者さんや家族を「制度の側から支える専門職」として動いてほしいと伝えていますよ)
「AIに仕事を取られるから」じゃなくて、「AIと一緒に働ける、より高度な医療事務人材が必要だから」という方向に教育が変わっていけば・・・・医療事務の仕事は減るどころか、むしろ重要性が増していくと思います。
医療が複雑化し、診療報酬制度が年々複雑になっていく中で、「制度を理解して医療チームを支える医療事務」の需要は確実にあります。そういう人材を育てる場所が、これからの医療事務教育に求められていることじゃないかなと(^^♪
当法人の医療事務はそういう方向で人の育成をしていきたいと考えていますよ。当法人での医療事務業務に興味ある方、募集はたまにしていますのでまずは見学からいかがでしょうか?お待ちしています!
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