在宅医療における「食支援」について~服薬やリハビリより大切なことがあるかもしれない~
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
在宅医療の現場で患者さんや家族と話していると、どうしても「薬をちゃんと飲めているか」「リハビリの進捗はどうか」という話題が中心になりがちですよね。もちろんそれも大事なのですが、今井が在宅医療を続けていて、実は一番大切なんじゃないかと感じているのが・・・・「食べること」と「排泄」なんです。
先日、とある末期がんの患者さんのお宅にお邪魔したときのこと。
ご家族が「先生、最近あまり食べられなくなって・・・」とおっしゃるので様子を伺うと、患者さんご本人が「でもね、昨日訪問看護師さんが提案してくれた通りに娘が作ってくれた茶碗蒸し、おいしかったよ」と、ちょっと照れくさそうに笑っておられました。
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これ、よくある会話ですがすごく大事なことだと思うんです。
食べられる量が減っても、「おいしかった」という体験は残る。その一口が、その日の生きる楽しみになっている。今井はこういう瞬間に何度も立ち会ってきましたが、そのたびに「食支援ってやっぱり在宅医療の核心だな」と実感します。
在宅医療の現場では、食に関わる問題は実にさまざまです。嚥下機能の低下、食欲不振、認知症による食事拒否・・・・。医療者として「誤嚥のリスクがあるから」「栄養状態が悪いから」と、どうしても制限や管理の方向に話が向きがちです。でも、在宅でその人らしく生きていくということを考えたとき、果たしてそれだけでいいんでしょうか??
今井は、食は栄養補給の手段である以上に、生活の楽しみであり、家族とのつながりであり、その人の人生そのものだと思っています。好きなものを口にできる、家族と同じ食卓を囲める、そういうことが在宅での生活の質を大きく左右します。リスクをゼロにすることよりも、本人が「食べたい」と思うものを、できる限り安全に楽しめるよう支援する。そういう視点がもっと重視されていいんじゃないかなと感じています。
もちろん排泄管理も同様です。在宅の患者さんにとって、排泄の問題は生活の中でとてつもなく大きなストレスになります。「家族に迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」という気持ちから、水分や食事を自分で制限してしまう方も少なくありません。これは結果的に栄養・水分不足を招き、体の状態をさらに悪化させてしまう・・・という悪循環にもつながります。食と排泄はセットで考えないといけないんですよね。
皆さんはこのことについてどう思いますか?
「きちんと管理する」ことも大切ですが、在宅医療の醍醐味って、その人が「自分らしく、楽しく生きられるか」を一緒に考えることだと今井は思っています。好きなものを食べる自由、食卓を家族と囲む喜び、そういったことを守るための医療でありたいですよね(^^♪
在宅医療に関わるすべての職種の方々と、こういう視点を共有しながら日々の診療を続けていきたいと考えています。
今日も、今日という日が皆さんにとって素敵な1日となりますように!!
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