公開日:2026年06月17日

サツドラの研修不正問題から想う——薬局は「医療」なのか「ビジネス」なのか

こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です

昨日の記事で地場の薬局さんであるサツドラさん絡みの記事を見かけましたのでシェアします。6月16日のヤフーさんです。

北海道「サツドラ」研修不正 従業員500人超が不適切受講

「ドラッグストア北海道内大手の「サッポロドラッグストアー」の一部店舗で、一般用医薬品(市販薬)を販売できる「登録販売者」に義務付けられている研修の不適切な受講が発覚した問題で、別人に受講してもらっていたと回答した従業員が54人に上ったことが16日、判明した。サツドラホールティングス(札幌市)が公表した内部調査委員会の報告書で明らかになった。  報告書によると、従業員ら1855人を対象にアンケートを5月に実施したところ、2025年度の研修を「他の従業員に代理受講やテストの解答をしてもらった」と答えた従業員が54人いたほか、研修動画を十分に視聴しなかったり、組織内で解答を共有したりしていたとする回答者は514人と、全体の約3割に上った。【西本紗保美】」

 

クリニックや病院とは違いゆるゆるの処罰になるんでしょうが・・・

もちろんコンプライアンスの問題として批判されて当然です。でも今井が思うのは「この問題の背景にある構造的な問題」のこと。

薬局・ドラッグストアの「二面性」

薬局やドラッグストアは、医薬品を扱う「医療機関」的な側面を持ちながら、同時に「営利企業」でもあります。

医療を提供することが目的のはずなのに、実態は売上・利益を最大化することが経営の軸になっている。この二面性が、今回のような問題の背景にあるのは間違いないですと今井は感じています。

研修に時間をかければ人件費がかかる。シフトが回らなくなる。「そんな時間があれば店頭に立て」という空気が生まれやすい。研修の不正受講は、その圧力の結果として起きた側面があるんじゃないでしょうか。

(これは従業員を擁護しているわけじゃないです。でも「なぜそういう文化が生まれたか」を問わずに個人批判だけして終わるのは、本質的な解決にならないと思っています。組織が研修についてきちっと時間を提供していなかった場合、資格が担保できないからその組織を辞めるのか、それともきちんと主張して時間内や時間外にやるのか、医療のプロとしての責任は各自にもあるのかなと・・厳しい見方ですか??)

ホスピス型住宅にも「公益性」が求められ始めた時代

少し話が広がりますが・・・・最近、高齢者向けのホスピス型住宅に対しても「公益性」が求められる声が高まっています。

民間事業者が運営するホスピス型住宅は、終末期の患者さんの「最期の住まい」を提供する場所です。でも一方で営利企業として利益を追求する。その矛盾が、質の低下や費用の問題、社会保障の一環の問題として表面化してきた。

「人の命に関わるビジネス」に対して、社会がより厳しい目を向け始めている——これは時代の流れだと思います。

ならば薬局・ドラッグストアはどうでしょうか?

医薬品を扱い、消費者の健康に直接関わる事業者が、このまま「営利追求主義」だけで走っていていいのか・・・・今井は正直疑問を感じています。

「薬を売る場所」から「健康を支える場所」へ

薬局の本来の役割は何かといえば、患者さんの服薬を適切に管理し、健康を支えることです。

でも現実は、ポイントカードで集客して、化粧品や食品も売って、いかに客単価を上げるかを競っている。登録販売者の研修が「形式」になっていく背景には、そういう「薬局のビジネス化」が進んできたことがあるんじゃないかなと。

在宅医療の現場にいると、ドラッグストアで買った市販薬と処方薬の相互作用が問題になるケースに出会うことがあります。そのたびに「ちゃんと確認してくれる人がいれば」と思うんですよね。

公益性と営利のバランスをどう取るか

誤解してほしくないのですが・・・・営利を追求すること自体は悪くないです。利益がなければ事業は続かない。それは医療法人も同じです(^^♪

ただ「人の健康・命に関わる事業」には、利益追求と同等以上に「公益性への責任」が求められるべきだと今井は思っています。

今回のサツドラの問題が、ドラッグストア業界全体が「医療提供者としての自覚」を問い直すきっかけになってほしいなと。

国が定めた研修をきちんと受けた登録販売者が、消費者の健康を本当の意味で守れる——そういう薬局・ドラッグストアが増えていくことを願っています。

さて今日は外来&病棟&訪問です。コツコツと現場で頑張っていきたいと思います。今日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!!

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