「もう入院はしたくない」という親の言葉をどう受け止めるか
こんにちは、札幌のかかりつけ医&病棟医&在宅医@今井です
かかりつけ医としての外来診療や在宅医療の現場での相談でご家族からお話を伺うとき、たまにこんな言葉を耳にします。
「親が『もう入院はしたくない』と言っているんですが、そんなわがまま聞いていいんでしょうか・・・・」
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今井はこれを聞くたびに、少し悲しい気持ちになります。なぜかというと、「入院したくない」という言葉は、わがままでも何でもなく、その人が長い人生の中でたどり着いた、とても大切な気持ちの表れだと思っているからです。
先日、(外来診療でですが)80代のお父様を持つご家族からご相談がありました。肺の病気で何度も入院を繰り返してきたお父様が、「もう病院はいやだ、家にいたい」とはっきりおっしゃるようになったと。ご家族は「でも何かあったときに対応できるか不安で」と、その言葉を正面から受け止めることができずにいました。
気持ちはよくわかります。家族としては「何かあったときに後悔したくない」「ちゃんとした医療を受けさせてあげたい」という思いがあるわけですから。でも一方で、当のご本人がはっきりと「家にいたい」とおっしゃっている。
この2つの気持ちの間で、多くのご家族が揺れています。
ここで今井ができる限りお伝えしていることがあります。
「入院したくない」という言葉の裏には、「家で、自分らしく過ごしたい」という強い意志があるということです。病院での生活を何度も経験した方ほど、その気持ちは切実です。知らない天井、慣れないベッド、面会時間の制限、自分のペースで食事も眠りもできない日々・・・・。それを経験してきたからこそ、「もう家にいたい」という言葉が出てくるんですよね。
その言葉を「わがまま」と片付けてしまうのは、その方の人生や気持ちを少し軽く見てしまっていることになるかもしれません。
もちろん、「じゃあ何があっても家にいればいい」という単純な話ではありません。外来や在宅医療にできることにも限界はありますし、状態によっては入院が必要な局面も出てきます。ただ今井が大切にしているのは、本人の「こうしたい」という気持ちを出発点にして、医療の組み立てを考えてあげるということです。まず本人の意思があって、そこに医療や介護が寄り添う形が、在宅医療の、というか医療の本来の姿だと思っています。
「親が入院したくないと言っている」と感じているご家族の方、その言葉はわがままではありません。むしろその気持ちをちゃんと受け止めてあげることが、親御さんにとって一番の安心につながることも多いんです。難しいとは思いますが、そういう時こそかかりつけ医や在宅医と相談してみてはどうでしょうか??
いまいホームケアクリニック、さっぽろみなみホームケアクリニック、暮らしによりそう診療所では札幌の中央区、西区、北区、手稲区、南区、清田区、豊平区(一部全域カバーはしていない区あり)で在宅医療や在宅緩和ケアを行っています。当法人での在宅医療に興味のある患者さんご家族の方は気軽にご相談してくださいね。お待ちしています。
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